はじめに
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僕は高校生に現代文を専門で教える仕事をしているのだが、多くの子は記述に抵抗を持つ。
実際、自分も読書感想文などは嫌いだったが、現代文の記述は大きく異なる。
というか、「優れた」感想文を構成する要素には、現代文で得点できるようになる要素が一ミリも入っていない。
小学生くらいの国語は、読んだ際の感想や情緒の変化を問う。
たしかに、国語教育の一環としては有効だろう。
ただし、国語力のアップには毛ほどもつながらない。
誤解されがちだが、現代文は「お気持ち」を極限まで排除する科目だ。
現代文の本質は情報の整理だからだ。
書いてあることと、書いていないことを正確に仕分けて、その情報メモに沿って問題を解く。
そうすると、点が来る。
国語のできない子ほど、「速読って効果ありますか?」と聞いてくるが、そのレベルなら意味はない。
問題を解く時間が無いのは、読むのが遅いからではない。
僕が速読を勧めないのは、未熟なうちから速読をしてしまうと、情報の取りこぼしが発生する可能性があるからだ。
速く読むことに意味はない。
なぜ時間内に問題が解けないのか?
それは、何度も課題文を読み直しているからだ。
何回も同じ個所を読み直しては、問題にとりかかり、やっぱり課題文を忘れて読み返しに戻るから、時間が無くなる。
一回読んだだけで、すべての情報を過不足なく拾って、整理する。
「読解力」とは、こういうスキルを言う。
では、どうすれば素早く正確なリーディングができるようになるか?
それは、要約をするとよい。
要約力こそが、いわゆる世間のいう「読解力」の正体だからだ。
例えば、次の文章を読んでみてほしい。
読み終えたら、上記の文章を100文字程度に要約してみよう。
いったいどのような要約文が出来上がるだろうか?
ここから先は、文が出来上がってから読み進めてほしい。