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どうして「赤信号は止まれ」なのか?

「赤信号 みんなでわたれば 怖くない」
あまりよろしくないとはいえ、人間の集団真理を良く表した一句である。

さて、この「赤信号」であるが、実は「赤=とまれ」なのは日本だけではない。
例えば、適当な洋画を見てほしい(都市部が舞台の方がきっと出やすいだろう)。

アメリカやイギリスなどの都市部が舞台の映画ならすぐに気が付くだろう。
やっぱり信号は「青が進め」で「赤が止まれ」なのだ。

「そんなの、日本が欧米列強から色々な文化を学んだ時の名残だろう」と思われる方もいらっしゃるかもしれない。
確かに欧米が決めたのかもしれないが、それはそれとして、「赤=止まれ」は別に彼らに倣ったわけではない。

実は、世界的に「赤信号は止まれ」で統一されているのだ。

では、いったいどうして「赤=とまれ」なのか?
この話をするには、理科の知識が必要になる。

光の波長

みなさんは「紫外線」「赤外線」という言葉を聞いたことはあるだろうか。
特に真夏の天気予報などによく言われる、女性の天敵ともいわれるあれのことである。

太陽光のうち、可視光線の範囲外にあるものをいう。
光のスペクトル(波長の長短)は以下のようになっている。
その下にある数字の大きさは、いったんここでは「どれだけ見えやすいか」を示していると思って構わない。

引用:http://www.my-craft.jp/html/aboutled/led_supekutoru.html


見ると分かるように、左端が紫、そこから徐々にグラデーションがあり、右端に赤が来ているだろう。
このうち、紫の光よりも外にある光線を「紫外線」、赤の光よりも外にある光線を「赤外線」というのだ。

さて、このうち右端に注目してほしい。
燃えるような赤が見えることだろう。
先ほども述べたように、スペクトルの下にある数字はその光の強度を表したものだ。

つまり、赤はそれだけ強い色だということになる。
事実、赤はすべての色の中でもっとも視認性が高いのだ。

信号の色はどれも大事である。
だが、とりわけ赤は最重要だ。
青信号が見えておらずともクラクションを鳴らされる程度で済むが、赤信号が見えていなければ大惨事を引き起こしかねない。

だからこそ、「止まれ」を表すサインには「すべての光の中でもっとも見えやすい色の光」を起用することとなっている。
「赤信号だから止まれ」なのではなく「止まれを表すから赤信号」なのだ。

こうしてみると、道路標識なども一時停止などは赤が目立つことがわかるだろう。

理科の知識はこうして身の回りに息づいている。
たかだか信号の色ですら、重大な意味があってその色をたたえているのだ。
明日から外を歩く際には、ビルや看板の色遣いに注目してみると、面白いことが発見できるかもしれない。

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