【MBTI探求】PとJはどういう心理機能?
PとJとは何なのか、これらは心理機能上どういう立ち位置になるのか。MBTIクラスターなら誰しも一度は考えたことがあると思う(?)。
SiとNiについて考察していくうちに色々思い至ったので、まとめてみる。
※過去一複雑な内容なので表現わかりづらいかもです…。
PとJの定義
MBTI上で定義されている心理機能は、【Se、Ne、Si、Ni、Fi、Ti、Fe、Te】の8種である。
それぞれ、【S/N】【F/T】に、【I/E】がくっついている構造だ。しかし、MBTIの四文字目のPとJ区分に対応するアルファベットは、心理機能にはどこにも出てこない。このPとJはどこから来たのか。後付けの考えなのだろうか。
実は(というか当然に)、PとJはしっかりと心理機能に結びついている。
【P】はPerceptual:知覚を意味しており、【J】はJudgement:判断を意味している。つまり、Pは知覚機能【SとN】 、Jは判断機能【FとT】をまとめて論じる概念となる。それ故にPとJは8種の心理機能には出てこないアルファベットなのだ。
そうすると、PとJがMBTIにおいて持っている役割は、MBTIの2文字目(知覚)と3文字目(判断)のうち、どちらに比重を置いているか、を表している文字と想定される。
しかし、「知覚に比重を置く」というのはどういう意味なのだろうか。【N/S】に心理機能の強さが寄っているという意味だろうか。ENTPは確かに、知覚機能(Ne)が第一機能で最も重視する。しかし、INTPも知覚的だが、知覚機能Neは、第二機能で、判断機能のTiが第一機能だ。そのため、単純に知覚が判断に比べて強いという事を意味する記号ではない。
結論から言うと、このPとJの区分は、第一or第二機能において外向きに使っている力が、【P】知覚機能か【J】判断機能かどうかの違いだ。【Ti,Ne】のペアを持てばP型、【Te,Ni】のペアを持てばJ型、という具合に。
・・・いや、どうしてこんな難しい分類にするのか。直感的にわかりづらすぎる。という事はこの分類には、人の性質をうまく表せる、何か決定的な理由があるのだろう。
心理機能を役割によってグループ化してみる
さて、ここで
【Se、Ne】を【Pe】 【Si、Ni】を【Pi】 【Fi、Ti】を【Ji】 【Fe、Te】を【Je】
としてグループにまとめて扱おう。
これは、心理機能の構造を考える上では、SとN、FとTは、担っている仕事が同じだからだ。つまり、SもNも「情報を●●的に外界から取り込み整理する」仕事をしており、FもTも「整理された情報を●●的に分析し決断を下す」という仕事をしている。【S/N】、【F/T】の違いは、●●の中に何が入るかという違いだけだ。
ここで、【Pe,Pi,Ji,Je】が心の中で関係しあい、それぞれ情報の受け渡しをしているのだと考えてみると、各機能が心の中の情報処理においてどの順番におり、どんな役割をなしているかのフレームワークの意味が見えてくる。
4つの心理機能分類と情報伝達
これらの関係をまとめると、下の図のようになる。
外界の情報は【Pe】によって心の内側に取り入れられ、それは【Pi】によって取捨選択され、言語化される。
言語化された情報は【Ji】判断機能に受け渡され、脳内で分析される。分析結果を【Je】の価値観に照らし合わせ、決断・行動をする。
8つの心理機能は、この情報処理の流れにおいて、このタイミングで働く役割を持っていることがわかると思う。
8つの心理機能は個々に独立しているのではなく、情報処理過程で連結しているのだ!
情報順行のP型と逆行のJ型
さて、MBTIのP型なのかJ型なのかというのは、先ほどまとめたように、Peが強いかJeが強いかという事を意味している。客観的にはPiとJiは観測(診断)できないから、分類のためには外向的にどちらがどちらが使われてくるかという区分を採用しているのだろう。
さて、P型(Pe重視)とJ型(Je重視)のスタンスの違いは人の性格にどのような影響を与えるのだろうか。
一般的にP型は探索を好み、外界からいろいろな情報を際限なく取り入れることを好む。一方で一つに決断して計画通りに実行することは忌避する。
一方でJ型は計画を好み、情報は広く取り入れるというよりは、目的を前提に厳選することを好む。一方で予測していない環境変化に弱い。
この性質の違いは、先ほどの情報の流れから説明できる。
P型はまず外部環境ありきだ。現実世界からのインプットを重視するため、受動的で、すべての心の動きは【Pe】から始まる。心理機能の優先順位である、Pe➡Pi➡Ji➡Jeという流れは、実際の時間の流れと順行にするような心理機能の順列となる。
一方、J型はその逆だ。価値観的に【Je】を重視するために、最終的な自分の行動や決断、結果に着目する。そこから逆算する流れで、どのように考えるべきで、何を見るべきかと考える。
そのため、心理機能の優先順位はJe➡Ji➡Pi➡Peとなり、実際の時間の流れと逆行している。Peよりべき論が優位に立つため、現実はありのままではなく、知るべき/知る必要がないフィルターを通して知覚が始まるのだ。
生物として自然なのはP型だろう。外界の情報を取り入れ対応していくのがPだからだ。虫や獣はべき論で見えているものが見えなくなったりしない。
一方でJ型はこうしたいという意思からスタートして世界を見る。知恵の実を持った人間らしい。
このように、心の中での情報の流れが、現実世界と順行するか逆行するかという違いが、性格においてかなり決定的な影響を及ぼしているから、MBTIの四文字目として採用されているのだと主張したい。
Jiを愛するP型と、Piを信奉するJ型
ここで普通に出てくる疑問は、Pを優先するP型なら第二機能はPiになるはずではないか、なぜJiなのか、という問いだ。
これは、情報処理を円滑に進めていくうえで、P型はJiを愛し、J型はPiを信奉するような働きがあるからだと考えられる。
P型はPeが強くPiが弱いいため、必然的に大量の情報がJiに流れ込んでくることになる。そして、Jiは入ってきた大量の情報を繋ぎ合わせて、自分の心の中の体系を構築する。恐らくP型は、この時のJiの過程を愛している。自分の心の中で縦横無尽に論理や好き嫌いが交錯し、結論に結実していく過程が楽しいのだ。
結果、P型は総じて自己愛が高い。Jiの過程は、主観的には自分自身の心の声として観測されるからだ。P型は自分の心の声を聴くために、Peを行使しているのかもしれない。
(というか、Jiが好きだからPeを積極的に働かせるようになった、という逆起源説まであるかもしれない)
一方で、J型の場合はJeが強い。考えを適切に実行(Je)していくためには、状況の選択肢はできるだけ少なく、判断しやすいことが望ましい。そのため、PからJiに受け渡される情報は、できるだけ事前に絞られていると望ましいのだ。
結果、J型の心はPeを抑制しつつ、Piを強く働かせることが合理的になる。そのため、J型はSiの規則やNiの自分の中の確信みたいなものを信奉し、頑固になる。
以上、ここに第三機能の発達についてとか、ieie/eieiになる理由とか、P型とJ型の生育環境による影響とか、いろいろ派生する話があるのだが、複雑なりすぎるのでそこら辺はまた興味がある人がいそうであれば書いていきます。
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