UX を理解する - UX デザインの教科書
UXって結局なんなんだ?
そう思って UX デザインの教科書 という書籍を読みました。かなり前に書いたメモですが、note にアップ。「UXデザインの教科書」おすすめです。
# はじめに
UXは多面的に捉える。そしてユーザーの感情は必ずセットで考える。
目次
・時系列UX
・UXに影響するモチベーション
・ニーズと本質的ニーズ、そして体験価値
・UXと利用文脈
・UXと目標
・おわりに
# 時系列UX
## 予想的UX
サービスを利用する前に感じたこと。今後のUXすべてに影響を与える。
例えば、
- 過去に利用した競合サービス
- CMの内容、キャッチコピー
- 他ユーザーのレビュー
予想的UX =「期待感」。これと同じUXが「瞬間的UX」で得られないとサービスへの評価が下がる。
メモ
ストアやレビュー、サイト、SNSを含めどのようにサービスの期待をもってもらうかを考える必要がある。そのためには、サービス利用前のタッチポイントを明確にして、どのような期待感をもってもらうか = ゴール設定をし、予想的UXの設計を行う必要がある。
## 瞬間的UX
サービス利用中に感じること。利用中は、あらゆる操作で感情が動く。そのために「瞬間的UX」は、感情的・直感的に評価判断されることが多い。
メモ
操作性はもちろんだが、サインアップ〜オンボーディングまでで、予想的UXに応えるUXを体験してもらう必要がある。また便利だけでなく「心地のよさ」を感じてもらうことが重要
## エピソード的UX
サービスを使った後、振り返って感じること。「OOOな目的で使ってみたらXXXだった」のような形式で語られるUX。サービスがよい/悪い、という評価は「期待と結果」から判断される。またサービスを使う度に新たに形成されていく。
本UXは主に、「行動結果+その時の感情」で形成される。
メモ
そもそも利用目的=「期待」がない状態で、サービスを利用してもよい/悪いの評価があいまいになってしまう。まずは、「期待」を確実に伝えて、それをいかに解決できているのか、の順で考える必要がある。
## 累積的UX
利用期間全体を振り返って感じること。サービスを直接利用していない時間もUXとなりうる。
例えば、製品を所有していること自体に満足している。誰かに自慢したくなる、などの体験があたる。
「古くなって少し使いにくいけど、長く使ったので愛着がある。」のような形式で語れることがある。
また「Google っていいなぁ」のようにサービスを超え、企業そのものからも影響されることがある。これをブランドイメージと呼ぶ。この累積的UXが次のサービス利用時に「予想的UX」となる。
メモ
サービスを利用していない間も体験してもらう必要がある。それは利便性だけで形成されるものではない。それは、おそらく「共感」から生まれるもの。質の高い累積UXはファンを生み出す。
# UXに影響するモチベーション
## 自己効力感
ある目的達成のための行動過程を「やれるように頑張れる(自分でもできる)」と感じるかどうか。「やれる/やれない」ではない、より主観的な感覚。
取り扱い説明書を読む、複雑な操作を行うといった行動をどれだけ「行える」と感じるか、ということ。
ユーザーのリテラシーに大きく影響される。
メモ
これはなるべく低めに設定するほうが良さそう。ただあまりにも低いものばかりだと、おそらくリテラシーの高い人たちには物足りなくなってしまう。サービスの奥行きをどれだけ作れるか、が重要。
## 製品関与度
ユーザーとサービスとの目的達成・価値観の尺度。
以下で形成されている。
使う楽しさ
- サービス利用が楽しいと感じる
- 自分の趣味・興味と一致している
- 自分が積極的に使いこなしている様子を想像できる
- 自分らしさが反映できる
情報感度
- 新しいサービスがでたら、やりたいと思う
- 新しいサービスがでたら、とても気になる
- 新しいサービスの内を、だいたい知っている
利用効果の認識
- サービスでどんな効果が得られるか実感できる
- 使い方が理解できる
- どんな風に使えば活用できるか想像できる
メモ
いかにサービスが自分ごとになるか、が大きな要因。情報感度に関しては、ユーザーの志向性が強く、サービス側では大きく干渉できない。常に新しいサービスを生み興味をひく、ぐらいしか思いつかない。
## 自己効力感 x 製品関与度によるセグメント
マニアユーザー
- 自己効力感高め x 製品関与度低め
- 使いこなして、愛着もある
合理的ユーザー
- 自己効力感高め x 製品関与度低め
- 使いこなすが愛着がない
期待先行ユーザー
- 自己効力感低め x 製品関与度高め
- 使いこなせないが、愛着や期待感はある
ミニマム利用ユーザー
- 自己効力感低め x 製品関与度低め
- 必要最低限の操作だけ、愛着もない
メモ
アンケートでどのセグメントが多いか調査してもいいかもしれない。
また施策を行う際に、どんな人かイメージしやすい。ペルソナのいち項目に入れてもよさそう。
# ニーズと本質的ニーズ、そして体験価値
ニーズとは、ある目的を達成するための手段であることが多い。そのニーズには、さらに概念的な「本質的ニーズ」がある。また本質的ニーズには、感情的な要素が強い。
例えば、
ニーズ:綺麗にとれる写真がほしい
本質的ニーズ:思い出を綺麗に残したい
のようなもの。
その本質的ニーズを満たすものとして「体験価値」を定義し、より広域な視点で解決を図ることが重要。
ニーズと本質的ニーズのレイヤーを行き来しながらUXを作る
## 体験価値
サービスの「瞬間的UX」だけではなく、「体験的UX」から形成される。
「まだOOOはできていないがXXXXできそう」という「期待感」も体験価値のひとつ。
「期待感」は「予想的UX」のひとつ。サービスを体験していくなかで、形成されていくものすべてが体験価値になる。
メモ
本質的ニーズを考えると競合サービスも変わる。同じ業種でも本質的ニーズに差があれば、機能合戦にはならない。またサービスが大きくひとつの流れで動き出すので、統一感やシナジーが強くなる。
# UXと利用文脈
UXは「いつ、どこで、誰が、どのような目的で」体験を行うかが重要。
そのとき以下の利用文脈を意識する。
## 利用文脈の5側面
1. 身体的:物理的な使いやすさ
2. 頭脳的:操作のわかりやすさ
3. 時間的:操作にかかる時間
4. 環境的:操作を行う環境からの影響
5. 運用的:サポート体制や操作案内
メモ
環境的側面は忘れがちになるので、意識する。
# UXと目標
ユーザーのもつ目標はひとつではない。ある目標はより概念的な目標に内包されている。
例えば、
- カーナビに目的地を達成したい
- スムーズにそこまで移動したい
- 楽しくドライブしたい
- 楽しい時間を過ごしたい
また体験は必ずしも「目的達成」と関連しない。
体験には以下3つの分類がある。
目的指向
- 目的達成そのものが重要。「満足感」が求められる
- ツール的に目的達成できる
プロセス志向
- 目的達成の過程が重要。「楽しさ」が求められる
- ゲームはクリアするまでが楽しい
状態指向
- その状態であることが重要。「心地よさ」が求められる
- おしゃれな時計は身につけるだけで心地いい
メモ
この3つの視点は重要。
目的達成に関してはIAの段階から解決していく。
しかし、プロセスと状態に関しては、もっと細かな視点で解決する必要がある。マイクロインタラクションなど。
おわりに
まとめ
・UXは時系列で捉え、すべてのフェーズで高い体験を維持できるよう設計する
・ユーザーがどう感じるかを常に意識する
・体験価値はひとつではない
・目的達成に満足
・プロセスが楽しい
・使って心地いい
読んだ書籍
おわりのおわりに
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それでは、