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プラネタリー・バウンダリーとヒト|SDGsから考える

こんにちは、ぐりです。

最近は暑くて、クーラーなしには生きていけないですよね。僕が小さい頃はこんなに暑くはなかった気がします。ということで地球温暖化にも関わるSDGsについて述べられている本を読んでみました。

本のタイトルは、『60分でわかる! SDGs超入門』です!

こちらは、SDGsの略称(Sustainable Development Goals)から教えてくれる易しい本でした。世界的な現状の理解と将来のビジネスチャンスについても言及されており、SDGsとそれを取り巻く社会環境について包括的に学ぶことができました。

この本に書いてある、プラネタリー・バウンダリーからヒトの種としての在り方について考えていきます。



プラネタリー・バウンダリーとヒト


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地球の限界(プラネタリー・バウンダリー)環境省より


プラネタリー・バウンダリーについて本著では以下のように述べられています。

限界を越えると、人間が依存する自然資源に対して回復不可能な変化が引き起こされるとされる。9つの環境要素のうち、「生物種の絶滅の速度」と「生物地球化学的循環」は、高リスクの領域にあり、「気候変動」と「土地利用変化」は、「リスク増大」の領域に達しているとされる。

人間が依存する自然資源に対して回復不可能な変化というのは、絶滅した種は生き返らせることは基本的にはできないことや、自然の自浄化作用を超えた化学物質が自然を汚染し続けていることが挙げられます。

このように考えてみると、回復不可能な変化を引き起こした張本人は、我々ヒトなんだってことがわかります。


地球の立場に立ってみたら、ヒトは?

高リスクに挙げられていた問題、「生物種の絶滅の速度」「生物地球化学的循環」について掘り下げてみます。


まずは「生物種の絶滅の速度」について。

我々、哺乳綱サル目ヒト科のホモ・サピエンス(Homo sapiens)は、史上最も危険な種として知られています。なぜなら、産業革命のはるか以前に、最も多くの動植物を絶滅に追い込んだ記録を保持していたからです。

現状でも、IPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットホーム)によれば、動植物だけで、少なく見積もっても100万種の絶滅危惧種がいるそうです。 多くの種の絶滅にヒトの行動が影響を与えているのは容易に想像できますね。

種の絶滅は、生態系を崩し結果的に人間の存続も危ぶまれることになります。


次に、「生物地球化学的循環」について。

プラネタリー・バウンダリーでは、主に窒素とリンが挙げられていました。

窒素は、農業に化学肥料を使ったり、工場や車などで化石燃料の燃焼させたりすることで発生します。日本では、窒素の被害として、水質汚染や富栄養化が良く知られていますが、化合物の亜酸化窒素は温室効果ガスにもなります。また、窒素酸化物は、光化学スモッグや酸性雨の原因にもなります。リンについても肥料や洗剤などに含まれ、水質汚染の原因になっています。
先述の通り、化学物質を多量に生み出したのは、ヒトに他なりません。

もしも自分自身が地球なら、ヒトがどれほど悪影響を与えているかを想像するだけで恐ろしいです。地球にとっては、ヒトよりもウイルスの蔓延のほうが良いのかもしれません。


そもそも環境「保護」って?

そもそも僕は「環境保護」という言葉に違和感を覚えます。

環境は、人間や生物を取り巻くまわりの状況を指し、地球保護といっても良いのかもしれません。

現状、ヒトが地球にとって大きな損害を与えていることは、我々も理解しており、それを踏まえ、近年では企業もCSR活動として環境保護活動に前向きに取り組むことも増えました。


しかし環境(=地球)は保護できるようなものではないと思います。我々は地球に居させてもらっている、むしろ保護されています。


少し視点を変えてみます。

地球を雨風から守ってくれる家として考えてみると、

我々が自分の家を掃除しなければ、我々自身の衛生状態が下がります。在宅ワークの質も下がるでしょう。つまり、結果として自分自身に不利益を被るわけです。だから自分たちで掃除するなど整備をしていくわけです。

地球に対しても同じです。「生物種の絶滅の速度」や「生物地球化学的循環」についてもまわりまわってヒトに悪影響をもたらすことになります。それを阻止するために、地球のメンテナンスを行う必要があるのです。


これまでの考えを踏まえると、「保護」という言葉は、ヒトの極めて主観的なワードであることがわかっていただけるかと思います。


ヒトが活動を停止したことで、環境が自己修復したニュースはご存知ですか?

インドの工場地帯では、コロナ下のロックダウンによって、これまで工場の煙で隠れていたヒマラヤ山脈が見えるようになったというニュースがありました。その他にも人のいない都市に野生動物が現れたりもしました。

このことから言えることは、結局環境を良くしたければ、経済止めるしかないということです。


でもそんなことはできない。我々にも生活していかなければならない。

だからこそSDGsがあると思うんです。


SDGsは必要不可欠かつ必要最低限の取組み


SDGs(Sustainable Development Goals)は、日本語では「持続可能な開発目標」と言い換えられます。定められた17の目標の中には、海・陸の豊かさや気候変動など地球に向けたものもあります。

そして、その環境が我々の社会や経済の基盤となっていることも示しています。(SDGsウェディングケーキモデル)

つまり我々がヒトとしてこれまで通り活動するには、環境基盤の整備が必要不可欠であり、地球に住む一種の生物として他種と共存するために、必要最低限な取組みであると言えます。


SDGsはビジネスとしても有用で、莫大な経済効果を生むと言われています。

ヒトによってもたらされた悪影響について理解し、これからの社会や経済を、より環境と共存できる在り方を模索するための足掛かりとしてSDGsはこれからさらに注目されていくでしょう。


【参考文献】


バウンド (2019)、『60分でわかる! SDGs 超入門』、株式会社 技術評論社




・環境省(2017)、『平成29年度版 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書(概要)https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h29/pdf/gaiyou.pdf





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