見出し画像

2度好きになったThe 1975がヘッドライナーになるまで


The 1975がSUMMER SONIC (以下、サマソニ)のヘッドライナーとしてカムバックする。

自分にとって初来日公演を見たアーティストがフェスでヘッドライナーをやることは初めての出来事。
2020年にSUPER SONICでヘッドライナーとしてラインナップされた時点でまだライブを見たわけでもないのに初来日公演とか、見てきたライブのことなどを思い出して既に感動していた。
2020年は延期、2021年はラインナップ変更ときて2022年ついに彼らが再度ヘッドライナーとしてラインナップされた。

彼ら自身2020年に4thアルバム『Notes on a Conditional Form』をリリースする前後、イギリスでツアーをしていたがこちらも途中で中止になった。
The 1975は4thアルバムまでを“Music For Cars”期としていたがその一つの時代は未完了のまま2年以上彼らはライブをしていない。
そんな彼らはライブ活動の再開の場としてサマソニを選んだ。

そして“Music For Cars”期の次のNew Eraの幕開けとなる5thアルバム『Being Funny In a Foreign Language』のリリースが今年の10月14日に決まった。

今年に入って新作に収録される今までにありそうでなかった新機軸の『Part Of The Band』と“らしさ”を感じる『Happiness』を公開している。

新作からはまだ2曲しか公開されておらずかつ新作自体10月リリース。
アルバムリリース日を“Music For Cars”期の次のNew Eraの始まりとするのであれば、サマソニは“Music For Cars”期と次のNew Eraを繋ぐ場所になる。

The 1975にとって2年以上ぶりのライブ。
そして“Music For Cars”期と次のNew Eraの間のライブ。
今年のサマソニのThe 1975のライブはただのライブではなく全世界が注目するライブ。
どのようなモードでライブをするのか誰にも分からない。

もう既に緊張している自分がいる。
この感覚はかなり久しぶり。

そもそもThe 1975がこんなに大好きなバンドになるなんて思わなかった。


思い出語りみたいになってしまうが、、、
The 1975のライブを初めて見たのは初来日公演である2013年のサマーソニック。
ソニックステージの午前11時過ぎ。
1曲目では無かったと思うが、なぜか『The City』の入りのドラムの音の鳴りを今でも覚えている。
MVもモノクロだったが、ライブのスタイリングも黒のファッションで全員決まっておりすごくスタイリッシュ。
この頃は特にこういったバンドの見せ方、ブランディングみたいなことはそこまで重要だとは思わかったが、今となっては重要過ぎるので彼らの先見性もこの頃から感じる。


少し話は逸れるがこの年のサマソニのソニックステージは良質なインディーミュージックが揃っていてCapital Cities、The Royal Concept、Peace、PALMA VIOLETS、TWO DOOR CINEMA CLUB、CHVRCHES、BASTILLE、KODALINEなどなど。
今思うと2013年がインディーミュージックの終わりの始まりだったのかもしれない。
それくらいこのラインナップはすごい。
この中でフェスのヘッドライナーを一番先にやるバンドがThe 1975になるとはだれが予想できたことか。
自分自身このころはThe 1975最高だし売れるだろうけどヘッドライナーやる感じではないかなーと思っていた。

そこから彼らは定期的に来日していて、
2014年2月に赤坂BLITZでワンマン。
この時も見に行っていて、楽曲も彼らのパフォーマンスも最高なのだが、その空間は何かアイドルのライブを見ているような感覚で、音楽のファンというよりメンバーのファンが多いように感じて少し複雑な気分だった。


そして同年のサマソニ。
彼らはもうサマーソニックの一番大きなステージ、マリンステージに立っていた。
昼間という時間と大きすぎる会場ということも
あって前の方しか埋まっていなかったから
自分は友人と前のブロックの後ろの方で座って
ボーっと見ていたのをハッキリ覚えている。笑
一応好きだから見るけど冷めていっていて
その翌年のZEPP Tokyoでのワンマンには行ってすらいない。
もしかしたら行っていたかもしれないが記憶には全く無い。笑

もうこの頃にはThe 1975を好きということすら言いにくい空気を感じて好きとは自分から言うことも無かった。
周りにはいわゆるロックバンド好きが多かったしロックミュージックとは言いにくいサウンドとアイドル的な売れ方でどちらかと言うと毛嫌いしている人も多かったように思う。
そこに止どめを刺したのが、2nd アルバム『I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful Yet So Unaware of I』の邦題だろう。

『君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。』

この邦題とモノクロではなくピンクでブランディングしていてなんだかアイドル的な売れ方を受け入れたように思えて残念に思っていた。


SNSなどでも冷笑するような書き込みも目立つようになり友人との会話でもSNSでもThe 1975の名前は出しづらかった。
ただ曲はまちがいなく良かった。
ポップだが社会的な問題、そしてボーカルのマシューが感じる不安などパーソナルなリリックになっていて質は高かった。
アルバムは聞いていたがライブには居心地の悪さからワンマンもRadioheadと被ったサマソニでも彼らを見ることはなかった。


そして2018年それが一変する。
2018年に入って3rdアルバムの時期に突入し『Give Yourself a Try』『Love It If We Made It』『TooTimeTooTimeTooTime』『Sincerity Is Scary』などリード曲を連発した。
これらの曲がインディーミュージックを愛する人たちの中でも高評価を得て今までアイドル的な扱いをしていた人たちも見方を変えた。
特に『Love It If We Made It』と『Sincerity Is Scary』に関してはSNSでも大絶賛の嵐だったような気がする。

今まで見たことの無いくらいSNSでThe 1975の文字を見た。
この頃からまた自分もThe 1975を好きと言いやすくなったし、実際2ndの頃より更に何段階もステップアップしたような世界観に圧倒された。
アイドル的な売れ方が嫌だった頃を忘れるくらいに。笑

そしてこの年11月にリリースした『 A Brief Inquiry into Online Relationships』は全世界で大絶賛。
各メディアも賞賛の嵐で年間ベストアルバムにも数多くノミネートされていた。
そしてこの翌年の2019年のサマソニは未だに語り継がれている伝説的なライブとされている。
サマソニのマリンステージ、トリ前。
B'z,のファンも多くいただろうけど後ろまで埋まったマリンステージでマシューは日本酒とポカリを交互に飲むというやってはいけないことをやってパフォーマンスし続けた。
マシューは後日謝っていたが、
不安定さを体現したようなマシューの姿、それを支えるバンドメンバー、
それがThe 1975であるからこそ、それが目の前で繰り広げられたサマソニのステージは一瞬たりとも目が離せなかった。


そんな心身の不安定さがそのまま作品に反映されたような4thアルバム『Notes on a Conditional Form』をリリースする頃にはみんな日付が変わるのを待ちカウントダウンがされるほどだった。

元々多くのジャンルが混在する彼らの作品だが、この作品ほどたくさんのジャンルを跨っている作品は現時点ではない。
この作品が何なのかはいまだによく分からない。
サウンドはもちろんのこと、マシューのリリックもいろんな方向に向いており非常にカオス。
1曲1曲は間違いなく最高だがアルバムとして結局なんだったんだろう?というこの作品の答え、そして“Music For Cars”期の完結もライブで分かると思っていたので、ツアーが中止になってしまったのは非常に残念。誰も悪くないけど。


思い出語りが長すぎて自分でもこいつうざいなと思ってきましたが、、

デビュー当時に一気にハマったバンドに一時期冷めかけてたけどそこからまた熱量が上がって今では好きなバンドを聞かれたら自信をもってThe 1975を答えるくらいになったこのバンドは自分にとって特別なバンド。

そして最初にも書いたけど、
デビュー当時から見ていたバンドがヘッドライナーをやる経験が
初めてなので既に感情が変なことになっています。

まだライブの数日前なのに既に緊張しています。

まずは無事ライブ当日ステージの上に彼ら4人が立っていることを願います。

その後のことはまたこちらで書こうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?