サウザー

AIマッチング詐欺の見分け方(AI故にAIを捨てた男、皇帝サウザーの恐怖)


AIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAI,,,,,

広末涼子かっていうくらい連日出てくるこのワード。。

HRマーケットにおいても目にする頻度は結構高い。

今回は「AI採用サービスっていっぱい湧いてきたけど、ほんまに人工知能搭載してんのかね、、」というふとした疑問から、分かる範囲で偽物AIマッチングサービスを見分けるための質問リストを作りました。
せっかくなので普段仲良くしている人事の仲間にも共有できればと思い、こちらにもまとめてみました。
(僕自身は一応理系出身ですが、化学の学部卒なので人工知能については博識ではありません。大人になってから勉強してます。)

以下にレベル順に質問を書きました。僕自身も人工知能は初心者かつニワカなので、コアな知識はないけれど、そんな僕でも思いつく程度の質問に全く答えられないAIマッチングサービスの営業はヤバイかなと思います。
お帰りいただきましょう。

Q1.AIってなんの略ですか?
Q2.AIとBIってセットで語られてますけど、BIって何ですか?
Q3.ディープラーニングってぶっちゃけなんですか?
Q4.何年データを貯めてますか?サンプルデータの量は?統計的に妥当ですか?
Q5.登録ユーザーのどんなデータをどうやって集めて、どの時点のどんなデータと突合させて、確からしさを検証しているのですか?


Q1.AIってなんの略ですか?

Artificial Intelligence一択。いや、さすがに、、と思われた方も多いかと思いますが、結構普通に答えられなかったりします。
即お帰りいただきましょう。


Q2.AIとBIってセットで語られてますけど、BIって何ですか?

これの模範解答は2パターンあります。Business Intelligenceと、最近だとBasic Incomeですね。本も話題を呼びました。

Business Intelligence

この言葉が使われるようになったのは、1989年、後にガートナーグループのアナリストとなるHoward Dresnerが、「ビジネスインテリジェンス」とは、「事実をベースとした支援システムを使用した、ビジネス上の意思決定を進化させるための概念と手法」を指す包括的用語であると提唱したことがはじまりで、1990年代後半までには、この意味での使用が普及してゆきました(Wikipedia参照)。

Basic Income

話題のベーシック・インカム。導入時期や可否は別にして、人工知能の進化により、働きたくない人は働かなくてもいいよという時代において、みんなが最低限の生活を保証するために配られる「何か」。楽しみだ。特にHRマーケットである程度真剣に仕事をしている人たちの間では、割りと頻出のテーマ。

AI採用サービスを売ってる人たちは、きっと今後のHRマーケットについてもよく考えているはずなので、「ベーシック・インカム導入後のHRマーケットはどうなっていますかね?」と意見を聞いてみても面白いかもしれない。
「ナニソレオイシイノ?」となっていたら、、速やかにお帰りいただきましょう。


Q3.ディープラーニングってぶっちゃけなんですか?

最新の脳科学の研究成果を取り入れ、感覚的思考の精度を高めようという機械学習のアプローチ「ディープラーニング(深層学習)」らしい。

記号処理→機械学習→深層学習のように進化しているようで、元々パターン認識が得意なコンピュータに、人間の脳のロジックを教えてあげて賢くなってもらおうという雰囲気のもの。
HRの仕事は良くも悪くもバイアスが多いので、パターン認識のみでは苦しい。無機質なジャッジに終止する。ディープラーニングの機能がついているか聞いてみたいところ。
「すごい発達で難しいですよねー」とか愛想で共感とりにきたら、資料を頂いてお帰りいただきましょう。


Q4.何年データを貯めてますか?サンプルデータの量は?統計的に妥当ですか?

AIマッチング!!と謳っているサービスをよく見ると、インスタのハッシュタグ検索レベルの域を出ない代物をよく見かける。例えばキャンディデートがレジュメに#体育会と入力していて、企業は体育会出身者をサーチするために検索窓に体育会と入力する。

はいマッチング!
AIマッチング!

うそやろ。。

実際にあるし使われていることが恐い。であればそれこそインスタでいい。

しかもこれはほとんど意味をなさない。
例えばインスタでその日にルノワール展を見に行った人を探すために、#ルノワール×投稿日で検索する。そこに行った人は本当にルノワールが好きなのか?家族サービスできてるのかもしれないし、デートでパートナーに無理やり連れてこられてるのかもしれない。そんな情報だけでスカウト送るのは金の無駄だし、ブランドも毀損しかねない。極めて短絡的な悪手だ。

圧倒的片思い
圧倒的ラブレター

何が言いたいかというと

そのサービスにどれだけ賢い人工知能が搭載されていても、そこにぶっこむデータを持っていなければ、その知能は現時点では無知だということ。
そしてこれからも何も学習しない。万年一年生確定の知能に投資する価値はない。
一切データを貯めてきた様子がなければ「検討します。」と答えて、次のアポ先へ送り出してあげましょう。


Q5.登録ユーザーのどんなデータをどうやって集めて、どの時点のどんなデータと突合させて、確からしさを検証しているのですか?

ここまで答えてくれたAIマッチングサービスの営業担当には、集めているデータの種類、データの集め方についても聞いてみたい。
例えば、本人登録のマインドセットやスキルセットには客観性があるのか。何が願望で何がファクトなのか?それらを確からしさを担保できる方法で収集しているのか?
(もし仮に、裏でキャンディデートに「こんなふうに書けばここからの評価が上がります!」とかやってたらヤバい。)

また、意外と「答え合わせ」ってやっていないんじゃないかな?と思ってる。

ヒトも機械も仮説検証で学習する。特に機械であれば、機械がはじき出した仮説を、現実に起こっている事象と答え合わせしないと仮説の質は高まらない。何を事実情報として学習させているのかは非常に気になる。これが内定時点だと助かるし、数年後のパフォーマンスだと更に嬉しい。

だが、AIマッチングサービスは最近リリースされたものが多い。だが、内定時点の評価との答え合わせには最低1年、入社3年後のパフォーマンスとの答え合わせには最低4年必要とされる。

本当に答え合わせ用のデータを貯めていたのか?
貯めていたとしたらどうやって?

すごく気になる。ぜひ聞いてみたい。

そしてこれは是非、一緒に議論してみたい。


まとめ

こんな感じで、少し考えてみると、AIマッチングって本当なの?と思ってしまう。疑っているというよりは、ビビリなので変なものは掴みたくない。仮想通貨にしろ、人工知能にしろ、ほにゃららTechにしろ、言ったもん勝ちの兆候は危険だ。

最初に書いたとおり、僕個人は人工知能についての理解は浅い(AI故にAIを捨てた男、皇帝サウザー)ので、そんなに難しいことはわからない。
詳しい方がいらっしゃったら是非教えて欲しいです。

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