日本縦断歩き旅《富山➡京都編》2日目 『富山県から石川県入り』伏木駅⇒氷見⇒黒崎
漫画喫茶で起きる。
8時間パックで退出つもりだったが。結局12時居てしまう。
昨日は寝不足だったとはいえ、相変わらず朝に弱い。
漫画喫茶では、フリードリンクのコーヒーを飲み過ぎた。
昨日の伏木駅へ向かう。
漫画喫茶からでた時、雨はやんでいたが、曇り空で道路は濡れていた。
昨日の吉野家にまた入る。
マヨネーズが苦手なので、
サラダに醤油をかける。マズい。
紅ショウガをとりすぎて、紅ショウガ丼になる。しょっぱい。
ここの吉野家は、おかわり自由だったのでおかわりする。
退店する客に、店員のおばちゃんが
「いってらっしゃーい!」と小気味よく送り出した。
何気ない朝の風景だが、いいなぁ、と思う。
私も支払いを済ませて「ごちそうさま」と去ると、
「ありがとうございましたー。」
あ、ああ。
常連客だから言っていたのか・・・。
残念に思い、すこし落ち込む。
いや、働きに出る人と、観光に来た人、の違いか。
などと自問自答して、今日の出発に意識を整えた。
昨日見た、藤子不二雄ミュージアムも開館前の朝は面持ちが違う。
越中中川駅に着く。
ドラえもん仕様でカラフルだ。
徐々に学生が集まりだす。
旅先、駅を利用すると学生をよく見る。
地方は車社会、電車は学生が支えているのだろう。
歩いて地方を歩くと高齢者ばかり目にするが、
ちゃんと若い人が大勢いると、目で見ると安心する。
3両編成のシャアザクのような朱色の電車に乗った。
屋根に送電線がなく、ディーゼルなのだろうかエンジン音が響く。
出入り口に段差があり一段登って乗車。
中はすでに学生で席が埋まり、立って景色を眺めた。
男子2に対して女子8ぐらいに女学生のほうが多かった。
前髪を整える女学生、不思議と都内ではあまり見かけない。
7:00に伏木駅に降りて歩き始める。
歩き始めてすぐにトンネルに入る。
歩道の道幅が広く、ありがたい。
雨晴トンネル。
あまはらし、と読むらしい。
海がみえる。やはり海がみえるといい。
台風が去った後だからか、少し荒れているように見えた。
道の駅雨晴に着く。
新築なのかとても綺麗な施設だった。
富山の水とお別れかもしれない。
さいごに水を汲もうと近づく。
この水は飲めませんのマーク。
残念。
道の駅のとなりに、綺麗な庭。
天皇が宿泊した施設らしい。
もう誰も使ってないのだろうか、もったいない。
車が通る道を避けたくて、海岸線を歩くことにする。
サイクリングロードらしく。歩きやすく、気持ちが良かった。
車が存在しない道はやはり気持ちがいい。
体調も良好。
ザックもまだ重く感じず、肩の痛みもない。
このころは風もほどよく、気温もちょうどよかった。
あまはらし駅
海に向かう小道。
真っすぐ通るローカル線。
踏切を渡るとカンカンと鳴り電車が来た。
やはり送電線がない。
音も独特だ。
海岸から離れ、田んぼ道に入る手前。
太田保育園の前で、保育士のお姉さんに声をかけられる。
「どちらから?」と。
「海があります。見ていってください」と教えてくれた。
声をかけられると思っていなかったので、
軽く会釈してぼんやりしていた。
今思えば、
スマホでは海岸沿いを歩けると知らなかったのだが、
迷った旅人だと思って海へ誘導してくれたのかもしれない。
それと、昨日はしてなかったが、この日から「日本横断中」とザックにぶら下げていた事も忘れていた。
氷見市海洋植物園の前を通る。
営業時間前で中は見なかったが、
建物が独特で、興味を惹かれた。
この辺りを過ぎたあたりから、
細かい雨に打たれる。
風邪もあり、べったりと濡れる。
遠回りになるが氷見漁港へ向かい。
刺身定食を食べに行く。
少し高いが刺身定食を頼む。
旅先での食事を夢見て、自宅ではもやし炒めを食べていた事を思い出す。
帰った時の為にも、味わって食べよう。
そう思って料理を待つ。
量は少なく感じたが、一切れ一切れ味わって食べた。
動画で気まぐれクックを見てしまって、ずっと旅に出たら魚を食べようと思っていた。数か月の節制を思い、濃厚な魚の味を嚙み締めた。
新鮮なのか歯ごたえも良かった。
雨で身体が冷えていたので、あら汁がありがたい。
そう思って口に入れるとぬるい。
どうもガスが切れていて、火が入ってなかったようだ。
あら汁は、正直いうと骨が煩わしい。
窓から漁港が見える。
鷹らしき大きな鳥が魚をつついていたが、
大勢のカラスに負けて飛び去ってしまった。
カラスは本当にどこにでもいる。
少し寒いが歩き始める。
当分コンビニがないため、ナッツを多めに買っておく。
漫画ロードを見るはずが、
刺身定食につられて漁港側を歩いてしまった。
すこし、まんがロードへ寄り。
ハットリ君を発見。
塗りがきれいだ。
新しいのか、塗りなおしているのか?
藤子不二雄Aギャラリーも見たかった。
ハットリ君は目がいい。
この目で、感情表現が制限されバケモノ感がある。
トトロの目なんかもそうだが、
主人公にこの目を使う所がいい。
これはルフィにも継承されるが、
ハットリ君が初めてだと認識している。
ニンニン。
BBQのテーブルが並ぶ。
平日で雨だから客足は無いように見えたが、
一組これから肉を焼こうとしている女の子二人組がいた。
奥のコテージも面白そうだった。
スケスケだが泊まってみたい。
あそこから見る夕日はどんなだろう。
このあたりからアマゾンの本の読み上げサービス、オーディブルを聞く。
雑学の本を聞いていた。
ドン・キホーテが聖書の次に印刷されたベストセラーと聞いて驚いた。
北海道で巨大な風力発電の風車が怪物に見えた事をふと思い出す。
営業してるのか閉館しているのかわからない旅館群を通り過ぎる。
振り返り、富山の町を見る。
石川の県境が近づき、富山ともお別れだ。
聞こうと思っていた富山出身の落語家立川志の輔師匠の落語を聞く。
「浜野矩隨」を聞く。
彫刻家が得意先から見放され、
自殺しようとするが、
最後の作品と思って一心不乱に彫り上げた作品で見返す話だ。
数年前、この落語と映画ロッキーを心の拠り所にして、
毎日12時間以上仕事していた。
あの時の記憶が蘇る。
会社で隣の部署の管理者が、
よくベラベラと旅行の話をしているのが嫌いだった。
ろくに作業もしてないのに、
作業している人たちの中で、
癒されるだの大声で言ってるのが煩わしく。
どんだけ癒されんだ、永久に癒されてろ。
ああいう人間には絶対なりたくない。
そう思っていた。
そんな俺が旅に出て旅を続けている。
苦しみや退屈さを伴う歩き旅だから、
始められたのかもしれない。
現地の人からしたら、
あの時の仕事場の俺のように、
旅行者とは不愉快な存在かもしれない。
「俺はここで必死で生きているんだ」
そのことを軽視する態度では、
できるだけいたくはない。
旅への姿勢を正す。
偉い人の銅像みたいだ。
芝生も綺麗で誰かが手入れをしているのだろう。
豪華な旅館の前を通る。
高そうだ。
いつかこんな旅館に泊まれる日が来るのだろうか。
しかし。今の暮らしぶりでは、その日はなく臨終しそうだ。
もう人生の逆転は厳しい。
新しい仕事で、うまく頑張れない空転を感じ。
日々そう思う。
北海道でよくみたサファリパークの看板。
ここにも。
いや、別のサファリパークかもしれない。
看板が劣化して、いい感じに猿が怖い。
にゃんこ♡
雨が降りそうで民宿入るか迷う。
それに晩御飯もとりたい。
京都までの行程を思うと距離が稼げていない。
休みは限られている。
先を急ぐことに。
石川県の入り口に来た。
これから石川県。能登半島攻略が始まる。
思ったより遅れてきていた。
目標にしていた所に日暮れまでにたどり着かない。
どこに泊まるか不安になってきた。
16時ごろ地図で探した公園に着く。
今夜はここで寝かせて貰おう。
誰も利用してなさそうで丁度よかった。
スズメバチの巣の残骸があり警戒。
それに獣の足跡がいくつか見られた。
地面にはアリが多かったがシートを敷いて幕営。
今回はあまり自炊の荷物を減らしてきた為。
自炊せずに、ナッツを食べて空腹をしのぐ。
それと今回、ボディタオルを持ってきていたので身体を拭く。
アルコールが気持ちいい。
足の爪を切らないと痛いほど、爪が隣の指に食い込んで血が出ていた。
靴の底敷を二重にしていたので、足の中が狭くなっていたのだ。
消毒して、絆創膏張る。
荷袋はダニがいたのか、かゆくなった。
これはこの日だけだった。
マットはだいぶヘタってきているのか固く、
腰が痛い。
ふかふかベッドで寝たい。
夜中、茂みの中をカサカサする音が聞こえ、
狸?と一時警戒。
使ってるテントは外が見れないのが不便。
天気もあってか、なんとも冴えない2日目だったが、
この先、様々な事が起きるとは思えない程に、
ゆるい2日目だった。
この日歩いた距離30キロ
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