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鉄火巻65本目

先日、一昨年の卒業生(現大学2年)から
教育実習の申し込みがあり、「もうそんな時期かぁ」と。
そしたらちょうど教育実習生へのパワハラがニュースになってました

まず教育実習ってすごく迷惑な制度です
毎年、皆さんの職場に素人が2、3週間現れて
仕事を教えてくれ!と言いに来たらどうでしょう?
この先も一緒に働く後輩ならともかく
その人は2、3週間で去っていくわけです。

ただ、同時にすべての教員がその「迷惑」をかけて
教員になっていますし、
後継者不足が深刻なこの業界では
実習生の引き受けは絶対必要なものでもあります。

ただ、一方でそんなことは生徒には関係ありません
2、3週間、素人の授業を聞かないといけないわけです
これは結構な貧乏くじと言えるでしょう(苦笑
年によっては実習生担当部分をあとからすべて
教員がやり直すこともあります。
例えば皆さんがネイティブ講師の英会話教室に通っていて
「2週間だけ英語勉強中の日本人が担当します」
ってなったらどう感じるでしょうか?
なかなかもやもやすると思います

ぼくも毎年のように実習生を担当しますが
生徒に迷惑がかからないように指導するのが第一です
そのために授業計画は容赦なく突き返しますし
模擬授業にも何時間でもつきあいます
正直、実習期間は毎日数時間のサービス残業がでますが
仕方がないとあきらめています。
だいたいの実習生はこちらの指導に従って
それなりに努力をしてはくれますが
時には指示を守らず予想通りひどい授業をしでかすこともあります

私は実習生に対して正規の教員のようなクオリティは求めませんが
一生懸命やることは求めます
実習生はお客さんではないし、生徒に対して責任を負っています
たかだか2、3週間一生懸命やれない人が教員になったら
その先、40年に渡って生徒、同僚、自分自身が不幸です。
「無理をする」必要はないですが「一生懸命する」必要はあります。
それができずに叱られることをハラスメントと言われてしまったら
実習生の指導教員はこの先、断るしかないだろうなぁとぼんやり思いました
もちろん暴言や声を荒らげるのはあり得ないですが
一方の主張だけを聞くのもよくないと思います。

時代が違うので「こうあるべき」とは必ずしも思いませんが
ぼくが実習生になった時はまず母校で希望者対象の選考試験がありました
そこで希望者12名のうちぼく以外の11名が不合格になりました。
その後、実習がはじまりますが、
だいたい実習生は大学で1、2時間の模擬授業を
やっただけで実習先にやってきます。
ぼくは塾講師をやっていたのでその時点で2000時間の授業経験がありました
それでも実習の3週間は朝7時出勤・夜20時退勤で必死になりました
必死にやらないと翌日、授業ができないですから。
「あー昨日、早く寝ちゃったんで授業準備できてないです」
などと言うわけにはいかないですからね。
「そういう風土が教員の長時間労働に・・・」と思われるかもしれませんが
今はしませんよ?こっちも十数年かけて積み上げた遺産がありますからねw
それがない実習生は必死にやってようやく及第点だという話です

まぁ、ホントにあらゆる面で後継者不足は当たり前な仕事だなと思います
以前話題になった「教師のバトン」とやらで
やりがい搾取を強化するのに文科省の方々は失敗してましたが
やりがいがあるのなんて誰でもわかってると思います
ただ、長時間低賃金重責任労働だからやりたくないって言ってるわけです。

またキャンプ関係ない戯言になってしまいましたが
ぼくは今も平日はワクワクしながら仕事をして
休日はワクワクしながらキャンプをする人生で幸せだなと思っています^^

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