【中学受験 算数】工夫して求める三角形の面積
前回の記事で紹介した、直角三角形の辺の長さの比について、この辺の長さの比を利用することが求められる問題を紹介します。
中学数学では当たり前の知識ですが、小学生の知識でも証明できるので、上記の前回記事をぜひ確認してみてください。
●問題
一見すると、三角形の高さがつかみにくい問題ですが、中学受験においては一般的な問題です。
記事冒頭で、30°・60°・90°の直角三角形の辺の長さの比を利用するとすでに述べてしまっていますので、補助線を引いて30°・60°・90°の直角三角形を図の中に見つけ出してください。
●(1)解説
以下の図のように補助線を引きます。
ピンク色の部分が、30°・60°・90°の直角三角形です。
よって、辺の長さの比は、 10㎝:赤線=2:1 となります。
つまり赤線の長さは5cmです。
あとは底辺が10cm、高さが5cmの三角形として面積を求めます。
底辺・高さの位置関係がイメージしにくければ、以下の図のように横倒しにするとわかりやすくなります。
これにより、10×5÷2=25㎠ と面積を求めることができました。
●(2)解説
以下の図のように補助線を引きます。
ピンク色の部分が、30°・60°・90°の直角三角形です。
もとの二等辺三角形の底角が15°なので、15°+15°=30° と、外角に30°が現れます。
(もちろん、頂角を 180°−15°×2=150° と求めてから、
その外角なので 180°−150°=30° と考えても構いません。)
よって、辺の長さの比は、 10㎝:赤線=2:1 となります。
つまり赤線の長さは5cmです。
今回もまた底辺が10cm、高さが5cmの三角形として面積を求めます。
底辺・高さの位置関係がイメージしにくければ、以下の図のように向きを変えるとわかりやすくなります。
これにより、10×5÷2=25㎠ と面積を求めることができました。
●(2)別解 解説
実は(2)は、下の図のように左右に切り離し、片方をもう片方の下に接合することで、異なる二等辺三角形に変形することができます。
この場合、頂角は15°+15°=30° になります。
つまり、(1)の二等辺三角形と同じ図形なので、当然面積も同じく25㎠になります。
ではまた次回。
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