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福島県立 共通 2022算数(図形の性質)

福島県会津学鳳中学校・福島県県立ふたば未来学園中学校の2022年度適性検査Ⅰより、大問2の(2)、図形の性質の問題です。

●問題

たくやさんと弟は、たこのつくり方を祖父に教えてもらって、それぞれ好きな形のたこをつくりました。
〈たこのつくり方〉
1.和紙を線対称な図形に切る。
2.竹ひごをはる。
3.あしと糸をつける。

たくや「ぼくが切った形は、対象の軸が2本だけの図形だよ」

①たくやさんが切った形は、どんな図形ですか。次のア~オの中から1つ選び、記号で書きなさい。

②弟が、何度も挑戦してたこをうまくあげられたとき、祖父が真横から写真をとってくれました。そのときの様子を図で表すと、次の図のようになります。地面からたこの中心までの高さは何mになりますか。求めなさい。ただし、糸はまっすぐであるものとします。


●①解説

それぞれの図形について、対象の軸は以下の通りです。

よって、たくやくんの選んだ、対象の軸が2本だけの図形とは、ウのひし形だということになります。

●②解説

次の図の中で、ピンク色の直角三角形に注目し、その高さを求めてから、地面から弟の手までの105cmを足せば答えを出すことができます。

直角三角形の内角の1つは30°とわかっているので、中学数学の知識があれば、辺の比が 1:2:√3  であることから簡単に高さを求めることができます。
しかし、中学受験(特に公立中学受検)においては、そのような中学数学の知識があることが前提ではなく、小学校の知識の応用で解けるはずです。

内角が30°・60°・90°の直角三角形については、以下のような手順で辺の長さを導き出せるようにしておきましょう。

まず、合同な直角三角形を下側にも追加します。
すると、下図の右側のようにすべての内角が60°となり、正三角形ができます。

ここから、もとの直角三角形の高さは、正三角形の1辺の半分なので5mだと求められました。

あとは、地面から弟の手までの高さ105cmつまり1.05mを忘れずに足して、
5m+1.05m=6.05m が答えとなります。

●覚えておくべき知識

上の考え方から、30°・60°・90°の直角三角形について、
斜辺(直角と向かい合う辺)と、直角をつくる辺のうち短いほうの辺の長さの比は、2:1となることは小学生でも理解し、覚えておきましょう。
2:1という結果だけでなく、正三角形を一度つくるという、過程も含めて理解しておくことが重要です。

●追記

この直角三角形の辺の比を利用する問題も紹介しましたので、あわせてご覧ください。

それではまた次回。

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