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外で寝ると生活リズムが整う キャンプが好き

数ヶ月くらい早寝早起きしようと思っているが、なかなか難しい。ここ3ヶ月の睡眠の記録を見てみると、日付が変わる前に寝ていることはほとんどなくて、起きるのは大体8~10時頃だった。たまに早起きしている日は予定があったのだろう。なんとかならないかと思ったが「やらなくてもいいことは、やらない」という怠惰なたちだったことを思い出して、予定を入れる以外に方法はないのだと諦めた。

しかし最近、「外で寝れば勝手に早寝早起きできる」という画期的な事実に気がついた。そのことに気づいたのは四国を自転車旅行しているときだった。長期間の自転車旅をするのはそれが初めてだったので、旅費を浮かせるためにキャンプ場でのテント泊と野宿を中心に宿泊していた。キャンプは未経験だったが、「自転車キャンプ大全」という本に必要な荷物や自転車への積載方法について網羅的に書かれていたので、それを参考に準備を進めた。

キャンプというとハードルが高そうな印象がある。しかし、ただ寝るだけであれば、テント・マット・寝袋の3点があればいい。家で例えると、テントが部屋、マットが敷布団、寝袋が掛け布団に対応する。マットと寝袋は室内で使っていたものがあったので、あとはテントを購入すればよかった。

テントについて「自転車キャンプ大全」やネットで調べたところ、定番かつ初心者向けなのはダブルウォールのドームテントのようだった。自転車に積むなら重さは1~2kgが目安とのこと。テントは軽ければ軽いほど「なんでこんなに?」と思うほど高くなる。Amazonで重さと価格を基準に探してみて、BUNDOKのソロドームというテントが1.89kg、8000円(ベージュだけ人気がないのか安かった)と条件に合致していたので購入した。

直前になって「ドームテントは甘え(?)」という神の声が聞こえた気がして、テントを持っていかないことも考えた。しかし、ベンチでの野宿とテント泊だとテント泊の方がよく眠れたし、雨も何日か降ったので、持っていって正解だったと思う。

少しテントに話が逸れたが、本題の睡眠の話に戻りたい。結局四国旅行での睡眠がどうだったかというと、就寝が21~22時で、起床は5時頃だった。単純計算だと7~8時間寝ていたことになるが、夜中は色々な事情(主に寒さ)で何度か起きていたので、睡眠時間は6時間半くらいだった。

夜に早く寝ていた理由は主に二つある。一つ目は単純に暗いのですることがないこと、もう一つは夜中〜朝方にかけて冷え込んで寝られないので、睡眠時間を確保するためになるべく早く寝るという切実なものだった。

朝は朝日で目覚めたというか、朝日が起きるしばらく前から半分くらい起きていたみたいな感じだった。こう書くと早寝早起きしているというよりは、寒くてあまり寝られなかっただけなのではと思えてくるが、太陽のリズムが睡眠に与える影響がかなり大きいことは感じている。

昨日はキャンプに行こうかなと思っていた。しかし、色々面倒になったので代わりに駐車場でテントを張って寝ることにした。面倒になったのは主に、目的地まで自転車で移動することと、ご飯を決めて食材を調達することだ。キャンプではないが、これでも生活リズムを整えるという目的は達成できるはずだ。

21時頃に、もうこんな時間になったのかと気づき、パソコンから離れてテントに向かった。今までのキャンプは荷物をたくさん持てなくて防寒が犠牲になりがちだったが、家から近いので毛布を2枚持っていった。1枚は寝袋の中に入れて、もう一枚は寝袋の外にかけてみた。寝る前は暑いくらいで、夜は気温が10度近くまで下がったのでちょうど良かった。眠くなるまで電子書籍と図書館で借りた本を読んで、23時ごろに就寝した。

朝は元気すぎる雀の鳴き声を聞いて、5時前に目が覚めた。日の出からしばらくして鳥が鳴き始めるイメージがあったが、起きたのは日の出とほぼ同時刻だったようだ。テントの天井越しの朝日が気持ちよかった。

まだまともにキャンプをしていない人が言うのは変かもしれないが、僕は多分キャンプを好きになるんだろうなと思った。理由の一つは、キャンプは生きることそのものが目的になっているからだ。キャンプですることといえば、ご飯を作って食べることと寝ることだ。だから、ただ生きることを楽しむことを思い出させてくれる。普段は料理をしないけれど、キャンプとなれば「この小さいバーナーで、どんな時短料理を作ってやろう」と調べたりする。

もう一つの理由は、キャンプは不便だからだ。色々工夫したとしても家の中で過ごすよりは不便だし、「キャンプは不便を楽しむものだ」という言葉があるように、利便性とはまた違った価値観がある。不便だけれどそれが楽しくて、非日常が日常のありがたさを思い出させてくれる。キャンプは、暮らしの中で当たり前になって見えなくなっているものを見つけて、感謝する一つの方法だと思う。

家は過ごしやすくて凄い。寒さや暑さ、雨風、虫など、様々なものを遮断してくれる。でも外で過ごしてみると、もしかしたら遮断しすぎているのかもしれないと思うようになった。また、電気のおかげで夜も起きていられるが、夜更かしを可能にしているのも同じ電気だった。外は真っ暗なのに、家の中だけ電気がついて明るいのはちょっと変だ。

今日読んだ本に、ヒポクラテスの「人は自然から遠ざかるほど病気に近づく」という言葉があって、ハッとさせられた。時代が進んで世界が便利になる一方で、真理からは遠ざかってしまったのかなと思った。

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