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投資におけるリスクとは

『リスク』=『危険なこと』という認識が常識かもしれません。

今の日本の金融資産の構成を見ると、現金預金がほとんどです。
株式・債権・投資信託を合計しても、20%程度しか保有していません。

本当に現金をもっていれば安全なのでしょうか。

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■公益財団法人 生命保険文化センターより
どんな金融資産をどれくらい保有している?より抜粋

1.現金の価値は日々下がっている

『現金』=『安全』

『投資』=『危険』

この考え方が常識と言われる認識かと思います。

これは銀行預金の金利が3〜5%程度だった場合の常識です。

金利が3%〜5%であれば、
インフレ率を考慮したとしても資産価値が下がることはありません。

日本政府は現在インフレ率2%を目標にしています。

『お金の金額が変わらない』=『お金の価値は変わらない』

この等式は成立していません。

現在通常の現金預金だとすると、金利は0.02%程度です。

インフレ率が仮に目標の半分1%だとしても、現金の価値は1%下がります。

『お金の金額が変わらない』≠『お金の価値は変わらない』

これが正解です。

インフレが進むほど現金の価値は低下します。

じわじわとお菓子やコンビニ弁当の内容量が減り、少しづつ値上がりする。

見かけ上の金額は同じでも、同じ金額で購入できるものは減少しています。

この様に現金は見かけ上の金額は変わりませんが、
『インフレによる価値の値下がり』によってその価値は減少していきます。

この価値の減少は現金で保有することのリスクでもあります。

2.投資におけるリスクとは?

投資の世界において、『リスク』という言葉の考え方は少し違います。

価値が上がるかもしれないし、下がるかもしれない。

この変動幅のことを『リスク』と定義しています。

銀行預金の場合で考えてみると以下の様になります。

■現金の価値が上がる要因
銀行に預けると、年率0.02%の金利を保証してくれます。
実質0であり、微々たるものでありますが、0.02%分の利息を得られます。

■現金の価値が下がる要因
日本政府は年間のインフレ率2%を目標にしています。
これが滞りなく達成されたとすると、現金の価値は2%減少します。

銀行口座から現金を引き出す為に手数料が必要で、
1回の引き落としあたり数百円とられます。
1年分の利息どころが、マイナスになることも多いかと思います。

現金も価値が上がる要素があれば、下がる要素もあります。

このプラス0.02%からマイナス数百円(1回の引き落とし当たり)

このプラスからマイナスまでの幅が、
投資における『リスク』の考え方です。

株式・債権、暗号通過など他のものも同様です。

日々マーケットで売買され、その価値が上下しています。

例えば株式であれば配当金によるプラス要素や、
業績悪化によるプラス/マイナス要素などを考えることができます。

3.現金は本当に安全なのか?

株式や債権、暗号資産などと比較した場合、
現金の変動幅『リスク』は小さい為、比較として安全と言えると思います。

現金以外に安全と呼べそうなものでいくと、日本国債でしょうか。

個人向け日本国債の場合、元本保証に加え、銀行金利より若干高いです。

マイナス要素でいくと、日本のデフォルトです。

プラスマイナスの変動幅で考えた場合、
現金の価値はほぼ確実に時間が経つほど減少していきます。

昔みたいに銀行預金の金利があがることは非常に考えにくいです。

むしろ最近あった通帳の発行手数料や口座の維持手数料の可能性など、
どんどんマイナス要素が大きくなっていくかと思います。

すぐに致命傷になることはありませんが、
じわじわと真綿で首を締められている状態です。

4.投資(リスク資産)は本当に安全なのか?

投資(リスク資産)と言っても多岐にわたります。

そんな中で過去の統計から王道とされている方法があります。

それが『長期・積み立て・分散』を実現したインデックスファンドです。

『全世界の株式にちょっとずつ時間をかけて経済成長の恩恵を受ける』

そんな投資方法が確率されています。

この投資方法は4%ルールという出口戦略まで準備されており、
すぐに働かなくてよくなるほど高いリターンの投資ではありません。

この方法は過去の統計情報から15年〜20年ひたすら積立続けた場合、
株式市場のどの区間を切り取ってもプラスになる研究結果があります。

あくまでも過去の結果に対する調査結果なので、
将来を約束するわけではありません。

しかしながら、リスク資産として比較的安全と呼べる投資方法になります。

5.大きなリターンを得ることはできないのか?

大きなリスクを取れば大きなリターンを得ることができます。

しかしながらそれは投資と言うよりも、
投機やギャンブルと言われる手法に近いです。

おそらく今の日本の金融リテラシーを考えると、
世間一般のイメージはこの投機・ギャンブルの方が近いと思います。

株式の売買やFX、仮想通貨の売買の様に短期間で、
買値と売値の差を利用して稼ぐイメージかと思います。

『短期間・一極集中・ハイレバレッジ』であれば、
大きなリターンが見込めます。

その代償として、大きなリターンは、
大きなマイナスになる可能性も含んでいます。

基本的に現金だろうが、『長期・積み立て・分散』だろうが、
『短期・一極集中』だろうがリスクの考え方は同じです。

『大きなリターン』=『プラスマイナスの幅が大きい』

『小さなリターン』=『プラスマイナスの幅が小さい』

これが投資においての『リスク』の考え方になります。

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