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イヤな上司の言葉を真に受けずに、華麗にやり過ごす方法

「なんで私ばかり、こんなことを言われなきゃいけないの?」

仕事でもプライベートでも、自分より立場が上の人から話しかけられて、イヤな気分になってしまうことは、少なからずあると思います。

相手に悪気がなくても、こちらも相手を嫌いでなくても、「なんか、イヤ〜な感じ」と思ってしまうこと、ありませんか?

今日は、その「イヤ〜な感じ」を上手に収める方法をお伝えしようと思います。

そもそも、なぜ私が、こんな感情の収め方を身につけたのかというと、以前働いていた職場が私にとって、とても居心地の悪い職場だったからです。

看護師という職種柄、お給料は良いし、小児科クリニックで子どもたちと関われる職場でしたから、良い部分もたくさんあったのですが、一緒に働く上司には、いつも気を遣い、顔色をうかがって過ごしていました。

うつ症状を何度か再発していたのも、この職場で働いていた頃です。

当時の私は、
「私は先輩たちより、看護技術も社会経験も少ないから、こんなにいろいろ言われるんだ」
と考えていて、
「注意してもらってイヤな気持ちになるなんて、おこがましい」
とさえ思っていました。

今考えれば、なんて自己評価が低く、全て「自分が悪い」で片付けようとしていたのか、と悲しくなってくるのですが、当時はそれが精一杯だったのです。

「私はこう思う」と言うと怒られ、上司の意に沿わないと、また怒られる。

怒られないようにするには、「そうですね」と同意するしかありませんでした。

同意すれば、その時はやり過ごせるからです。

結果的に、うつ症状を何度も再発していたので、あまり健全な方法ではありませんでしたが。

しかし、ある時から、怒られないようにしつつ、私自身にも健康的な受け答えができるようになっていったのです。

なぜ、上司の前では萎縮してばかりで、顔色を伺うしかできなかった私が、スルスルと上司のお小言をかわせるようになったのか?

それは交流分析という、心理学を学んだことが、1つのきっかけでした。

この心理学は、親の視点、子どもの視点、大人の視点、という、大きく分けると3つの視点が鍵となります。

さらに親の視点と子どもの視点をそれぞれ2つに分け、合計5つの視点でコミュニケーション上の心理状態を分析する学問なのです。

分析なので、「相手を意のままに操る」などのテクニックではないのですが、相手の状態がわかると、その後の対策と行動が簡単になっていくのです。

親の視点とは、「〜しなさい!」という父親の視点と、「〜してもいいのよ」という母親の視点の2つです。

また、子どもの視点とは、自由に振る舞う無邪気な子どもの視点と、親の顔色をうかがいながらいい子でいる子ども視点の2つ。

そして、大人の視点とは、中立の立場で客観視している視点です。

この合計5つの視点を使って、私たちは他人とコミュニケーションをとっているのですが、それぞれ個人で、どの視点を使って会話をするのか、癖のようなものがあるのです。

あ、ちなみに、この5つの視点のうち、どの視点が良いとか悪いとかはありません。

「〜しなさい!」という父親の視点は、良く働くと「約束を守る」というようにある意味当たり前のことになりますが、行き過ぎると「〜しなければならない」という強迫観念に近いことが起こり、自分の挑戦や行動を止めてしまう原因になってしまうこともあります。

要するに、この5つの視点は、時と場合によって、上手にバランスよく使っていく必要があるのです。

さて、この視点を使って、私は上司との会話を難なくやり過ごせるようになりました。

上司のキゲン1つで注意されることが毎回違うので、いつもビクビクしながら仕事をしていたのですが、この視点を使えるようになってから、スルーっと避けられるようになったのです。

よく「何で、これができてないの!」と上司が怒ってくるのは、日常茶飯事です。

それは、私が「先にこちらの業務をしないといけないし、上司が言う『これ』はあとからやっても遅くない」と思っていても、お構いなしなわけです。

この時、「私の考え、事情」を先に伝えようものなら、火に油を注ぐことになり、さらに上司に怒られる悪循環になります。

ですから、この時は「大人の視点」、つまり客観視の目線で、上司を観察するようにしたのです。

だいたいの場合、上司は「親の視点」で怒っているので、私は一旦「子どもの視点」で受け答えをします。

「親の視点」で話す人は、相手から「子どもの視点」の返答を期待しているからです。

なので私は、一旦は「すみませんでした」と謝るのです。

でも、このまま、上司に言われっぱなしでは、仕事に支障が出るかもしれません。

そこで、上司の感情が落ち着いたところで、「私はこうするつもりでいた」と後から弁解をするのです。

簡単に言うと、相手が使ってきた視点に合わせて、話す順番を変えるだけ。

それだけで、イヤな上司からの攻撃がやみ、あまりギクシャクせずにその後の仕事も続けることができます。

ただし、ここで1つ注意点があります。

先ほど、「大人の視点」つまり「客観的な中立の視点を使っていた」とお伝えしましたが、この視点が低すぎると、ここまでの対応が難しくなってしまうのです。

自分の主観は置いておいて、相手がどんな状況かを見れる余裕がないと、対応を間違ってしまうからです。

もし今、あなたが、上司など言動に振り回されて、人間関係に困っているのであれば、ぜひ、この「大人の視点」を意識してみてください。

「大人の視点」客観視は、自分の感情を抜きにして、事実をノートに書き出してみる、などのワークをすると、成長されることができます。

まずは、今日気になった上司の言動を紙に書き、感情抜きで「事実はどうだったか」を考えてみてください。

そのうち、あなたにも自然と、「大人の視点」が身につくようになりますよ!

ぜひ試してみてくださいね。


*こちらの記事は、現在受講中の天狼院書店「ライティング・ゼミ」に提出した課題を、編集して掲載したものです。

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