卵巣嚢腫で入院したのでなるべく全容を書いておきます
0.はじめに
以下の文章は、自分に起こった出来事を覚えている範囲で書き起こしたものになります。正解でも手順書でもなく、あくまで一例なので、おいおい話が違うぜ!と思われた方も、薄目で「ふ~んこんなパターンもあるのね。」とご一読いただけましたら幸いです。
自分自身、同じ疾患になった方々が書かれたnoteに本当に助けられました。このnoteもまた、どなたかの一助になれることを願っています。
⚠️一部CT画像の引用があります。苦手な方はご注意ください⚠️
⚠️腹腔鏡ではなく開腹手術の体験談になります⚠️
1.ステータス
1-1.肩書やらなんやら
1-2.診断名と治療内容
⚠️以下、CT画像引用します⚠️
2.卵巣嚢腫が見つかるまで
2-1.勤め先の健康診断で引っかかる
新卒で入ったブラック企業とは異なり、きちんと健康診断の案内が届く現在の勤め先。「無料で婦人科検診も追加できるよ~」とのことだったので、一応受けとくか、くらいのテンションで受診しました。24歳にして人生初の婦人科検診だったので若干ビビっていた覚えがあります。
検診の結果、「良性のしこりのようなものがあるから、かかりつけの婦人科で再検査を受けてください」と言われました。
以下、余談。「婦人科検診って何されるの?」というお話です。
身も蓋もない書き方をすると、下着類を脱いでM字開脚して、下から検査器具を挿れられます。基本的にはわずかな痛み…というより違和感があるくらいでした(※個人差アリ/性交経験がない方でも検査はできるようです)。ただ、子宮や卵巣に疾患があったり、子宮体ガン検診のように奥まで挿れられたりすると、顔をしかめるくらいには痛かったです。
「え、恥ず…無理なんですけど…」とか、「こんな明け透けなnote書いて恥ずかしくないの?」とか、思われる方もいるかもしれませんが、私はこの検査を受けていなかったら卵巣破裂して激痛に悶えていたかもしれないので、恥ずかしがらずに受診して本当によかったと思っています。何もないならそれが一番ですし、この方法以外検査のしようがないとも思いました。それに痛みや麻酔などの影響で恥ずかしいと感じる余裕すらなかったです…笑
というかVIO脱毛も出産も介護もそうですが、相手は専門家でありプロなので、こちらがいくら恥じらおうが淡々と施術してくださいました。検査のときも太ももあたりがカーテンで仕切られているので一応のプライバシーは確保されていましたし、下着を脱ぐときも誰かに見られたりすることはなかったです。命あっての物種、健康あっての恥じらいです、マジで。
2-2.地元の婦人科クリニックで再検査
健康診断の結果を持参し、地元の婦人科を受診しました。院長先生が頭のキレる感じの女医さんで、「こんなにお腹が大きくなってるじゃない!なんで気が付かなかったの!」と軽く叱られました。元々幼児体型で太ると下っ腹が出るタイプだったので、普通に太ったかな~くらいにしか思っていませんでした。こちらの婦人科には3回通院しました。
2-3.入院先の病院へ
地元の婦人科で紹介状を書いてもらい、あらためて大きめの病院を受診しました。こちらも3回通院しました。
どの病気でも言えることですが、病院の指定時間に来院しなければならないので仕事を何度も休まざるを得ず、有休を持病で使い果たしてしまった身としてはかなり難儀しました。勤め先にも申し訳がなかったです。
例えば14:00来院になると半休にもできないし、採血検査の結果待ちなどで1時間くらい待つこともザラなので、とにかく予定が立てられないもどかしさがありました。入院日が正式に確定したのも入院4日前だったので、会社員の方は早め早めに「このくらいの時期に休むかもしれません!!!」と大声で匂わせておくことが大切と思います。
これは私のかかった病院の対応が悪いという話では決してなく、病魔を相手にするからには致し方のないことだなあ…と思います。
3.かかった費用(概要)
3-1.出ていったお金
ちなみに腹帯とT字帯とはこういう↓やつです。手術の翌日は自分でトイレに行けないので、看護師さんが介助しやすくなるように着用します。T字帯は術後1,2日の使い捨てでしたが、腹帯は退院後1ヶ月程度は毎日使用していました。個人的には2着買ってよかったです。
3-2.あとから補助されたお金
結果として約10万円前後の出費となりました。
また、自分の場合は入院~復職までの欠勤日は給与が0になり収入が激減してしまったのですが、これは傷病手当で補いました。項目4-3,4にて後述します。
3-3.病室の個室料金について
それと過去のバズツイも貼っておきます。私はむしろ個室を希望していて満床で大部屋になってしまったのですが、逆に「大部屋が埋まっていて個室しか空いていない。個室利用分の追加料金を支払ってほしい。」と言われた場合、支払う必要はないそうです。タメになったぜ…
4.入院前にすること
4-1.医療限度額適用認定証を発行する
まずコレ。何はともあれコレです。入院前に絶対に手元にあった方がいいものです。会社員の方はすぐ人事部に連絡して「卵巣嚢腫で入院することになったので、医療限度額適用認定証を申請したい。」と伝えましょう。会社が加入している健康保険組合に取り次いでくれるはずです。補助内容は人によって異なるので、色々調べるより勤め先に相談した方が話が早いと思います。
4-2.医療限度額適用認定証ってなんぞや?
メチャ雑に言うと「退院窓口で支払う医療費をギリギリまで下げてくれる制度」です(語弊があったらすみません)。よく似た制度に高額療養費制度がありますが、こちらは後日補助金が振り込まれるので、一度全額立て替える必要があります。
一方、医療限度額適用認定証を入院窓口で提出しておけば、そもそもの請求金額が下がるので、高額医療費を立て替える心配もなくなります。
4-3.傷病手当を申請すべきか確認する
あくまで超個人的な感覚ですが、「欠勤期間が1週間程度で有休が3日以上残っている方」は、傷病手当ではなく有休を使ったほうがいいと感じました。傷病手当金は日給の2/3程度の保障(ざっくり)なのに対して、有休の場合は日給フルでもらえるからです。自分の場合、入院+療養期間が18日ほどあったこと、有休が2日程度しか残っていなかったことから傷病手当を申請しました。
また「傷病手当金支給申請書」には医師の記入欄があるので、入院前に取り寄せておいた方が安心だなと思いました。ただ入院後の取り寄せでも全く問題なかったです。
とはいえ、主治医側の記入や健保側の確認などでとにかく時間がかかるので、手当金の受け取りには数ヶ月かかると思っておいたほうがいいと感じました。
4-4.傷病手当ってなんぞや?
プロがわかりやすく説明してくれてますので、以下ご参照ください。
4-5.加入している保険や健康保険組合の補償内容を確認する
これはもう個々人の状況によりますので、詳細は割愛させていただきます。
ちなみに自分の場合は年齢も比較的若く、かつ実家暮らしだったので、保険は某共済に1つ加入していただけでした。20代前半でこんなに医療費がかさむとも思っておらず、実家暮らしをいいことに真面目に貯金もしておらず、親がいなかったらどうなっていたことやら…という感じです。いつも通り脛かじりまくりました、ごめんなさい両親。
共済に加入していただけでも助かったものの、欲を申せば手術の保障もあるプランにしておけばよかったかな~とは思いました。
■各種申請で必要だった書類(自分の場合)
共済の入院保障の申請
1.オンラインで申請すると送られてくる「申請キット」に入っている書類2点
2.診断書 or 明細書 or 領収書のコピー(入院期間がわかるもの)
傷病手当金の申請
1.診断書
2.健保充てに申請すると送られてくる「休職キット」に入っている書類1点
5.入院するときの持ち物
5-1.マストアイテム
5-2.あると便利だったもの
①ペットボトル用ストロー
手術後は傷口が痛いので寝そべったまま水分補給する場面も多いうえに、お腹に力が入るのでペットボトルのフタを開けようにも上手く力めず、買っておいて本当によかったです。
②スキンケアが秒で終わる系のパック
サボリーノにこれほど感謝したことはなかった…
スキンケアする元気はないけど、家族がお見舞いに来てくれる日などに顔にペシッと貼ってやり過ごしていました。
病院内なので患者さんは全員すっぴん×メガネですが、それでも髪をとかしたりスキンケアしたりすることで、日常生活を取り戻していっているな~という安心感につながりました。
③デリケートゾーン用のウェットシート
ちょっと汚れが心配なとき、手術後お風呂に入れないときなどに使用しました。マストじゃないですが、持っていると安心感があってよかったです。
④レンタルタオル&パジャマ
自分の場合は1日500円かかりましたが、パジャマとタオルはレンタルにしてほんっっっとうによかったです。「汚しちゃったらどうしよう」「次に家族が荷物持って来られる日はいつだっけ?」等の心配をしなくていいですし、洗濯の手間なく毎日清潔なものが着られるので本当に気楽でした。
5-3.なくてもよかったかも?と思ったもの
①私用PC/社用PC
これは完全に人によるのですが、私は微熱+傷口の痛みが酷かったのでネトフリやアマプラを観る姿勢になるのがしんどく、ほとんどスマホをいじったり本を読んだりして過ごしたので、私用PCはほとんど開きませんでした。
また自分の病室にはPCサイズの貴重品を仕舞えるロッカーや金庫がなかったので、セキュリティ的にも持って行かない方がよかったな…と思いました。
社用PCに関してはメールチェックできる安心感はあったものの、社用携帯で事足りる場合はそちらの方がよいと思いました。PCはとにかく重いので…
自分の場合、人事の方や上司とのやり取りは私用携帯のSMSで行ったので、PCは必ずしも必要じゃなかったな~という所感です。
②シェーバーや爪切り、ドライヤー
入院前に脱毛や爪切りは済ませていったものの、1週間を超えたあたりから気になり始めました(ので、自分の場合は後日家族に持って来てもらいました)。一方で1週間以内に退院される方はなくてもいいかも…?と思いました。
ドライヤーは病院に備え付けのものがあったのでそちらを使用しました。
6.入院~退院までの流れ
こちらもプロがわかりやすくまとめてくださっているので、こちらの1ページ目を見た方が早いです(実際入院時に渡された案内もこんな感じでした)。
1日目
ほとんど何もありません。病室やお風呂場、携帯電話使用ルールの確認などで終わりました。あとは手術後に着用する浮腫み防止ストッキングの試着(メディキュットみたいなやつです)、採血、お腹部分の剃毛、おへそが清潔かどうかの確認などがありました。剃毛やおへその掃除は入院前に案内があったので、特にこれといったことはありませんでした。あとはご飯を食べ、お風呂に入って寝ました。
2日目
手術当日。お腹の中を空っぽにするべく、下剤と浣腸がありました。下剤は特につらくありませんでしたが、浣腸直後の腹痛がわりとしんどかったです(出せばすっきりするのですが…)。手術の時間帯によりますが、私の場合は2日目の朝食~3日目の朝食まで丸1日絶食でした。また、手術前の硬膜外麻酔(背中からの麻酔)を入れられる瞬間の鈍痛が少し痛かったです。
手術自体は本当に眠っている間に終わりました。手術後は麻酔が効いているので手術創の痛みもほぼ感じず、微熱が出ていることもあり、ひたすら眠っていた気がします。
ただ全身麻酔の副作用は個人差があるようで、隣のベッドの方は吐き気がしんどそうでした。ちなみに「お酒に弱い人や車酔いしやすい人は、麻酔による吐き気が起こりやすい」とも聞きますが、科学的根拠は薄いようです。
3日目
足につけられていた浮腫み防止用のフットポンプが外され、ストッキングのみの着用になりました。また「点滴台を支えにお手洗いまで歩けるようになりましょう」とのことで、ベッドから立ち上がる練習が始まります。まだ点滴や麻酔が効いているので、腹部の痛みもそこまで酷くなく、腹部をかばいつつですがわりとすぐ歩けました。1人でお手洗いに行けるようになると全身麻酔中に挿れられていた尿道カテーテルも外されました。
4日目
点滴(痛み止め)と硬膜外麻酔(背中からの痛み止め)が外されました。飲み薬による痛み止めは服用しているものの、最初は腹部の痛みに慣れず「うわあ~麻酔ってすげえや…こんなに痛かったのね…」となりました笑
鈍痛というよりもいわゆる切り傷系のズキズキした痛みですが、脂汗かいて歯を食いしばるほどではなかったです(個人談)。動画を見たり音楽を聴いたりして気を紛らわせていればどうにかなるレベルでした。また、術後初のシャワー浴がありました。
5日目
この頃から「あ、わりと元気になっていってるかも」と感じ始めました。微熱があったりともちろん身体のだるさはありましたが、身体につながれていたドレーン(管/くだ)が抜け、食事制限もなく、シャワー浴もでき、日常生活を取り戻せる予感を察知した覚えがあります。
6日目~退院
採血検査や検温、血圧測定などを受けつつ、退院について説明を受けて「退院して問題ナシ」と判断されれば、晴れて退院となります。
7.退院前にやっておくといいこと
7-1.概算をもらう
退院1,2日前の平日に、看護師さんに「概算いただけますか。」とお願いしておくと、その時点でかかっている費用の概算をいただけました(各病院で異なるかもしれません)。いざ支払う段階でギョッとしないためにもいただいておくと安心かと思いました。
7-2.診断書をもらう
1枚でいいので絶対に診断書をもらっておいたほうがいいです。1枚診断書があれば、コピーで申請できる手続きにも対応できるからです。
また、後日申請になるとその分受け取れる日も後ろ倒しになりますし、退院時に申請しておけば退院後の診察でもらえる可能性も高くなるな~と思いました(私の場合はあとから勤め先に診断書の提出が必要だったことが発覚し、傷病手当の申請が遅くなってしまったので…同じ轍を踏みませんよう…)。
【余談】復職について
自分の場合は「術後1ヶ月間は通勤出社はNG、在宅勤務は体調と相談しつつ再開してOK」と説明を受けました。ご参考になれば幸いです。ただ退院翌日から働ける状態ではなかったので、私の場合は退院後診察(退院後2週間後)の翌日から在宅勤務を再開しました。
8.おわりに
まさか25歳で開腹手術を受けたり、卵巣を片方摘出したりすることになるとは思っていませんでした。悲しみ云々より驚きやしんどさが上回った1ヶ月だったように思います。
終盤は文字ばかりでグダグダしてしまいましたが、どなたかのお役に立てれば何よりです。同じ病気で悩まれている方の行く先が少しでも明るいものでありますように。8,000字近い長文、お読みいただき本当にありがとうございました!
「ほ~ん、なかなかよかったですよ。」と思われた酔狂な方は、以下よりサポートいただけましたら幸いです。気が向いたときだけで十分です。ありがとうございます。