【特別企画 夏の怪談】ブラウン管の鬼⑦怪奇現象分析家JJ
MBの話はこれで終わりである。私(JJ)は当時(高校生の時)、怪奇研究家として仲間内では知られていた。JMRという私的機構を起ち上げ、怪奇話の蒐集とその科学的(文学的)分析を行っていた。
JMR(J・ミステリ・リサーチ)によると、このブラウン管の鬼の話はこうなる。かつて、この団地の部屋では投身自殺があった。自殺というのは、死後、何度も繰り返される。あるいはその日は、彼・彼女の命日であったのかもしれない。鬼は、自殺の見届け人(鬼)である。あるいはその日、何度も繰り返された自殺の、最後の日であったのかもしれない。自殺者はようやく成仏するのかも。そこは不明であるが、鬼は、自殺者がちゃんと自殺できるよう、介助をし、また、それを見守る見届け人としてMB家族が選ばれたのである。選ばれた理由は、その部屋に住んでいたからである。
この分析を聞き、みなは納得した。「さすがJMR」という声。
この部活の合宿、とくに部活はしない合宿の夜は、まだ続いた。
次に話されたのは「名護のアクセルとブレーキ」である。
本稿つづく
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