#11 今年のコナンは面白かったのか?



26作目 黒鉄の魚影(2023年公開作品)

今年のコナンの作品ですね!
何やらやたら評価が高いので自分も公開すぐに見に行きました。今作の感想についてネタバレ有りでじっくり書いていきます。


①.最強のファンサービス映画

今作はかなりファンサービスに偏ってます。なにせ灰原哀がメインなので、コナンとの絡みを期待する視聴者も沢山いたと思います。それを期待してた人は本当に楽しめたんじゃないでしょうか?蘭とコナンの関係性をおざなりにすることなく、コナンと灰原哀を親密に描くのはなかなか難しかったと思いますがよくやってます。


②.推理メイン→アクションメイン→キャラクターメイン

これは最近のコナン映画における"変化"です。初期のこだま作品では推理を主に扱っていて「誰が犯人なのか」「どのようなトリックを扱っていたのか」という部分に焦点を当てて物語が進んでいきます。その内容も見応えがありネタバレされた後も「ああ、なるほど」という気持ちになれたのがコナン映画の良さでした。

中期辺りからアクション偏重になっていきます。もちろん初期も"天国のカウントダウン"などアクションが楽しい作品もありましたが、コナンがどれだけ人間離れした動きをするかがメインになってきた風潮があり、楽しみ方が以前と変わっていきました。
例):"から紅の恋歌"のパラポラアンテナ、"沈黙の15分"のスケボーでトンネル逆走等

そして、最近ではさらに流れが変わっていきました。それは"キャラクター"の重要性です。"異次元の狙撃手"の最終盤でとんでもないカタルシスを与えたのが引き鉄となり、ゲストキャラクターありきの映画になっていきます。具体的にはこんな感じ

異次元の狙撃手→赤井秀一
豪華の向日葵→怪盗キッド
純黒の悪夢→黒の組織、赤井秀一、安室透
から紅の恋歌→服部平次
ゼロの執行人→安室透
紺青の拳→京極真、怪盗キッド
緋色の弾丸→赤井秀一
ハロウィンの花嫁→安室透含む警察学校組

そして今作が灰原哀、黒の組織ですね。

良くも悪くも、どれだけゲストキャラクター達がそのキャラの特性に合った格好つけ方をするかを楽しむような作品になってしまったのです。ゲストキャラクターには必ず見せ場が用意されるのでアトラクション感覚で楽しめるが、"面白い"という感想になるかはまた別の話。それが顕著に現れたのが今作だと思います。

もちろん灰原哀のデレ方も相変わらずのジンの兄貴も他の組織メンバーや安室・赤井の登場も楽しかったんですが、楽しいだけなんですよね。本来の良さであった"推理の面白さ"は完全に消え失せてしまったと言っても良い。しかしこれで興行収入は毎年上がり続けてるので、このやり方が今の時代の最適解なのでしょう。ただ少し寂しい気持ちは否めないです。

とはいえ、これはこれで楽しめるのも事実であり来年以降も方向性は大きく変わらないと思われるので来年の作品も楽しみに待ちます。

ではまた!

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