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屋久島旅行④

さて、今日は屋久島旅行3日目のリバーカヤックと安房での観光について書いていこうと思う。

こちらも送迎付きのツアーで、ピックアップ時間は昨日より遅めだったので、紅茶をいれてのんびりと朝食をとる。遅めとはいえ、いつもよりは2時間は早い時間の朝食だ。朝日が気持ち良い。

今日のガイドさんは、ダイビングやカヤックなどウォーターアクティビティが専門とのことで、山のガイドが多い屋久島では珍しいそうだ。屋久島に20人来たら、ウォーターアクティビティを予約するのは一人くらいだそうで、そのくらい屋久島といえばやはりトレッキングらしい。私たちはトレッキングのコースを短くしたかわりにカヤックを申し込んだので、消極的な動機ではあるが、意図せずニッチな体験をすることができるようだ。

まったくの初体験だが、カヤックを漕ぐのは難しくないそうだ。パドルの持ち方とコツを教えてもらい、説明より実践!ということで、漁師さんのようなオーバーオールに着替えて乗り場へ。

今回使ったカヤックは「シットオンカヤック」というタイプのもので、カヤックの中に入るのではなく上に座るものだ。一見不安定に見えるが、幅が広いので左右に揺れてもひっくり返ることはそうそうない。乗ってみると、ホールド感はないもののかなり安定感があり、安心して漕ぐことができた。

河口からスタートし川を上っていくので、引き潮の時間になると漕ぎづらくなるそうで、早めに河口付近を抜けて上流へ漕いでいく。まずはガイドさんを先頭に、カルガモのようについていく。最初は思うように進まず遅れていたが、だんだんコツをつかんで効率的に水をかくことができるように。

すこし行ったところで、ガイドさんが木陰の中を指さす。「このあたりにはカニ穴がたくさんあって…あ!ほら、中にいますよ!」見てみると穴の中に茶色いカニが。このカニは、河口付近では茶色いのに、上流に行くとなぜか真っ赤な色でアピールしてくるらしい。色を変えているわけではなく、同じ種類なのに下流と上流で色が違うそうだ。

天気は昨日と同じく快晴。数日雨が降っていないそうで、川の透明度はほぼベストの状態とのこと。「リバーカヤックは屋久島の山・海・川の中で一番優雅なアクティビティだと思っています」との言葉の通り、本当にのんびりと穏やかに川を上っていく。砂が堆積して中州のようになっている場所では、カヤックの影が水底の砂地に映って、角度を変えてみればまるで浮いているような写真を撮ることができた。森が川沿いギリギリに迫っている箇所もあり、水面を反射する木々の向こうに、屋久杉の森が広がっている幻想的な景色も見ることができた。

途中で大きな岩が多くなりカヤックでは進めなくなるので、その地点まで行ってカヤックから降りて休憩だ。ガイドさんがおやつと温かい紅茶を用意してくれていたので、ありがたくいただく。昨日のガイドさんもそうだったのだが、飲み物で必ずコーヒーと紅茶ともう一種類くらい準備してくれていて気遣いがすごい。私はコーヒーは好きなのだがおなかを壊しやすいので、紅茶を用意してくれるのはとてもありがたいのだ。

休憩後は反対方向に下っていく。私はコツをつかんで漕ぐのが楽しくなってしまい、他の二人を置いてぐんぐんと進んで行ってしまっていた。二人は各々撮りたい写真を撮りながら優雅に下っている。私もゆっくり漕ぐか、と思ったところで、あまり歓迎しがたい感覚を覚えた。尿意である。

はやくトイレに行きたい気持ちと、まだカヤックに乗っていたい気持ちで板挟みになりながら、ゆらゆらと流されていたのだが、どっちにしても終わりは来るものだ。船着き場でカヤックから降りて、一目散にトイレに駆け込んだ。

リバーカヤックを終えて、最後はガイドさんがおすすめのご飯どころまで送ってくださることになった。リバーカヤックをした安房川の両脇に広がる、屋久島で二番目に大きな町である安房の町を車で移動する。屋久島グルメといえば、トビウオのから揚げが名物だ。トビウオが食べられるお店で候補をいくつかあげてもらい、その中で「かたぎりさん」というレストランに向かうこととなった。人気店で30分から40分待ちと言われたが、すぐとなりに「武田館」というお土産屋さんがあるので、そこで時間をつぶすことに。ガイドさんは次の仕事があるそうで、ここでお別れだ。感謝を伝え、白いバンを見送った。

「武田館」は老舗の屋久杉加工直売店である。店内はなかなかの広さで、トビウオやサバを加工したおつまみやご飯のおとも、お土産スイーツが手前に置いてあり、店内の大部分は屋久杉を使った工芸品だ。私は恋人へのおみやげとして、ウミガメをあしらった楊枝入れを購入。奥には大きな家具類も置いてある。

さらにそのお隣にある「YAKUSHIMA BLESS」では、屋久杉の樹脂を使った石鹸体験ができる。ふわふわの泡で手を洗うと、たしかにしっとりした洗い上がりに、ほんのりと杉の香り。店内で焚いているお香も大変良い香りで、友人は自分用といって買っていた。私も自分用になにか…と思い、見つけたのがメモパッドだ。屋久島の小杉を加工した板で二穴パンチをした紙をはさむ単純な仕組みだが、紙がなくなったら、家で出た裏紙をはさんで再利用することができる。A4の紙を四等分してちょうどいいサイズになっており、屋久島らしく、さらに長く使えるという点が気に入って購入した。

「かたぎりさん」「武田館」「YAKUSHIMA BLESS」の3店舗のレジ近くには、可愛らしいスタンプラリーマップが置いてある。「やくさんとジョーのおとなりさんマップ」というもので、スタンプを3つ集めると缶バッジがもらえる。3種類あったので、3人でそれぞれ違うものを選んで鞄につけた。

一通りお土産を見たところで、ちょうどいい感じで「かたぎりさん」から席が空いたとの連絡があったので入店する。店内は広々としていて綺麗な印象。パスタと定食を提供しているお店だが、屋久島に来たからには、トビウオを食べなければ。ということで、名物の「とびうおひつまぶし」(1,450円)を注文した。

あたたかみのある木の器に入ったほかほかご飯の上に、甘辛く味付けたトビウオのから揚げがびっしりと乗っている。薬味はわさびと刻み大葉、梅干しが用意されていて、小鉢の切り干し大根はすこし歯ごたえがあっておいしい。冷ややっこも豆腐の食感がぎゅっとしていて、刻みトマトとしらすがよく合う。

ひつまぶしは、まずはそのままで。トビウオは食感としてはぷりっとした白身魚のようなのだが、身の味が濃い!甘辛ダレもトビウオの味を邪魔しないちょうどいい味付けで、ご飯がすすむ。二杯目はすこしワサビを入れて、あごだしをかけてお茶漬けに。これもまた絶品だ。だし汁はケトルで提供され、おかわり自由なのも嬉しいポイント。梅干しと大葉で味を変えながら、少しずつ大切に食べた。屋久島の旅で個人的に一番おいしかったのが、このとびうおひつまぶしである。大満足のランチだった。

屋久島のバスは、最終便が18時である。それまでに、行きたいところをリストアップしてバスの時間と照らし合わせて計画を練る。結局、地酒と地ビール、ジェラート、ドーナツ、さらに日帰り温泉という少々無茶なスケジュールを立てて、店を後にした。

駆け足で紹介していくが、まずは地酒を買うために近くの酒店へ。私はお酒を飲まないので他の二人に任せたのだが、「大自然林」という焼酎が、この店にしか売っていないらしい。麦と芋の二種類があって、二人は麦を購入。次はバスに乗ってジェラート屋さん「そらうみ」へ。こちらも綺麗なお店で、大自然林のパッケージを描いている画家の方の原画がいくつも飾ってあった。ジェラートは8種類ほどあって、私はピスタチオとたんかんをチョイス。それぞれ違う種類を買って、一口ずつ分け合ったのだが、パッションフルーツと塩バニラが美味しかった。そのまま近くのドーナツ屋さんに向かい、ひとつずつドーナツを購入。テイクアウト専門のお店だったのだが、店内の雰囲気はまるで上野の谷根千にありそうなくらい洒落ていた。再びバスに乗って尾之間地区へ。ここには温泉があり、今回はJRホテル屋久島の日帰り温泉を利用した。バスの時間がギリギリで、15分くらい浸かり、急いで髪を乾かして出たのだが、夕暮れ時のオーシャンビューの露天風呂は大変贅沢な景色だった。

最後は町のスーパーで夜の宴の準備をし、無事最終便のバスに乗ることができた。

さて、明日は最後の夜の宴の様子について書こうと思う。


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