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ボカロ懐古厨

昨日、バイトを終え帰宅し、ぼんやりとYouTubeを眺めていたら、ふと懐かしい動画が目に入った。『炉心融解』のMVである。小学6年生のピアノの発表会で弾いたのを思い出す。私が通っていたピアノ教室は、先生が副業でやっているゆるい教室で、ピアノ雑誌に載っているJ-POPのピアノアレンジや、好きなクラシックの曲、ボカロ曲まで幅広く弾かせてもらえたのだった。

私は小学4年生の時にボカロに出会った。4歳上の兄が筋金入りのオタクだったため、当時としては比較的早い段階でインターネットの沼に足を踏み入れた。今と違って、インターネットはオタクが90%を占める時代であり、小中学生の頃からインターネットを見始めるということは、その先も輝かしいオタク人生が待っていることを意味していた。私はボカロにドハマりした。『脳漿炸裂ガール』の早口を練習し、〇〇〇〇ガール楽曲のコンピレーションアルバムは買ったし、小説も買った。『悪ノ娘』シリーズは小説の新作が出るたびに買いに行った。『ギガンティックO.T.N』は「これは見ていいものか」と思いながら友達とこっそり聞いたし、手描きPVを無限に模写していた。

中学生くらいになると、二次創作というものを覚え、ボカロから離れてジャンプ漫画や『ヘタリア』、アニメ『おそ松さん』などのコンテンツにハマるようになり、ニコニコ動画の「VOCALOID」ランキングを日々リアルタイムで追うことはしなくなった。そのため私のボカロ知識はかなり古くさび付いている。唯一、大好きなsasakure.UK氏の楽曲は追い続けてきたが、最近の流行りのボカロ曲は全然知らない。ただの厄介懐古厨である。

そんな私にも、最近のボカロ曲を知ることができる機会がある。それは、高校生の時から参加している、地元のファンメイドライブの制作だ。

ファンメイドライブというのは、MMDモデルをスクリーンに映すことで行う、その名の通りファンが作るバーチャルライブだ。大学のサークル主体で行われることが多いが、うちの主催者は熱意がものすごいので、高校生ながら学校を横断して参加者を集め、しかもコロナによる中断がありながらも、5年間続いている。前述のとおり私はボカロにはもう詳しくないので、あくまでイラストレーター・エディターとして参加だが、ひとえに彼女の熱意への敬意から続けている。シンプルに、年に1回から2回、しっかりとしたイラストを描く機会があるのはありがたいことだ。

今の商業的なボカロシーンにも良さはある。しかし、ニコニコ動画の盛り上がりを見ていた世代にとって、あの頃のファンの熱意やある種の狂気をなつかしく思うのも事実だ。懐古厨と一蹴されてしまうだろうが、最近ボカロにハマった皆様には、ぜひ2010年代、またそれ以前のボカロ曲にも、手を伸ばしてみてほしい。



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