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離婚しようよ 感想~良くも悪くも日本のドラマはこんなもん~

『離婚しようよ』はネットフリックスシリーズのドラマ。

点数は50/100
正直、あまり見る価値はないかも…

~寸評~

かなりチープな作品で作者が何を見せたいのかよくわからなかった。これといった盛り上がりもなく見所もなかったが、所々に挟まるギャグシーンのキレもあって何となく最後まで見ることが出来た。

~問題点~

・唯の浮気相手である恭二との出会いが適当すぎ
道ばたで出会ってぶつかったのが出会いのきっかけって女子中学生の書いたラノベか?

・恭二のキャラ付けが適当すぎ
恭二はワイルドそうな見かけで自然を愛するような神秘性を持っていて、東大出で今はパチプロの売れないアーティスト…って女子中学生の書いたラノベか?

・どうでもいいシーンに時間を割きすぎ
主人公とヒロインがそれぞれ選んだ弁護士の回想を入れるなど、このドラマはとにかく無駄なシーンが多い。

・何を見せたいのかわからない
このドラマの最大の問題として作者がどこを見せたかったのかがわからない。これといって盛り上がりがなかった上に、作者が伝えたいメッセージも感じなかった。

・主人公のライバルである想田のキャラ作りが適当
序盤の想田は主人公・大志に敵愾心を抱いてはいるものの、何に付けても適当な大志と比較して実直な政治家というイメージだった。だが物語後半では明確な理由もなく段々と人格が悪くなっていった。これは脚本として大志が成長し変化していくことへの対比なのだろうが、脚本の勝手な都合でキャラクターの人間性が歪められていくのは見ていて気分が良くない。

・恭二と唯の恋愛のオチが理解しがたい
あんなに愛し合っていたはずなのに、何故終わったのかイマイチよくわからなかった。ほんの僅かなすれ違いが致命的な亀裂になるというのはある意味リアルな展開なのかもしれないが、ドラマなどのフィクションでそれは納得しがたく感じる。

~良かった点~

・サブキャラに少し魅力があった。
有能秘書なのに割と毒舌な早乙女さんや姑のキャラが折々でキレのあるギャグを展開して面白い。

・視聴者のストレスをコントロールしてる節がある
主人公たちが不倫したり嘘をついたりする物語なので、見ていると随所でストレスを感じるわけだが、その度に主人公たちがモノローグでギャグっぽい台詞を差し込んでくるのでイライラが緩和される。

・主人公とヒロインにも少し魅力がある。
二人とも割とクズめなキャラなのだが、逆にその生々しい本音や時折見せる愛嬌で何となく嫌いになれない感じがある。

~総評~

恋愛ドラマは難しい。
金が出てきてそれを取り合い銃をバンバン撃ち合うようなサスペンスや人が死んで犯人は誰かと追いかけるようなミステリーなどと違って、ラブストーリーは話の推進力を維持するのが難しい。

何故なら誰かが誰かを好きになるかというのは極めて個人的な事情であり、緊迫した命の奪い合いなどと比較して盛り上がりに欠けるからだ。しかも恋愛というのはある程度好ましく思い合う男女なら、何か邪魔がなければ簡単に最後のフェーズまで進んでしまう。

だからラブストーリーは大体何かの要素をくっつける。
例えば学園ものなら部活動を軸に恋愛を描いたり、あるいは社会人としての生活の息苦しさと一緒に愛を描いたり。
この『離婚しようよ』は結婚をした後から始まるという点が特徴的であり、『結婚・離婚』という要素がキーになっている物語だ。

そしてそのくっつき要素、つまり『テーマ』は恋愛を描くための添え物ではなく、作者が何かメッセージを伝えるためのツールでなくてはならない。
だが残念ながらこの『離婚しようよ』は作者が何を伝えたいのか、あるいは何を描きたいのか、その焦点が全く定まっていない。

特に問題に感じるのは作者がどこをクライマックスと考えているかが全く見えてこない点だ。悪い意味で話がスルスルと流れていってしまった。
各話の見せ方にも問題があり、先の展開に期待感を持ちづらく、どこを見所にしようかという意識に欠けている。
また細かい点だが濡れ場も演出がチープで、主人公やヒロインがギャグ的なモノローグ多めに描かれているので、全体的に対象年齢低めなドラマに感じてしまう。だがその割に扱っているテーマが『結婚・離婚』であるというチグハグさも気になった。

反面、キャラクターの好感度に関するコントロールは上手かった。他にも選挙の描写は気合いが入っていて、これが事実に近いものなのかはわからないが、少なくとも本物らしくは感じた。

まとめると、このドラマは投げっぱなしの要素が多く、後ろに絡まない展開ばかりな上に、何を見せたいのかも判然としないので、見る側も集中しきれない。
そういうかなり半端な作品で、あまり見る価値はないと感じた。


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