結局わたしは一人がいいのか

一人旅が好きだ。自由で身軽な感じがする。そして一人でも案外楽しくやっていけることを知り、荷物なんてたかがリュックサック一つくらいで十分事足りることを知る。一人で旅をしていると当然そばに頼れる人はいないから、この体と心を頼りにするしかない。旅先で初めて会った人と話す際には、自分を知ってもらうために、たくさんの要素がある「自分」のどこを見せようかな、話したいかな。そんなことを考えているから、自分についてもよく考える。一人で自分に芯を持たせ、身軽に、それでいて強くなっている感覚が心地いい。帰国して恋人に会うと、二人になることが怖くなる。自分をもちろんよく知っていて、大変なことも楽しいことも二人で乗り越えようとする。重たい荷物は二人で半分にして、初対面の人と話すときには、”私たち”が主語になる。でもそんな楽しいはずの二人でいることが途端に怖くなるのだ。二人に慣れてしまって、もしそれが揺らいだら、一人になってしまったら、どうやって一人で息を吸って、何を考えて生きていけばいいのか。きっとわからなくなってしまう。そんな不安が渦巻く。一人でいるのは好きだけど、二人でいることに慣れてしまうと、一人になることが異常なほどに怖くなる。そんな時、恋人などに頼らなくたって生きていけた高校生の頃なんかを思い出したりする。