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vol.11 小さな額縁の世界 【手紙の助け舟】

みなさん、こんにちは。喫茶手紙寺分室の田丸有子です。
毎日暑いですねぇ。いかがお過ごしですか?

日本橋にある和紙専門店『榛原』のホームページに連載されている「手紙の時間」が好きでよく読んでいるのですが、最近の記事を見て驚いてしまいました。切手の中に描かれているうちわと同じうちわの写真が載っていたからです。「このうちわは実在するのだわ」とさっそく見に行き、見るだけのつもりがつい買ってしまいました。

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私は切手が好きで、数年前からSNS上の切手好きが集まるコミュニティに参加しています。そこで知り合った人たちと手紙のやりとりをしたり、実際にお会いしたりして切手について学ぶ機会もぐんと増えました。日本の切手も素晴らしいですが、外国切手も魅力的で、本格的に蒐集しようとするときりがありません。蒐集するよりもどう使うかを考える方が私にとっては面白いのですが、手元には一定数の切手があり、分厚い切手帳に使いやすいよう整理しています。昭和の古い美術切手のような味わい深い切手がズラリと並んでいる様子はまさに眼福です。

切手は小さな美術館

そのうち私の中にある変化が起こりました。美術展で作品を鑑賞しているときにこの作品は前にも見たことがあると感じる機会が増えたのです。よく考えるとそれは実物を見たわけではなく切手で見ているのです。”切手は小さな美術館”とはよく言ったもので、切手になった国宝や重要文化財がいかに多いかが分かります。

切手に描かれている絵画や工芸品の実物を見るたび、私はなんとも言えない感慨を覚えます。なんと言っても最大の違いは大きさでしょう。切手ではよく見えなかった部分もはっきり見えますし迫力があります。一方、本物を見たからこそ切手の印刷技術がどれだけ精巧で素晴らしいかが分かり、あの小さな枠の中に再現できる凄さを思い知るのです。

最近は『榛原』のうちわのように、切手の中に描かれている実物なら何にでも喜びを見出すようになり「いい趣味を見つけたぞ」とほくそ笑んでいます。

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田丸有子(たまる・ゆうこ)|喫茶手紙寺分室 note ライター
手紙文化振興協会認定 手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。
切手に描かれている美術品や絵画の実物を鑑賞するための美術館巡りが趣味。目下ステイホームで始めたベランダガーデニングに夢中。
blog: CORDIALLY YOURS 手紙魔の手紙物語

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