『ねとらぼ』流タイトル(見出し)のつけ方をすごい勢いでまとめた
……ので、こういう見出しになった。
ネットメディア『ねとらぼ』のイベント「ねとらぼ大飲み会」が9月16日、東京・阿佐ヶ谷であった。見たところ観客は100人超。男女比は4:1という感じだった。
イベントで編集部員たちが語った「ねとらぼのタイトルはこうして生まれる」が、(たぶんネットメディア関係者には)興味深い内容だったので、まとめておく。
ただし、イベント中は録音・撮影が禁止されていたため、バカ正直に録音はせず、ビールを呑みながら必死にとったメモだけを頼りに書いている点、了解いただきたい。
「カニの記事、甲殻類の記事が強い」
『ねとらぼ』のタイトル(見出し)については、編集部のたろちん氏、コンタケ氏、そして副編集長の池谷氏がアイデアを出すことが多いという。
ネットメディアでは、タイトルが記事の命といわれているが、その代表的な例として挙げられたなかに「ドラクエ10大型アップデートで『ズワイガニの足の向きを変更しました』カニクラスタ『うおおおおおお!』」があった。たろちん氏によると、なぜか「カニの記事、甲殻類の記事が強い」らしい。
「ねとらぼ」編集部ではタイトルをつける際の規則はないが、法則のようなものはあるという。
ひとつが「爆誕評議委員会」。新製品が発売されたときの記事などに「〜爆誕」という文言を使うものだ。池谷氏は「爆誕を使いすぎたところがある」といい、コンタケ氏は「爆誕は神聖なもの」として、いまではつかいどころを絞っているようだ。
また「暴挙メソッド」もある。これは「〜が〜する暴挙」などと、冗談めかして大げさなタイトルをつけるときに使われる。「使うたびに(記事中で紹介されるメーカーから)怒られないかドキドキする」とコンタケ氏はいう。
「○○さん(or先生)、何やってるんですかメソッド」は、そのまま「岡村さん、何やってるんですか」風にタイトルを作るというもの。ニコニコ動画では同様のタグがあり、ネットユーザーにはなじみのある言葉だ。これは「日清食品(の商品を紹介する記事)に使われることが多い」とのこと。
さらに「『→』メソッド」もある。この手法は先日、朝日新聞デジタルが「原告は4歳→敗訴→でも訴訟費用は払うべき 地裁が判決」というかたちで使っていて、個人的に驚いた。池谷氏は「たぶん最初に使ったのは自分。2011年か2012年ごろには使っている。前例があったらすみません」というが、それというのも、「まとめサイトでよく見た『〜が〜した結果wwww』というタイトルを、なんとか草(wwww)なしでできないかと考えた」という記憶があるからだ。
面白かったのは「『バインバイン』の発明と即死」で、アダルト表現に厳しいニュース配信先(Yahoo!など)で、なんとか「巨乳」を表現せんと考えたすえに生み出されたのが「バインバイン」だったという。2回配信したところで配信先から注意があり、現在は使われていない。
タイトルは「絵として見て判断する」
「見出しの強さはパワーワードの足し算」だと彼らはいう。池谷氏はいわゆるパワーワードをいくつかストックし、ABCのランク付けをしているという。それがいくつ含まれているかをタイトル付けの指標にしている。
「ツッコミの視点」を加えることも大事だという。「ストレートに伝えはするが、ちょっとだけツッコむ方向性を与えるようなイメージ」(池谷氏)。
その他、「新聞的なタブーは気にしない」(詳しく触れられなかったが、おそらく「新聞だったらこういう見出しの付け方はしない」というのは意識しないという意味だろう)。「悪質な釣り見出しはしない」、「配信先によって変更する」などの工夫があるという。
編集部内でも意見が分かれるのは、「〜と話題に」、「〜すぎる〜」という文言で、『ねとらぼ』の加藤編集長は「安易に使ってほしくない」との立場だったが、「スーッと頭に入る」というたろちん氏の主張もあった。「まとめサイトと混同される」、「SEOなんてなかった」という悩みもある。
各自のこだわりとしては、「漢字を使いすぎないこと」(池谷氏)があった。池谷氏は「このタイトル、黒くない?」とタイトルに疑問を呈することが多いという。コンタケ氏はタイトルを「絵として見て、いいか悪いか判断する」という。これは、このコーナーのまとめとして挙げられた、「タイトルは読むものではなく、見るものである」にも通じるひとことだった。
以上、細かいところはいかにも『ねとらぼ』流ではあったが、ネットメディアの技術として一般化できるものもあったので、帰りの電車でポメラDM100を使って一気に書いた。ありがとうポメラ。
疲れたので寝る。
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