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おかんの手紙写真館(3)

かつて実家の母親から届いた手紙。今回は、僕が20歳になったときのもの。
手紙では「第三者」の話題が多い母の、真骨頂ともいえる1通だ。

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 大輔 20才の誕生日おめでとう。
 【弟1】も2日に18才になりました。
こちらの桜は5日ごろから咲きはじめ、2~3日で満開になりました。
私は花粉症で鼻水生活を送っています。
【弟2】も無事入学式が終わり、人なみに通学しています。
お父さんは相変わらずです。おばあさんも……。
 【いとこA】は北海道へ行き、【いとこAの親】たちは
毎晩のようにTelをし、思い出しては涙を浮かべているそうです。
 【いとこB】が仕事を辞めて滋賀に帰ってきたことは知っていましたか?
今、京都・大阪方面で転職活動中らしいです。
 【いとこC】が入院、手術をしました。
年末に腹痛で入院していた原因が尿道が逆流するとか
けっこう大きな手術だそうです。今日(11日)が手術日で
まだ結果を聞いていません。
大輔も悪いときは我慢せず早く治療をするように。
 【高校の担任の】先生から手紙か来たので送ります。
住所が【国内】になっているけど、アメリカじゃなかったのか。
 みんなで撮った写真も同封しておくので飾っておいてください。
 【いとこC】は元気に泣いているそうです。

父も母も兄弟姉妹が多いので、僕には「いとこ(従兄弟/従姉妹)」が多い。
しかも、そのほとんどが同じ市内で暮らしていた。皆、お互いによく知っているし、中学や高校で一緒になることもあった。

内容からもわかるように、この手紙は僕がめでたく20歳になったときのものだが、弟やいとこの状況について書きつらねられており、情報量が多い。

そのなかでも「お父さんは相変わらずです。おばあさんも……。」と、おばあさんdis(ディス)を忘れないあたり、母親らしい。

文中に登場する【いとこC】の妹は、僕とはもっとも年の離れたいとこで、2020年現在でも、22歳か23歳のはずだ。のぞみちゃん、元気ですか? 大ちゃんは、もう10年くらい、おっさんをやっています。

高校のときの先生に対する「アメリカじゃなかったのか」の件は、少し説明がいる。僕らが卒業したあと、先生がアメリカに留学するという話があったようで、僕自身はそんなことを聞いた記憶がないんだけど、母は人づてに聞いていたらしい。ザ・田舎のネットワークだ。なのに、手紙の消印が国内になっているのはどういうわけだ、と言っている。知らない。(先生からの手紙も出てきました。お世話になりました)

「みんなで撮った写真」は、母方の「いとこ」が全員集合したときのもの。

おばあさん(上の「おばあさん」とは別で母の母)を中心に、上は僕、下はまだ赤ちゃんだったのぞみちゃんまで10数名が笑顔で写っていて、なかなかいい写真だった。これは今となっては、どこかへいってしまった。

写真を撮ったとき=僕が20歳になったときには、まだ「ひいおばあさん」が健在だった。つまり、ひいおばあさんには、ひ孫が10数名いたのだ。それもすごい。ひいばあさんは名前が2文字で、『北斗の拳』に登場する「トキ」みたいでかっこいいなぁと、いつも思っていた。

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