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【エッセイ】抜け落ちた葉と髪

今朝、いつもの道を散歩していると桜の木に茂っていた緑の葉が黄色や橙色、茶色と様々な色に変わっていた。秋になり、木々も化粧をしたかのようだった。木々の麓には落ち葉が積もっている。ここ最近寒さも増してきたし、冬も近いなと思わせる。落ち葉が腐葉土となり、厳しい寒さの季節を越えるための栄養源となるのだろう。ちょっとした永久機関のようにも感じる。

そんな事を考えながら木々を観察していると、ある場所の木の葉がまだ青く茂っていた。はて、なんでまだ青いんだろう?そう思いながらこの道を歩き続けていると一つの仮説が浮かんできた。その木の前には最近できたマンションが並び、日中も日陰になりやすい。もしかすると、太陽光をあまり浴びなかったばかりに葉の成長が鈍り、未だに青く茂っているのかもしれない。実際はどうか知らないけど。

ただ、この仮説は何となく当たってるように思う。その木のみ青く生い茂り、他の木々は化粧しているか抜け落ちている。真偽を確かめるのは面倒だが、考察の一つとしては面白いと我ながら思った。

そこでもう一つ仮説が浮かんだ。唐突だが、私の髪の毛について語らせて頂きたい。最近私の髪の抜け毛が激しく、今月からミノキシジル様を5%含んだリアップを購入し、願い事をしながら毎朝晩適量を頭皮に塗りたくるようになった。歳もあるが、昔決まっていた髪型ではデコが広く見えてしまう。最近友人に
「あれ、禿げた?」
と聞かれても、
(事実だしなあ。)
となってしまう。

しかし落ち葉が良いヒントを与えてくれた。落ち葉が私に語りかけてくる。
「てふなむ、君の体の成長が他の人より早いだけだよ。みんなその内禿げてくるから心配いらないよ。」
そうか。私がみんなより先に進んでいるんだ。それだけのことなんだ。別に気にする必要は無い。何ならこの禿げた頭を使ってドラゴンボールの太陽拳を習得することもできるかもしれない。じゃあ明日からつるっ禿げになれるかと言ったら、そこまでのメンタルを持ち合わせてはいないけど、少なくとも変に凹むことはないのは確かだ。今度友人にハゲネタされたらこう答えることにしよう。

「来いよ、高みへ。」

私は同年代の友人達より先に走っている。ただそれだけだ。

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