【エッセイ】ナビゲーション挑戦中

今日の海は緑がかっていた。緑色っぽい場合、海が濁っていると教えてもらった。何故海が濁ったんだろう。昨日の天気で荒れたんだろうか。

今日から私はアドバンスコースを受講してる。今私はCカードは持ってるけど、さらに深く潜るために必要な資格になる。しかし選択するコースはどれも私にとって鬼門だった。今まではインストラクターの後ろについて行けば安全に水中遊泳が出来たんだけど、これからはコンパスを使ったり、自身で両腕を直角に広げて右折したり左折したりしながら海の中を進んだりする必要があった。陸でGoogleMapを使っても迷子になりがちな私にとって、海の中で経路を選択して進むのは非常に難しい…という事がやってみてわかった。陸では両腕を直角を広げてその先の方向に進めるのに海だと何故か出来ない。何故かって書いたけど原因はいくつかあって、例えば海の中で姿勢が保てなくて両腕が直角になっていなかったり、進行方向の目印が見つけられてなくて違う方向に進んだり。

今日はその両腕を直角に上げて進行方向を変えるナチュラルナビゲーションの練習。インストラクターが用意したメジャーに対して直角に右折し、少し進んだらまた右折し、これを繰り返して四角形に進む。私は両腕を広げて進み始めた。一定の距離まで言ったところで両腕を広げて進行方向を変えて進み始め、同じくらい進んだところでまた止まった。ここで右折すれば、さっきのメジャーが見えるはず。私は右折した。

その先には何も無かった。あれ？方向を間違えたのは間違いない。でも私は一生懸命教えられた通りにやったつもりだ。後ろからインストラクターが来て思いがけない事をボードに書いた。

「ずっと同じ方向を進んでいる。」

何…だと…。

どうやら私は腕を広げているだけで進行方向が変わっていなかったらしい。多分進行方向に顔だけ向いて、体が向いてなかったっぽい。何でこんな事が起きるかというと、透視度が悪く目標物も無い上に海の中だと景色の変化があまり無い。そのため私は側から見てて阿呆な動きをしてしまった。

「もう一度やってみよう。」

またメジャーの場所に戻って四角に進む事になった。今度は姿勢を正して体の向きを動かすことに注力した。少し進んだ後、両腕を広げて1回目の右折を行う。さらに少し進んでから2回目の右折を行う。頼む。メジャーよ、見えてくれ！

そして、それはそこにあった。メジャーが見えたことに私は安堵のため息が出た。私はメジャーの方向に進み、また両腕を広げてスタート地点に戻ろうとした。

あれ？なんと目と鼻の先にスタート地点があった。インストラクターが後ろから来た。

「ほぼ三角形だった。」

どうもメジャーが見えて安心してしまい、姿勢の固定が上手く出来なかった。次からはスタート地点に辿り着くまで油断せずに行こう。

これからたまに陸でも練習してみようと思う。両腕を直角広げてて右折してる歩行者がいたら多分私なので察してください。