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【エッセイ】夜のランニング

ここ最近筋トレをサボっていた事もあり、そろそろ運動しなきゃなとは思っていた。そしてひんやりする冷気の中、私は午後五時からランニングに出かけた。いつもの暗い散歩道を走って駆け抜けて、一般道に飛び出した。

さっきまであった寒気は走っている内になくなり、体は熱くなっていく。段々リズムも整ってきてスピードも乗るようになった?他にも私と同じように寒さに負けずに走っている人達もちらほらいた。

すると、ちっこいのがひゅうっと私の横を通り過ぎた。何?見ると小学校低学年くらいの子供達が私を追い抜いていった。流石に私もプライドはある。全盛期を当に過ぎたとはいえ、こんなちっこい奴に負けたとなると末代の恥である。ここは確実に倒してやろう。

子供達は懸命に走っている。私と子供達の差は五メートル程度なので、ちょっと心のギアを上げれば十分に追い抜くことができる。私は心のギアを上げて差を縮めにかかった。大人気ないかもしれないが、負ける訳にはいかないのだよ。

しかし、急に子供達は方向転換し、来た道を逆に戻り始めた。えっ、もう折り返しちゃうの?まあ、それもそうか。まだそんなに走る体力は無くて当然かな。まだ私に勝つのは十年くらいかかるかもね。さっきから私は余りにも大人気ない事を考えながら、ランニングを続行した。

いくつかの家はぼちぼちクリスマス用のLED飾り付けをしていて、星形にピカピカ光っていた。もう一年が終わるのか。今年までにまだやり残してる事はちょっとある。自作OSの挙動確認やスマートミニ四駆の自作、ピアノ演奏などなど。でも流石に全部やるには残り時間が少ないな。出来ることから消化していこう。

やりたい事やり切れますように。私はランニングしながら、ライトアップしているお星様に三回願いを込めた。

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