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【感想】久々に電脳コイル見た

最近ネットの世界ではNFTやらメタバースとやらが流行り出し、仮想現実が盛り上がっている。中々面白そうな世界が広がっているなとは思っているけど、あまり手を出してない。というのも以前Oculusのヘッドマウントディスプレイを買ってVRを試したんだけど、どうにも目が疲れてしまい長時間見続ける事が出来なかった。そして「私にはこの技術は合わないのかもしれない。」と思い、去年メルカリで売り払った。

私が最初に仮想現実について興味を持ったのは、高校時代にとあるアニメを見たからだ。

最近映画館に行った時、このアニメを作った監督が新たなアニメを作っている事を上映前のCMで知った。

久々にこの映画のタイトルを思い出した。私が高校の頃見たSFアニメ「電脳コイル」。映画館のCMに釣られて私はもう一度アマプラで電脳コイルを高校時代以来に見直した。ああ、懐かしい。こういうアニメを見てしまったから私はITの道に進んだんだなと再認識した。以下ネタバレ注意。


1. 電脳コイル感想

OPや一話を見返すと、最終回に明かされる謎のヒントの大部分が描かれている事に気づく。OPは初っ端からマンホールがあったり、一話にはおじじのご尊顔の写真が立てかけられていたり。
あと改めて見返すと(今となっては一般常識だけど)コンピュータ関連の専門用語が数多く出てきたりして、しかもそれが現実的に即してる部分もあったりするので「よく考えられてるなー。」と思った。(例えばヤサコがメガ婆との電話が繋がらなかった時、メールを送信する事をフミエがヤサコに助言するのだが「メールはサーバーが違う事」を指摘している。小学生なのに物知りなんだよね。)

ヤサコのお母さんが引っ越し当日にお昼ご飯を用意する時にレトルトカレーをさも当然のように振る舞っていたのも今見ると未来捉えてるなーって思った。昔見た時は「手を抜いてるな。」くらいにしか感じなかった。私の母は専業主婦だったこともあり、結構料理をするのでインスタントを出す事はあまり無い。でも今は男女共に働いているのだから、手早くご飯を用意するなら冷凍食品やレトルトを使う人は増えているんじゃないだろうか。

勿論初見だとそんな細かな描写は特に気にならず、登場人物達が着けてるメガネの機能やデンスケやサッチーのような電脳世界の生き物やウイルス駆除ソフト、クラスメイトのハラケンや転校生のイサコについて回が進めば進むほど、どんどん謎が出てくる。見れば見るほど、この世界の秘密が分かってくるので休む事なく見ることができた。舞台はそこら辺にあるような住宅街や神社である一方で電子メガネというハイテクなデバイスをみんな着けている。このような対比構造もこの物語に非日常感とノスタルジーをもたらしてくれているように思う。

この物語で個人的に好きな事は「手に触れて感じられる物だけが本物なのか」という問いにヒントをくれる事。私達は当たり前のようにインターネットの恩恵を受けている。様々なモノが電子化され、とうとう貨幣までもがPaypayやSuicaのように只のデータになった。今後も電子化は様々な所で行われていくだろう。じゃあそれらは本物じゃないのか。

私はITの仕事に関わる一方で、趣味は散歩して四季を感じたりダイビングに行って田舎の空気を意識的に吸いにいくようにしている。ずっと家に居ると、人間が本来持つ五感をフルに活用出来なくなってしまい、脳だけで生活してるように感じる。それでも生活は成り立つ事は成り立つが、現実とリンクしなくなる。これだと実体を持ってこの世に生まれた意味がないんじゃないだろうか。

このアニメはこのような仮想現実に対するネガティブな考えについてちょっと待てよと教えてくれる。ヤサコはデンスケが死んだ時、本当に悲しんでいた。もし私にも電脳体のペットが居て、それが死んだら悲しいと思うだろう。例え電子だろうがロボットだろうが、大切にしていた人や物を失う時はちゃんと心の痛みを伴う。その痛みを感じられる事が大事なんだという事をこのアニメはテーマにして視聴者に教えてくれる。自分自身の心は現実に起こってる事だから。

私もこのアニメを見返し、現実でも仮想でも心の震える経験を今後も積んでいきたいと考えを改め直した。

2. 現代のメガマスはどこか

ここからは私の妄想が爆発してるだけの内容なので生暖かい目で見てください。

電脳コイル放送から約九年後、このアニメの要であるAR技術を使ったサービスが世界中で爆発的に流行った。皆さんご存知の「ポケモンGO」である。私はこのポケモンGOを提供しているNiantic社が現代のメガマスなんじゃないかと考えている。ポケモンGOを提供しているNianticのメタバースに対するポリシーを見てみる。

私たちは、テクノロジーを使って拡張現実の「 現実 」に寄り添うことができると信じています。私たち自身を含めたすべての人々が立ち上がり、外を歩き、周囲の人々や世界とつながることを奨励します。これは、人間が生まれながらにして行っていることであり、200 万年に及ぶ人類の進化の結果であり、その結果、私たちを最も幸せにしてくれることだと信じるからです。

メタバースが流行り出したこのご時世、この企業はあくまでも「現実」に寄り添う事を願って活動している事を宣言した。私もNianticの考えに賛成だ。インターネットは現実での生活をより良いものにするために使われるべきであり、現実から逃避するためにあるべきじゃない。(共感し過ぎてしまい株を買おうかと思ったけど、この企業未上場だった。)NianticはGoogleとの関わりも深いので、将来Google glassを使ったARゲームを作るかもしれない。そうしたら完全に電脳コイルの世界を作る事ができる。(イリーガルやNULL、並行世界は作らないで欲しいけど。)是非頑張って作って欲しい。

それにしても礒光雄監督の未来に対する先見の明は凄い。今度はどんなアニメを作るんだろうか。もう時期公開される次回作を楽しみに待ってます。うんち!

追記 電脳コイルのネタ記事を漁ってたらこちらのHPが凄過ぎた。

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