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【エッセイ】モノを捨てられない母

父が部屋の掃除をしていたところ、20年前の使用済みの乾電池が出てきてしまい、母と喧嘩になった。母としては、存在すら忘れていたであろうゴミの出現に自分でもどうすれば良いのかわからず、いつも最後は不貞寝する。

今回は乾電池だったが、食品でも同じ事が起きる。最近缶詰めが母の新たな敵として立ち塞がっている。缶詰めは賞味期限が長いため放っておきがちだが、それがつもりに積もって10年前に期限切れになった缶詰めが出てくる。そしてそれを父に見つかってしまい怒られてしまう。父にとしては、賞味期限前に食べないと勿体ないという価値観があるので我慢ならないらしい。

しかし母も朝昼晩全て料理をして、洗濯をして、風呂をも作って、パートにも出て、と自分なりのベストでやってきているので忘れてしまうのもしょうがないように私は思う。恐らく父の言い方1つで状況は変わるだろうが古き良き昭和の頑固親父のため、変えることは難しい。

今日たまたまテレビの「世界一受けたい授業」で鬱の特集をしていた。心を軽くする方法についていくつか専門家から提案があった。母はボソッと

「パパのせいで鬱になる。」

と言った。父から見れば、賞味期限を切らしたり捨てるべき乾電池を溜め込んでる方が悪いのにと考えている。よくもまあ、こんな付き合いをしながら34年も一緒にやってきたもんだ。ゆとり世代の私だったらさっさと離婚しているだろう。価値観の合わない人や精神的にキツい人といるのはしんどいものだからだ。子供が社会に出てから離婚する夫婦がいるのも納得できる。それでも離婚しない夫婦がいるのはやっぱりお金なんだろうか。少なくともいなくなると困る相手なんだろう。

私も結婚するにはいい歳になったが、結婚に全く憧れがない。リスクがあると思ってしまう。友人達は次々と結婚しているが、男と女じゃ価値観が違うだろうによくやっていると思う。私が変わり者なのだろうか。私が子供なのだろうか。じゃあ大人って何だ。大人なんか子供の成れの果てだろう。だったら私は私のままで良い。家族は出来ないかもしれないが、その分仕事でリスクを取ることができる。自分の時間が多いから、こうやってnoteを書いていられる。ただ友達は欲しいな。現実世界の友人達から私の記憶が消えないように、これからも会っていかなきゃなと思う。結局私もパートナーの代わりとなる何かを探しているだけか。

ところで母よ、一年に一回で良いから大掃除して怒られたら嫌だと思うモノは整理した方が良いぞ。私も整理整頓できないから人のことは言えないけど。

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