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【エッセイ】色々ジャストタイミングな叔母

テレワークで会議中、インターホンの音がした。私の発表までは時間がある。何か荷物が来たのかもしれないし、とりあえず出てみよう。

玄関に行くと、親戚の叔母が立っていた。寝耳に水だった。今日来るなんて一言も聞いていない。両親は旅行中で留守だ。何故今日何だ?それとも私に用なのかな?

「やあ、どうも。」

物凄い軽い感じで挨拶してきた。私はまだ混乱している。あれ、今日平日だっけ?ちょっと悠長過ぎやしないか?何しにきたんだろう?

「この前話してたMACのPC持ってきたよ。」

そういえば、母からそんな事を前に聞いた気がする。叔母がMAC PCが余っているから要らないかと母に聞かれ、私もMACでしか認識しないHDDを持て余していた所だった。でも今日なの?日付らカレンダーに書いてなかった。

「あっ、どうも。」

わたしは混乱しながらPCを受け取ろうとした。しかしこのPC、わたしの想定よりデカかった。

「今どんな感じ?」

叔母が聞いてきたので私は正直に現状を説明した。

「今日両親は広島旅行に行ってていなくて、今テレワークで会議中だったんだよね。申し訳ないけど、今ほとんど時間取る事出来ない。」

「えっ、今日持ってくってお姉ちゃんに言ったのに!」

そうなのか。いや、本当の事は分からない。母と叔母はどちらもドジっ子属性が高い為、どちらが悪いか当たりがつかない。それより早く家にこのPCを持っていかないと。しかし中々このPCが重く、運ぶのに苦労した。

なんとかPCを家に置き、申し訳ないが遠路はるばる来た叔母に帰ってもらうことにした。叔母は、

「あっ、会社のメール入ってるかもしれないから消しといてね。」

と言い、すぐ帰ってくれた。いや、そこはメール消してから持ってこようよ?叔母の会社、セキュリティガバガバ過ぎやしないか?叔母のことだから、性善説でITを考えてるのかもしれない。いや、今はそんな事どうでも良い。私は急いで会議に戻った。幸い一人目の発表が終わった所で私の番はまだ先だった。危なかった、あの感じで叔母がいつまでもいたら部長に大目玉食う所だった。

私は居間に運んだMACを眺めた。失敗した、写真で据え置き型なのは確認したけどこんなに大きいとは。

手前にある普段使いのノートPCに対して一回りデカい。これはこれでゴツくてかっこいいけども。残念ながらこれは私の部屋に置けない。手持ちのHDDの中身を抜き取って、ちょっとだけメールの中身覗いてから、叔母に今度来てもらった時返そう。

夜に両親が帰宅し、母に聞いた。

「叔母は次来るのいつ?」

「日付間違えて今日来ちゃったみたい。来週月曜また来るって。」

まあ、そんな所だろうと思ってた。叔母もこんな重い荷物持って遠距離しょっちゅう移動して大変だろうな。

今日はドジっ子はいつまで経ってもドジっ子である事を再確認できた。私は昼休みに、いつもの落ち葉でフカフカになった散歩道を歩き始めた。

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