見出し画像

Raindrops of memory

今朝も優しい雨音に目覚める。1980年代小林麻美というモデル/歌手が歌った「雨音はショパンの調べ」という歌があった。原曲はGazeboというイタリアのアーティストの"I like Chopin"という曲だった。いずれも当時大ヒットしたが私はユーミンが訳詞した小林麻美のバージョンの方が好きだ。

小学生の頃、アメリカのSan Diegoに住んでいた。冬の終わり頃が雨季だったのだが、傘をさすことは滅多になかった。どこに行くにも車で直接目的地まで行く車社会なので傘をさす必要がなかったからだろう。歩いて10分ほどの距離にあった小学校まではかなりの土砂降りでなければ傘をささずに向かった。傘をさす事はカッコ悪い事だったから。当時元祖チャーリーズエンジェルズのファラ・フォーセットが全盛で女子はほぼ全員毎朝アイロンでしっかり前髪をファラ風にカールして登校していた。私ももちろんその1人。雨の日はせっかくセットした髪があっという間に直毛に戻ってしまい憂鬱だった。それでも傘をさすわけにもいかなかったのだ。

元祖チャーリーズエンジェルズの面々、真ん中がファラ・フォーセット

20代の頃、電車の中や外出先で傘をよく無くした。いずれも安い傘だったのでそのまま探しもせず新しい傘で補充していた。ある日、これではいかんと決意してKenzoの真っ赤な花柄の傘を買った。当時は1万円以上したと思うので私としては大きな買い物だった。現金なもので、その傘は決してどこかに置き忘れてくる事はなく、飽きるまでさし続けた。今見たら当時私がさしていた柄に似たKenzoの傘がメルカリに6,800円で出品されている。買いたいかも。

去年まで暮らしていたメキシコのPuerto Vallartaでは夏の終わりの8月から9月にかけてが雨季だった。朝から晩までしとしと降るような雨ではなく、大抵は遅めの午後から夜にかけて短時間に大量に降るタイプの雨だ。みるみるうちに道路に水が溢れ、車は水陸両用車の如く川と化した道を走っていった。不思議と水没している車はあまり見かけなかった。我々が乗っていたメキシコ産の日産マーチも何度か川の中をすいすい走ったがなんともなかった。

10数年前に友達と2人ハワイ旅行をした際、土産品の買い出しのためタクシーでWhole Foodsに乗りつけた。買い物を終えて外に出ると激しいスコール。店の前に無造作に並べられた椅子に腰掛け雨が止むのを待った。後日、同行した友達はその旅を振り返って、Whole Foodsの前で雨宿りしたあの時間が旅の1番の思い出だと言った。

今朝の雨は当分止みそうにない。雨の音を聴きながら雨にまつわる思い出をランダムに綴った今日のことをまたいつか思い出すこともあろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?