マンハッタンにミツバチがいるのは不思議でもなんでもない。

ニューヨーク市はマンハッタンのど真ん中にミツバチの大群が現れた、というニュース。私は養蜂業を営む家庭に育ち、ニューヨークにも1年間住んでいたのでこれを詳しく解説してみたい(笑
ニューヨークのビルの屋上やベランダでは、多くの愛好家や業者がミツバチを飼っているので、実はこういう事態が起きるのは不思議でもなんでもない。日本でも東京都内のビルの屋上やベランダでミツバチを飼い、採れた蜂蜜を売っている人達がいるように、都会の公園には多くの観賞用の花が植えられ、また、マンションやアパートのベランダでも鉢植えでガーデニングを楽しんでいる方がそれなりにいるため、ミツバチにとっては意外と多くの蜜源があり、十分に生きていける環境が存在している。マンハッタンならセントラルパーク、東京なら皇居をはじめとした大規模な公園は、田舎の田んぼの真ん中にミツバチの巣箱を設置するよりミツバチにとってはよっぽど蜜源が豊富でヘルシーな環境なのである。
この動画のような状態は「分蜂」という現象で、ミツバチが巣分かれする春から秋にかけての温かい時期に発生する。この分蜂を抑え込み、蜂群をコントロールするのがいわば養蜂家のこの時期の仕事であり、巣分かれさせてしまうと巣箱からミツバチが半分いなくなってしまうため、養蜂家としてはその後のミツバチの維持が非常に困難になり、この動画のようになってしまった状態は、完全な養蜂家が失敗したケースなのである。
なので、私はこの動画を観てただ「ヘタクソ!」とつぶやいた(苦笑

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