「自由」とは、その権利を主張するものではなく、義務と責任という、ある一定の規律の上に成立しているものである

「ワクチン接種とマスク着用を拒否する自由」を主張し続ける米保守系の人々に向け、俳優で元カリフォルニア州知事でもあるアーノルド・シュワルツェネガーは「自由とは、その権利を主張するものではなく、義務と責任という、ある一定の規律の上に成立しているものである」というメッセージを送り続けている。

シュワルツェネガーは、いわゆるアメリカの保守派に多い第40代アメリカ合衆国大統領ロナルド・レーガンを信奉する主流派の共和党員。しかし彼は同時にわりとリベラル寄りの姿勢をみせることが多く、特に環境保護活動には熱心で、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリとはとても早い時期から関係を築いており、彼女がヨットでアメリカに渡った際には、大陸間の移動に使用する電気自動車の提供も申し出ている。

共和党のトランプの求心力に依存した体制は、「2020年米大統領選挙で民主党が組織的で大規模な不正を行った」という陰謀論を巻き起こし、今年1月6日のトランプの狂信的支持者達による米議事堂襲撃事件へとつながる。その後、次々と明らかになる真実を前にしても、トランプの求心力に依存した共和党の体制は盤石だったと言えよう。しかしここに来て、同じくトランプに狂信的な忠誠を誓ってきた共和党支持基盤の州でのコロナ感染防止対策の失敗が明白となり、デルタ株の蔓延を起因とした病床数不足という危機的な状況に陥り、ようやく共和党のトランプ離れが始まった。来年に控えた中間選挙に向け、もはや共和党には他の選択肢は残されていない。

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