魂の男メシ ハンバーグ編
【音声版】
待たせたな!
俺だ。
今日も今日とて、引きこもって自炊ばかりしている俺が、おすすめのレシピを紹介していくぜ。
唐突だが、アンタは「あなた変わったね..」と言われたことはあるか?
俺はあるぜ。
その人曰く、俺は変わってしまったらしい。どう変わったかは分からんが、とにかく変わったとのことだ。それを言う彼女の顔は暗かった。確かに、自分で振り返ってみても、かつての俺と今の俺は違う。変わったんだ。
だが変わるべくして、変わったんだ。
いつまでも、生焼けの俺でいるわけではいけない。
時間をかけて俺には火がつき、そして火が通ったのさ。
それではいこう!
今日はハンバーグだ。
・ハンバーグ
先程「それではいこう!」と言ったが、その前にアンタにはハンバーグの真実を伝えなくちゃならない。
アンタはハンバーグに詰まってるものが何か分かるか?
ううん?
なんだって?
「肉塊かな。」だって?
なんて、冷めた回答なんだ。
そんなアンタが作るハンバーグに、ちゃんと火が通るか心配だぜ。
良いか?ハンバーグに詰まってるのは、作り手のアンタに対する愛だ。そして、ハンバーグに火を通すのは作り手のアンタに対する情熱だ。それが分かってないアンタには、最高のハンバーグなんて作れないし、生焼けになるのは不可避だろう。
生焼けのハンバーグは、雨の日のマンホールくらい危険だぜ。
俺はアンタにそんなハンバーグは作ってほしくない。だから、愛をこめて肉だねを握ってくれ。そして、できれば愛すべき誰かに振る舞ってあげてくれ。俺との約束だぜ。
ううん?
なんだって?
「お前もそうしてるのか?」だって?
うるせえよ。バカ野郎。
じゃあ前置きはこのくらいにして、そろそろいこうか。
ここからは調理についてまとめていくぞ。
俺は切る作業の中でみじん切りが一番好きだ。野菜を細かく切り刻む感覚がたまらない。隙あらば、どんな料理でもみじん切りにしてしまうタイプだ。いつも涙を流しながらみじん切りをしているぜ。
おっと勘違いするなよ?
決して目に染みているわけじゃない。感動の涙だ。
そして、ハンバーグで重要な存在は玉ねぎだ。できれば肉ダネに使う玉ねぎは飴色まで炒めたほうが旨いが、まあやらなくたって良い。生の玉ねぎの状態でも十分に旨いからな。ハンバーグってのはそこを怠っても裏切りはしないさ。
気をつけるポイントは、やはりこねる作業だな。こねる時はミンチ、玉ねぎ、ボウルの全てが冷たい状態じゃないといけない。間違っても、レンジでチンなんてするんじゃないぞ。
温かいとせっかくの脂が溶けちまうし、成形もしづらいからな。寒い時期は大変だが、これを乗り越えた先に輝かしいハンバーグが待っている。寒い時期に作るハンバーグは、まさに愛の結晶だと俺は思うぜ。
手は冷たいが、心は温かい。
そんなアンタの姿が目に浮かぶような気がしないでもないぜ。
よし、次はソースだ。
以下の一連の作業は、後のハンバーグを焼く作業と一緒にやろう。
ソースは簡単だ。
玉ねぎと調味料をぶち込んで煮詰めるだけだ。
ただ、煮詰めすぎてしまった場合は、水を入れるなりして濃さを調節しような。このレシピではバターを最後にぶち込んだが、ない場合は無糖ヨーグルトでも良いぜ。
まあでも、バターのほうが旨そうやん?
そして、お待ちかねのハンバーグを焼く作業だ。
焼く作業は大事だ。どれくらい大事かというと、赤ちゃんのオムツを替えるくらい大事だ。
強火で一気にいくのはおすすめしない。基本的に料理で強火で攻めて良いのは中華料理くらいだ。もちろん俺は攻められる方が好きだけどな。
だが、基本的に肉料理は弱火で調理したほうが旨い。この事実に気付いたときは驚愕したぜ。自分の料理史に新たな扉が開いたことはいうまでもない。
扉の先には誰もいなかったがな。
何はともあれ完成だ。
涙はあふれるが、それ以上にハンバーグからは肉汁があふれるぜ。
stand.fmでも話しているから、聴いてくれよな👍
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