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汲汲

起き抜けの影を掬い、瓶に詰める

波紋するそれは、夜の色を纏っている
小夜色と呼ぶ

汲んだ影で物するので
わたしの影は薄くなった
指の腹に沈着している影の名残り
ともに滅びようと誘う、爪を噛む

夜の色に稀に瞬きが混じる
夢の澱、星影
幾夜を渡る星

彗星
今日生まれた星が夜空に泣き出すまで
文字の波間に尾を曳けよ

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