スターイーター
君は大きな口をあけている
なにをしている
「星が降るのを」
私は、その口を口で塞ぐ
「せめてキャンディくらい」
私は、君の口にロリポップを突っ込む
「ダリの味がする」
するだろうね
「食べてしまおう」
ガリガリと齧ってしまった
そして、いつまでもその棒をくわえたまま、離さないのだ
星喰い
「いつかイミテーションの星も降るって」
知ってる、大気圏に*安全な*デブリを落とすのだって
「天然の星の味も知らないくせに」
フェンスに覆われた学校の屋上に寝転がる
君は星が見えるの
「もちろん。昼もまた、騒がしい」
いつ落ちてくるか聞いたら
「それは葬列」
「星の骨を食べるのよ」
「とてもおいしい」
ロリポップの棒を吐き捨てる
学校の屋上に寝転がる
私の大腿骨
「わたしの踝」
*****
収録:真昼に落ちた流れ星
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