自死と自信の間(ま)を彷徨(さまよ)って

妄想と現実の狭間を歩き回ってら
大腿だか胸だかなんだか身体の内側が痛む

幻想の帰属も捉えようのない快楽も
虚脱症状に陥って、オチは言って

ほのかに鼻を掠める花の香りも
目の前の諦めという幸福も
手が届きそうに見える艶色も

全部ミクシングで出てくるのは
アレみたいなカオスでキメラな闇スープ

ゴミ捨て場でなく猫も独り餌を漁る烏も
同じ生、滞る性、有性の臨界点を越えたような…

自死も自信も自尊も損も大差ないような
自由資本主義束縛系社会の隅にいる

くだらないものこそが下らない価値になり
上るものはすべて下り坂を待つだけの鉄クズで

せめて愛や友だけはと
神に祈ってももう死んだ故人ゆえ。

音を壁に掻き鳴らして
その反射に明日への希望をのぞむ。

食欲も性欲も、快適な気温も満たされたこの血肉に
なぜか、いかに欠乏の覚が芽生えようか

今は亡き神がデバックを怠ったせいだろうがよ
役立たずの産みの親め


こめかみに一抹の不満たずさえて

そうやって生きる意味こしらえて

正も解も理想も自由もぜんぶぜんぶ良いなあって眺めて

あの桜のように、鳥のように、美しく、芳しく、踊るように、舞い舞いて


地に愚痴垂れるくらいが幸と呼ぶんだろ

余分だと、その地に還し巡るぐらい、が。




(解説)

自由と青天井の快を求めるバグを
脳に埋め込まれたぼくたちの生には

それを追い求められないくらいの
不快と不満が渦巻く方が
"自然で心地いい状態"にあり。

自死も自信も大差ない
自由と名づけられた死に向かう宇宙の攪拌から
1単位秒でも逃れているためには。

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