「憎悪清掃社会」

貧困層の声も聞いたことない耳で、それにくっついた口で
「誹謗中傷はやめましょう」なんて言えるんだろうか言っていいんだろうか

選択肢もないような地下牢の一本道に
そのギリギリを保つための茨の言の葉を
否定して、捻り潰して、それは”殺し”にはカウントされない。

「もう限界だ、言葉でくらい殴らせてくれ」と
懇願する痩せこけた顔を、ただ無言で踏みつぶす都会人

それはさぞ思いやりのある人格者だな
妖艶な女にはハンケチを差しだして、路に転がる人にはツバを吐く
すばらしい勝ち組、一人前。中身は生ゴミのくせにさ


キラキラ輝く目の美人は知ってるだろうか
この世界を、色を、絶望の涎の味を

自己顕示じゃなく、自己保全のためのソーシャル投稿を

音も色も、智恵も失恋も、
フィクションでしか見たことのない世界線を

そうだ、だから、卑屈も嫉妬も劣等感も、暗闇も飢えも渇きも穢れも!
全部ぜーんぶ悪の塊でキレイにクリーナーで除菌して消えてなくなればいいらしい

そんな地球はほんとに”清潔”か。



そんな疑問を10秒後に忘れなかったことはあっただろうか



(解説)

正論という除草剤で、そこらに転がる汚れたウイルスは全削除。

果たしてその"論は正しい"だろうか。

そんな疑問を10秒後に忘れなかったことはあっただろうか。

ぼくたちは。

お金いらないんで、ハートを押すと1万円もらった時くらいの脳汁が出ます