「認められる経験がこの子を大きく変えてくれました」 - 保護者インタビュー #04
テックプログレスに通学する親御様に、通学のきっかけや通学で生まれた変化や成長、ご家庭での子育て方針などを聞くインタビュー企画。
第4弾は、「しゅんぺいくん(小学5年)」のお父さま・お母さまにお話を伺いました。
発達障がいと呼ばれる子は、15人に1人の割合でいると言われています。
今回お話いただいたしゅんぺい君もまたその一人と言われています。
強い個性を持つ彼との出会いは、私たちに多くの葛藤と大きな気付きをもたらしてくれました。
”子どもが思うように言うことを聞いてくれない時”、私たち大人はどのような姿勢で子どもと向き合うべきなのでしょうか?
子どもたちとの向き合い方を改めて考えさせられる記事になっています。
-ここでの出会いが笑顔を取り戻すきっかけに-
しゅんぺいがテックプログレスに通い始めたのは、2016年6月なので、ちょうど3年前になりますね。
きっかけは覚えてらっしゃいますか?
父:小学2年生のゴールデンウィークだったと思いますが、無料体験があるのを知り、ゲームが好きだったので、そういうの行ってみる?と聞くと、「行ってみる」と言ったので参加しました。
そうだったんですね。今日の話のメインになりますが、当時のしゅんぺいは現在の姿からは想像できないほど荒れていたといいますか、まるっきり変わりましたよね。
父:今とは笑顔が全然違いますよね。
母:その当時が最も荒れていた時期でした。
小学1年生の秋頃から集団に適合できないようになりました。
全校生徒のいる場には行けないですし、授業中に教室から飛び出したり、笑顔がなくなっていて、親にすらトゲトゲして、全く誰も信用できないという状態でした。
何かきっかけがあったのでしょうか?
母:生後4ヶ月の頃から小さな保育園行っていたのですが、そこでは5年間ずっと一緒の先生が親代わりに育ててくれる感じで、しゅんぺいの性格も理解した上でうまく対応してもらっていました。
ただ、それが小学校という枠にはめられたとき、思うように自分を理解されず、先生に叱られることが増え、それを受けて親としても彼を叱ることが多くなって。
本人の自己肯定感は底まで落ちていたように思います。
そんな時に、私たちもなにか取っ掛かりがほしくてここに体験に来ました。
小学校の集団生活が合わなかったんですね。
そして入会いただくわけですが、当初は自分の侵されたくないテリトリーがあって、そこに入ってくる者は誰に対しても攻撃的で大変でしたね。笑
母:対人関係に不安があったので、最初の1年ほどは私もずっと教室で見守っていましたが、次第に笑顔も増えてきて、変化しているのが感じられました。
そしてある時、親に対してもトゲトゲしていたしゅんぺいが先生のことを「僕あの先生は好きなんよ。僕のやりたいことを邪魔せんと、僕の知りたいことを教えてくれる。」って言ったんです。
この子が望んでいるのは、押し付けではなく、自分の話を聞いてくれて、やりたいことを手助けしてくれる人なんだろうな、これが今この子にとって必要なことなんだろうなと。
そういうメール頂きましたね。今でも大事に保存しています。
これまで様々な子ども見てきましたが、とても難しかったと思います。笑
しゅんぺいは、最初から「僕はこれが作りたいんだ」というイメージを明確に持っていて、ずっと質問がくるので、横に付きっきりで一つ一つ丁寧に教えていきました。そうすると、みるみる力がついていき、出来ることが増えてきて、表情が明らかに柔らかくなっていきました。
結果として、テックプログレスの指導のあり方を見直すきっかけにもなりました。僕たちの考え方が大きく変えられたんですよね。
母:親でさえもダメだった時期に、唯一先生に対しては気持ちを許せたっていうのは、そう迎えてくれたからこそだと思います。
父:彼は教えてほしいことがあったとして、こちらが全部教えようとすると途中で「もういい」と言うんですね。笑
ここまでは知りたいけど、その先は知らなくていい、という線引があって。
母:そこのさじ加減がテックプログレスさんは上手で、本人がほしい情報は与えるけど、それ以上のものは無理に与えないというか。
父:あとは、先生のイラストを作ったら褒めてくれたというのも喜んでました。そしてそれをちゃんと使ってくれるし、「こういうところが良かったよ」と感想もくれるし。
似ていますし可愛かったので、僕はLINEのアイコンにも使ってます。笑
-やりたいことをするためには、やりたくないこともやらないといけない-
通学して様々な変化がありましたが、その中でも特に感じるところはありますか?
母:一番は自己肯定感が上がったことだと思います。僕はこれができるという。
プログラミングはここ一年ぐらいで必修化の話をよく耳にするようになりましたが、通い始めた当時はそれほどなく、自分でゲームを作っていると、なんだかすごいことをしていると思えて、「同学年の他の子はやってないけど僕はできる」「人よりできることがある」という自信につながったと思います。
父:自信作であるキューブストーリーに対して良い評価の反応があがってきたときは、「おお、すごい」と一緒に喜びました!
母:認められるという経験がしゅんぺいを大きく変えてくれました。
ここのおかげで今の明るいしゅんぺいがあるので、本当にテックプログレスさんとの出会いは、私たち家族にとってはかけがえのないものになりました。
父:この場所が好きなんですよね。
嬉しいです!ありがとうございます。
母:先生たちとの出会いもありますが、憧れというか目標とすべきお兄ちゃんたちの存在も大きくて。
学校だったら絶対けんかになるような場面でも、気を遣ったり、我慢できるようになりました。なので人間関係もここで学んだというか。それは学校生活においてもいい影響があって、今年はこれまで皆勤賞ですし、放送委員までしているんです!
劇的な変化ですね!
たしかに以前は、周りを受け入れることが得意じゃなかったですが、色んな人の良いところを良いと言えるようになったり、僕たち以外の人に対しても接し方が優しくなったように感じます。
母:プログラミングというフィルターを通すと、その子の得意なところや凄さがわかりやすかったのかなと思います。
そこを認識しているので、なにか言われても素直に耳を傾けたり、納得することができる。
父:今となってはScratchで他の人の作品見て、「この人はすごい」「これは大したことない」とか言ってます。笑
母:あとひとつ大きな変化で言うと、『やりたいことをするためには、やりたくないこともやらないといけない』ことがあることを理解できたところです。
思い描いたゲームを作るためには、自分の苦手なことだってしなければいけない。これは学校においてもそうで。
最初の頃はタイピングの練習もしないし、テキストにも取り組まず、その必要性を説いても理解してもらえませんでしたが、今では自分でそれに気づいて納得して取り組んでくれるようになりました。
そこに気づけたことは大きいですね。
「できること」よりも「やりたいこと」を優先して学んでいくスタイルは得られる学びが多く、とても大事なことに気付かされました。
今、テックプログレスでは子どもに求めたい像があるのですが、
です。
こうした言葉が生まれた背景には、しゅんぺいとの出会いが大きく影響しています。
-「作りたい」という純粋な思いが大きな成長を生んだ-
父:始めたタイミングが小学2年生というのもよかったように思います。
自分の思いに正直で、下手に知識も持っていない段階なので。
そうですね。高学年になると、取り組む前に「できそうにないな」というのが頭の中でわかって挑戦を諦めたり、できそうな範囲内で何をしようかと考えたりすることがあります。
そういう意味で、何が出来るかわからないからこそ「これがしたい」というピュアな思いが先行して、大きな成長につながったように思います。
「できた」という自信が、次への「やりたい」という意欲に変わるんですよね。
そうして「やりたい」が強くなってくると、「できない」状態が気持ち悪く感じ、自分で調べたり、積極的に質問したりして、必要な知識を自分で得に行くことができるようになります。これがまさに理想的な学び方だと僕たちは考えています。
-障がいを自分らしい個性に-
現在5年生になりましたが、今後どのようになってほしいとかありますか?
母:とにかく好きなことを楽しめる、今の姿勢を持っててほしいなと。そしてそれが将来仕事に結び付けられると一番いいのかなと思います。好きを育てるというか。
父:今のところはプログラマーになりたいという夢があるらしく、先日テックプログレスの先生に言ってみたら「なれるよ!」と言われたみたいで、それも嬉しかったようです。
絵もうまいですし、アイデアも次から次へと生み出せたり、たくさん強みを持っているので、彼の能力が生かせる役割は必ずあると思います。
母:「他の人にできないことができるかもしれんよ」と本人には言うんですが、発達障がいと言われるその個性の強さをうまい具合に使ってほしいと思います。
本当にその通りだと思います。
みんなと同じことがみんなと同じようにできても面白くないですからね。笑
父:今回のテックプログレスDAYのやり方はしゅんぺいに合ってそうですよね。
前回はチームワークがテーマの1つでもあったと思うんですけど、最後は少しケンカしちゃったり。
母:定型発達の子は、みんなと協力してアイデア出し合って上手くやれるんだと思うんですけどね。
ものづくりって自分一人で出来るものではなくて、お互いを補い合って協力することが大切で、それが一人よりも高いパフォーマンスを発揮できることを感じてもらいたいという狙いがありました。
※通学生の発表会「テックプログレスDAY」に関する記事もあわせてお読みください!
母:楽しみですね。でも昨年の発表もみんな堂々としていて、小学生ってこんなにできるものかと感心しました。
-テックプログレスへの要望と今後の課題-
では最後となりますが、テックプログレスへの改善要望などありましたら教えてください。
母:最初の方は授業中もずっと見ていましたが、送迎だけになるとやはりどうしても何がどれだけできているのか把握が難しくなりました。
主人は休みの日も「父さん見て!」と呼ばれて見ているので私よりは把握していると思うのですが、何がどの程度できているのかがわかればいいかなと。
父:こういうのができるようになったよ、というのが可視化できればね。
母:参観日じゃないですけど、発表会とは別で年に1回とか教室規模でいいので他のお子さんも見てみたいです。そうでなくとも、ネットで作品を見れるとか。
他の習い事比べて難しいですね。水泳だったら何m泳げたとか、タイムが縮まったとかありますが。
スキル面だけで切り取って見てみると、あまり評価されない子もいるかもしれません。スキルも当然大切ですが、そこに至る姿勢や意欲といった部分も大切だと思うんです。
言ってしまえば、ここに来てプログラミングのスキルはあまり身につかなかったけど、なにかに意欲的に取り組む大事さに気づけたといったこともとても大事な気がして。
母:たしかにそうですね。下手に評価するより、みんなの自信作や完成品が閲覧できるようになっているだけでも面白いかもしれませんね。
父:それが入会時、半年後、1年後と比較して見られると変化や成長を感じ取れそうですね。
たしかにそうですね。なるほど、とても参考になります。ありがとうございます!
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