【詩】Mumia
今宵も乾いた咳が出る
カラカラに乾燥した世界
幾度も喉を湿しても
潤いは遥か彼方へ
生きている内に干涸らびる
肉体も魂も全て
陽射しの下で頬が火照る
ギラギラと乾燥した世界
湿度計の液晶画面は
高湿度を示しているのに
生きている内に干涸らびる
肉体も魂も全て
首吊りロープの代わりにネクタイを
巻きつけたミイラの群れが街を往く
今宵も乾いた咳が出る
何もかも乾燥した世界
咳き込み過ぎて骨が痛む
潤いすら欲さない程に
生きている内に干涸らびる
肉体も魂も全て
首吊りロープの代わりにネクタイを
巻きつけたミイラの群れが街を往く
瞳の中に自分の臨終を
運び込むミイラの群れが街を往く