見出し画像

【詩】台風一過

長かった雨も いつか止んで

ひと気の無い通り 微かに虫の音


道に散らかったモノは全て

落ち葉も 空き缶も 昨日のしがらみも

みんな強い風の 彼方に消えていった


出来れば僕の

沈んだこの気持ちも

攫って欲しかった



まるで夜のよう 薄ら暗い空

鉛色の雲が 風と共に往く


今まさに僕の頭上を過る

雲は明日の 同じ時間に

何処の街の 空を飛んでいるんだろう


出来れば僕も

飛んでく雲と共に

遠く旅に出たい


(2006年初出)

この記事が参加している募集

#私の作品紹介

96,516件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?