近頃、一部の人権団体が性的マイノリティ、特にトランスジェンダーの権利を過剰な迄に声高に主張する動きが目立つ。曰く「トランスジェンダーは少なくとも女性の心を持つのだから、女性として扱うべきだ」と。
特に話題になるのはスポーツ関連で、何らかの大会に置いて、自らをトランスジェンダーと証し女性の大会に出場する(生物学的には)男性が散見され問題になっている。あまりにもそうした動きが活発化した結果、スポーツイベント開催側が『少なくとも競技上ではトランスジェンダーは女性には含まない』と言う取り決めを進めていると聞く。
本当に当該者がトランスジェンダーであれば、それはそれで話が複雑になるであろうが、もっとこの手の話題を複雑化させているのは上記の主張を展開する【トランスジェンダー】が本当にトランスジェンダーなのか大いに疑わしいと言う事実である。
数件、上記に関連したニュースに触れたが、そのニュースに掲載された【トランスジェンダー】の肖像は、どう見ても男性…それもかなりムキムキな筋肉質のそれだった。いや、体型だけで判断するのが良くない事は十分に承知している。身体的な性と内面的な性(所謂インナージェンダー)の不一致は性的マイノリティの話題を語る上では避けて通る事は出来ない。況して当事者は皆スポーツマンである。常日頃体を動かし鍛えれば嫌でも体は生物学的な性別に応じた変化を遂げるだろう。殊に筋肉の発達には男性ホルモン(テストステロン)が大いに作用する(人間の世界において、生物学的な女性に筋肉がつきにくいのもこのホルモンが男性に比べどうしても少ないからである)。アメコミで筋骨隆々とした女性の超人が居たような記憶があるが、ボディビルでもやっていない限り現実では女性があそこまで筋肉を得るのは不可能なのではなかろうか。
ワタクシにはこの件に対し何ら意見する事は出来ないが、世間では「トランスジェンダーを名乗るならせめて性別適合手術位受けて来い」と言う声が散見される。生物学的性別とインナージェンダーが一致せず、それにより日常生活に支障を来たしているならば手術は必須だろう。だがこうした強い意見は、得てして当事者の事情を置き去りにして外野が想像でがなり立てているケースがままある。なのでワタクシはこうした声に賛同も反対も出来ずに居る。
話変わって。
過日、かなりショッキングな映像を見た。
前述の【トランスジェンダーに対する配慮を求め過激な活動を繰り広げている人権団体】がデモ行進を行っている映像だったのだが、そのデモに並んでいる【トランスジェンダー】は皆一様に【何処からどう見ても男性】だった。筋骨隆々とした体をパンクファッションに包み、髪型はモヒカンとかスキンヘッドとかそんな感じで、少なくともインナージェンダーが女性ならあんな装束は身に着けないのではないか?と言う位には男性的な外見だった。
その【トランスジェンダー】達はデモに抗議する人々を恫喝し、或いは男女構わず殴り倒し、或いは乱暴に足蹴にしていた。
余程マジョリティに恨みがあるのだろうか。
彼等(或いは彼女等)が半ば人権団体に操られるかたちで暴力を振るい、穏便に自らの権利を主張出来ていない時点で色々とモヤッとしてしまったのは、恐らくワタクシだけではあるまい。
こんな事を記すのも、ワタクシの周囲に静かに暮らすトランスジェンダーを含む性的マイノリティの人々が少なからず存在するからである。彼等・彼女等は一様に温和で、事ある毎に(前述の人権団体及び自称トランスジェンダーの人々のように)主義主張を喚き立てたりせず、ひっそりと静かに暮らしている方々ばかりである。
所謂似非フェミニストなんかも良く用いる手段だが、人権団体が大多数の当事者を置き去りにして一部のノイジーマイノリティを扇動し、声高に主張を叫び、果てに暴力に及ぶ流れを見ていると、性的マイノリティとマジョリティの分断を深めている要因のひとつはこうしたゴリ押しの主義主張なんだよな…と溜息が出る。
そして、その結果穏やかに暮らしている性的マイノリティ(それには勿論アセクシュアルも含まれるであろう)が白眼視されると言う悪循環が起きる事に、些か憤りを感じる。
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