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てっちー@妄ツイ
2024年7月19日 19:48
カッカカッ カカカッチョークによる白線が、黒板に字を浮かばせていく。教師:ここ大事な所だから。ちゃんとノートに写しとけよー......って...おい賀喜!ちゃんと聞いてるのかー?遥香:うわぁ! は、はい!すみません!ちゃんと聞きます!教師:聞いてなかったのか....驚いて変な声をあげてしまう。一度腰を浮かせて、周りの薄ら笑いに恥ずかしさを堪えながら席に座り直す。遥香:...
2024年7月20日 19:56
ミーンミンミンミン ジージージー校長:えー、夏休みと言ってもね。学生の本分は・・蝉時雨が鳴り響く中、体育館を開放して終業式が執り行われている。長い話に耳を傾け、寝ようにも暑くて寝られそうにない。遥香:(....昨日のは一体、何だったんだろう)遥香は昨日の出来事で頭がいっぱいだった。====================================昨日遥香:夏枯れ.
2024年7月21日 19:24
あ、昨日と同じだ。昨日と同じ妙な夢を見ているような色の無い世界。死んだらこんな感じなんだろうか。まぁ、普段も生きてるか死んでるかわからないようなもんなんだけど。真佑:んぅ....私はベッドから体を起こす。秒針は止まってるが、もう夕方らしい。終業式には行かなかった。というより、もう何日も学校に行っていない。真佑:またか....夢と呼ぶにはハッキリし過ぎている感覚に足を取られながら
2024年7月22日 19:28
笑顔の作り方を忘れたのはいつからだっただろう。涙の流し方を忘れたのはいつからだっただろう。夢の追い方を忘れたのはいつからだっただろう。色んな"仕方"を忘れて、でも生きている。何の為に生きているかは、もう忘れた。====================================遥香:澪ちゃーん! どこにいるのー?皆んな心配してるよー!田舎の畦道に響き渡らせるように声を出
2024年7月23日 19:42
昔から俺はなんでも出来た。スポーツも勉強も。友達も多かったし、人生で困った事が少ない。??:迅はすげーよなぁ....俺も迅みたいになれればいいのに。迅:俺みたいに? んー...それは"??"じゃ無理かなぁ!??:ちぇー。調子づいて話していたあの時の会話は、今でも頭の中のいつでも取り出せる所に、びっちりとこびりついている。消したいのに、消せない。===============
2024年7月24日 19:56
〇〇:夕飯出来たぞー、早く座れー。澪:んー。今日の夕飯なにー?広い屋敷の奥から、妹の声が聞こえる。〇〇:暑いから、そうめん。早くしないと全部食っちまうぞー。澪:待って待って!今行く!ドタドタと廊下を走る音が響いた。〇〇:ほら、手合わせて。澪:ん。〇〇、澪:いただきます。その言葉を皮切りに妹は一心不乱にそうめんに食らっている。〇〇:焦って喉詰まらすなよ?笑
2024年7月25日 21:26
遥香:ねぇ、迅?迅:んー?遥香:私の悩みって何だと思う?迅:知るか笑 悩みない様に見えるけど。遥香:だよねぇ....ってちょっと失礼じゃない?笑迅:あはは笑 ....実際まだ信じられないしな、この夏枯れ番地とかいうのも。色の無い世界で、二人は何も考える事なく、座っていた。電柱には"夏枯れ番地四丁目"と書かれている。迅:何丁目って人数の事らしいな。遥香え?迅:四丁
2024年7月26日 21:13
目の前で、私が楽しそうに話している所を、私が見ている。消し去りたい記憶。殺してやりたい記憶。真佑:や、やめて....なにこれ...どうなってるの!キーンコーンカーンコーン「やば!予鈴鳴った!急ご!」「走れ走れー!!」側から見たら明らかに"友達"である三人は、私の横を通り過ぎて行った。私に気づく事もなく。真佑:え?〇〇:三人に僕達の姿は見えてないよ。これはただの記憶
2024年7月27日 23:42
黒盤と白盤が、自分の指の行き来で音を出す。夏のせいで指が湿って、鍵盤を流れるように吸い付くのも、好きだった。過去形なのが悔しくて、悲しくて、でもどこかホッとしている自分が嫌になる。家に残った、自分の過去。ズタボロになったピアノの側面を撫でてみる。何も....思わなかった。「人を、救える人になりなさい」そんな聖人的な言葉を指標に生きてきた。人を救えるように、妹を救えるように、いつ
2024年7月28日 22:26
〇〇、澪:あーーーーーー澪:ワレワレハー...ウチュウジンダー〇〇:ははっ笑 僕も宇宙人か笑夕飯後、縁側に扇風機をおいて妹と一緒に風を浴びる。古い屋敷なものだがら、クーラーなんて近代的なものはない。澪:ワレハ、アイスガ、タベタイゾー〇〇:ん、兄ちゃんも食べたいな。澪:一緒に買いに行こ!〇〇:おい、宇宙人設定はどうしたよ笑澪:いこいこー!妹が手を引っ張って、立ち上
2024年7月29日 22:11
百華:ねぇねぇ、真佑ちゃん?だっけ。真佑:え、あ!うん!そうだよ!陽菜:可愛いよね! 入学式の時からそう思ってたんだー。真佑:え!? 嬉しい!!百華:この町出身なの? 私達隣町から来てるんだー。猛勉強の末、なんとか遥香と迅と一緒の夏美高校に行く事ができた。入学してから、2週間程経った頃、遥香と迅とはクラスが離れてしまったが幸いクラスに馴染む事ができた。そして今日、クラス
2024年7月30日 23:26
小さな小さな違和感は、大きく大きく膨らみ、私に襲いかかってきた。百華:遥香、まじでムカつくんだけど陽菜:わかる。迅君の幼馴染だからって調子乗ってんのよ。真佑:.............百華:どーにか、引き離せないもんかなぁ.....陽菜:そりゃー、ここにもう一人の幼馴染がいるじゃんー? ね、まーゆ?真佑:........ひっ.....わざとらしく肩を組んでくる。百華
2024年7月31日 23:34
迅:お、おい!どこ行くんだよ!遥香:真佑のとこに、決まってるでしょ!!廃屋で二人、風景が変わり高校が映し出された。すぐに真佑の悩みだろうと察しがついた。でもそこで見たものは、私達の予想とはまったく違うものだった。遥香:....最低だ...私...何も..見てなかった...迅:..........関わらないでくれなんて...言っちまった...真佑の所に行こうと立ち上がったが、
2024年8月1日 22:49
いつの頃か忘れたけど、僕は見ていた。台所から外の様子が見えるから、自分と同じくらいの歳の男女四人が楽しそうに遊んでいる様子が目に焼き付いている。嫉妬なのか、ただ単に羨望なのか。なぜ僕だけが苦しい思いをしなければならないのか。そんな思いを食材に向けて、切る。でも、何故だか、あの四人はずっと仲が良いままでいて欲しいとそう思ったんだ。=========================