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”嫌な上司認定”予防法

 TechDoctor社内心理士です。以前、マウンティングに乗らない方法について書きました。今度は、マウンティングをとったと思われた上司側の視点から書いてみようと思い、嫌な上司と認定されることを予防する方法について書いてみました。

部下に嫌われることについて

 「嫌いな上司に関する意識調査」(株式会社ビズヒッツ)によると、職場に嫌いな上司がいる人は7割に上り、6割以上の人が上司が理由で会社を辞めたいと思ったことがあるとわかりました。

”嫌な上司認定”される観点

 同調査では、嫌いな上司についての特徴についても尋ねた結果を、ランキング形式にしてまとめています。

 ランキング全体を見ると、権威的で、怠慢で、部下を振り回すように部下から見える上司は嫌われやすいと言えるのではないかと思います。

嫌な上司と思われてしまう人の心理

 相手によって態度を変えたり、仕事を押し付けたり、気分屋だったり、自分が全て正しいと思ったりしているように見える人にはどんな心理が働いているのでしょう。部下から見てそのような印象を持たれているということに無自覚な人もいるかもしれませんし、上司という立場上そのような態度で問題ないと思っている人もいるかもしれません。立場を利用してあえてやっている人もいるでしょう。

 権力構造に無自覚

  実際のところは、企業単位で見れば大きな役職についているわけではなかったり、裁量をさほど持っているわけではない場合もあるかもしれませんが、大切なのは会社全体での立ち位置や、上司自身が自覚する権力ではありません。部下との位置関係であり、当事者間で成立する主観的で暗黙裡な権力構造です。部下としては、上司という時点で、自分を評価・指導しうる人であり、適宜自分の立ち位置や業務内容の変更に意見できるという認識がセットされます。下手すれば不利益を被りかねない相手だと認識されており、正面から対抗できないからこそ「嫌な」上司なのです。
 フラットで平等な風通しのいい職場で、自分は権力なんて持っていないと思った方もご注意いただくとよさそうです。利害関係や上下関係というのは、人事・金銭以外以外の要素でも生じえます。恩義を感じていたり懇意にしていただいている(ギブ)と感じると、上司に忠誠であることによって返そう(テイク)とするのです。

 優位性を保ちたい

  仕事を押し付ける、高圧的に接する、気分で振り回すということをマウンティングの一環としてとることもあるでしょう。『マウンティングに乗らない方法』に書きましたが、マウンティングをするとき、自分の経験・技能・考えの正しさを認めさせたいという思い働いてると考えられます。自分の思う正しさが脅かされるように感じられているのからなのかもしれません。時代の変化は著しく、これまでの努力や信じてきた価値が無価値なものになることを危惧する人もいます。自己否定されているように感じることもあるのだと思います。
 仕事の仕方としても、数年前に正解だったことが数年後にはそうでなくなる場合も多いと思います。けれども、「このやり方で上手くいってきたから」「この方法が間違いなくやれるから」とやり方を見直そうとしない人もいます。これには、現状維持バイアスというものが関わっています。変化するときには労力を伴います。その先に獲得できる生産性より、現状のままでいる安定がを失う危惧が強いと、現状維持する方向に傾きやすいのです。これまでの正解を正解としておきたい気持ちから「高圧的」で「自分が全て正しいと思っている」と見られる態度をとってしまうのかもしれません。

Z世代が上司に嫌だと感じるセンサー

 嫌な上司認定されるか否かが、当事者間の暗黙裡な権力構造の中の問題だとすれば、相手の要因も影響します。ジェネレーションギャップも考慮する必要があるでしょう。Z世代と呼ばれる今20代前半の世代は、上司とは異なる時代背景のなか生きてきており、価値観や物事の認識が異なります。権利やモラルを強く意識する風潮のなかで、嫌悪を公言する人を嫌うこと、”イジリ”に敏感であることなどがポイントになるかと思います。世代の違いから、上司の言動が、意図するところよりも悪く受け止められる可能性もあります。

嫌な上司認定予防法

 だからと言って、部下のご機嫌伺いをすればよいというわけではありません。関係性について多角的な視点を持ちつつ、上司と部下の関係を閉鎖的にしないことが大切だと思われます。マネジメントする人を自分と部下の間に一人置いたり、業務ごとに指導する上司を変えて、複数人でマネジメントし、権力構造が固定されないようにするとよさそうです。また、かかわり方が視野狭窄にならないように、上司自身にも部下にも360度評価の機会を設けるようシステムを見直すのも有効かと思われます。


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出典

Biz Hits.嫌いな上司の特徴ランキング!男女500人アンケート調査.PR TIMES.2021.2.2.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000041309.html
田尻健二."セクハラやパワハラにおける権力構造と理想化の心理の影響".心理カウンセリングの部屋.2019.1.13.
https://sinri-counseling.tokyo/contents1/power-structure-in-harassment-and-psychology-of-idealization/2/
山崎元."職場のパワハラは「ステルス化」、権力者を固定しないことが肝要だ."DIAMOND online.2018.9.5https://diamond.jp/articles/-/178988?page=4
Smart FLASH.”“連れション退職”“SNS拒絶”を防げ!「Z世代」新入社員のトリセツ鉄則20条…合言葉は「否定厳禁」”.livedoor NEWS.2021.4.7.
https://news.livedoor.com/article/detail/19982602/








 
 












 











 





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