Recover5

レイモンドと一緒に冒険することとなったラルスはレイモンドに案内を頼み、森を抜けた。森を抜けたその先は荒廃した村であった。

「酷い荒れようだな……」

と、ラルスが呟くと

「そうなんです……夜の内に襲撃されたらしくあっけなく……」

そう、レイモンドが悔しそうな表情を浮かべながら言った。

「いったいどこに、娘を、レーナをさらった賊のアジトがあるんだ……」

ラルスが少し焦りをみせた。それを見たレイモンドが落ち着かせるために声を掛けた。

「焦ってはいけないですよラルスさん」

その言葉で少し落ち着いたラルスは、

「すまない、とりあえずは何か手がかりがあるかも知れないからこの村の中を探してみないか」

ラルスはレイモンドにそう提案をした。その提案にレイモンドは、

「そうですね、でも賊がいるかもしれないので、お互いの目につく所で探しましょう」

結果としては村の中には手がかりになるようなものはなかった。ラルスは、また焦りが出てきた。

「早くしないと……」

「ラルスさん! 真新しい馬車を引いた跡が!」

「ほんとか! レイモンドさん!」

ラルスに、また一つ希望の光が差した。

「とりあえず、この跡を辿ってみよう」

「そうですね、くれぐれも焦りすぎないように」

「わかった」

そういい二人は、跡を辿っていった。跡を辿っていった先にあったのは、何の変哲もない小屋だった。

「ここが賊のアジトなのか?」

「にしては小さいし、最近使われた形跡もないですね」

「くっそ……また振り出しか!」

そうラルスが叫ぶ。

「そんな事はないと思いますよ」

と、レイモンドが言う。

「確かにここは外れだったかもしれないですけどラルスさんは、確かに娘さんに近づいてますよ」

ラルスは、

「すまない、レイモンドさん」

「いえいえ私も、同じような経験しましたから……」

そんな会話をして、ラルスとレイモンドはレーナ探しを再開した。一方その頃、レーナは、

「とりあえず抜け出したはいいもののどうしよう……」

アジトがレーナの想像していたより複雑で、出れていなかった。

「早くパパに会いたい……」

そうつぶやき魔法を使いながらアジト内で動いていた。果たしてラルスはレーナを助けられるのか、レーナはアジトから無事に抜け出すことができるのか。

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