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ChatGPTでビジネス戦略を考える:初心者向けガイド(Part 3)ビジネスにおける意味と活用法の基本

はじめに: Part2の復習と今回のテーマ

前回、Part2ではChatGPTの基本的な使い方と注意点に焦点を当てました。今回は、ビジネスにおけるデータ解析の意義と、ChatGPTを用いたデータ解析を行うための方法について、Part2より少し踏み込んだ説明を行います。

具体的には、Advanced Data Analysis, Pluginsや、OpenAI(ChatGPT)のAPIを使って単純なやり取りだけではない、システムとしてChatGPTの機能を利用していくための基本について説明します。

データ解析の基本と重要性

データ解析は、ビジネスにおいて判断を下すための根拠を提供します。特に、市場動向の把握、顧客のニーズ分析、広告効果の測定など、多角的にビジネスを理解するためには不可欠です。しかし、データ解析には専門的なスキルが求められることが多く、多くの中小企業や個人にとってはハードルが高いものです。そこで、ChatGPTのようなAIツールが役立つのです。

ChatGPTでのデータ解析: 簡単な市場調査やトレンド分析の例

ChatGPTを用いれば、専門的なスキルがなくても基本的なデータ解析は可能です。例えば、次のようなプロンプトで簡単な市場調査やトレンド分析ができます。

  • 「2023年のマーケティングの最新トレンドは何ですか?」

  • 「日本の再生可能エネルギー市場の現状を教えて」

このような質問に対して、ChatGPTは既存の知識に基づいて答えてくれます。ただし、リアルタイムのデータには対応していない(※)ため、最新の情報が必要な場合は他のデータソースを参照する必要があります。

(※)ChatGPT(3.5、4とも)は2021年9月までの学習を行っていますので基本的にはそれ以降の情報を持っていません。基本的な対応方法を後の項目で説明します。

例:「2023年のマーケティングの最新トレンドは何ですか?」

このようなプロンプトに対する回答例としては、「2023年のマーケティングトレンドとしては、AIの活用、サステナビリティへの焦点、顧客体験の最適化などが挙げられます」といった内容が考えられます。

ChatGPT PlusとAPIの活用

Part2でも触れたように、ChatGPT PlusやAPI版を使用すると、更に高度なデータ解析が可能です。特にAPI版を利用することで、ChatGPTを既存のビジネスシステムに組み込んで自動的にデータ解析を行うこともできます。

リアルタイムの情報をChatGPTで活用する方法

リアルタイムの情報をChatGPTに与えてその情報を元に要約したり、分析して予測、解釈、インサイトを得るには以下のような方法があります。
「1. テキスト入力として提供」以外は、有料版(Plus)の機能やOpenAIのAPI(従量課金)を使用する必要があります。Advanced Data Analysis, Pluginsや、OpenAIのAPIの使い方は、別のPartで説明します。

下のスクリーンショットはDefault, Advanced Data Analysis, Pluginsの使用を切り替える方法です。(GPT-4アイコンをクリックすると以下の切り替え用メニューが開きます) 

1. テキスト入力として提供

手動コピーペースト: 最もシンプルな方法は、リアルタイムの情報を手動でコピーペーストし、ChatGPTに質問する形です。

2.Advanced Data Analysisの機能を使ってファイルをアップロードして読み込ませる

Advanced Data Analysis では、ファイルをアップロードして読み込ませることができるので、与えたい情報のファイル(テキスト、html、csv, JSON形式など)を読み込ませて、その内容を元にChatGPTに予測や解釈をしてもらうことができます。

Advanced Data Analysisの機能として、ChatGPTが自分でプログラミング的な事(※1)を行い、データを処理することができるので指示を与えてデータを適切な状態に加工してから解釈をしてもらうことも出来ます。また、長い文章を小分けにして処理するような場合、ChatGPT側でファイルに情報を保存、必要な時に読み込むことで、記憶の保持のサポートをすることも出来ます。

(※1)応答の中でコードのロジックは表示しますが、コードロジックそのままに処理をしているのではなく、コードロジックを模した処理を行っているようですので「プログラミング的」という表現をしています。現状では打規模LLM(大規模言語モデル(AI))としての能力と、Advanced Data Analysisの機能をAIとしての機能を落とさずに使うには制約があります。

たとえば一回の入力で、繰り返し処理(ループ処理)を行わせてループの各回ごとにAIによる解釈を行わせるというような事は難しい(実用レベルの回答が得られない)ので事実上APIを利用したシステム作りが必要です(あるいは用途に合ったプラグインを見つける)

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以降の3~7は、概ねOpenAI(ChatGPT)のAPIや適切なプラグインを利用することが前提です。
条件によっては、Advanced Data Analysis 機能を使って(一部の処理を)できる場合もありますが、現状、Advanced Data Analysis は、外部との通信機能が無いため、Webの検索や外部のシステムと通信して情報を取得するような処理を行うことが出来ません。

3. APIとデータフィードの組み合わせ

自動化スクリプト: プログラミングが可能な場合、リアルタイムのデータフィードやAPIを使用して情報を取得し、それをChatGPTのAPIに送る自動化スクリプトを作成することができます。

  • : Twitter APIでトレンド情報を取得し、それをChatGPT APIに送って分析・解釈してもらう

4. スクレイピングとAPIの組み合わせ

Webスクレイピング: 公開されているウェブページからリアルタイムの情報をスクレイピングして、それをChatGPT APIに送る方法もあります。

Webスクレイピング(Web Scraping)とは、ウェブサイトから情報を自動的に取得する手法の一つです。具体的には、プログラムを用いてウェブページをダウンロードし、その中から必要なデータを抽出します。

OpenAI(ChatGPT)のAPI を利用する場合、通常、スクレイピングして取得したWebページのデータを解析、加工して、ChatGPTのAPIに解釈して欲しい部分を抽出する処理は別に実装する必要があります。

  • 注意: スクレイピングは、対象ウェブサイトの利用規約に違反しないよう注意が必要です。

5. ダッシュボード組み合わせ

リアルタイムダッシュボード: リアルタイムのデータをダッシュボードに表示し、そのスクリーンショットやテキストをChatGPTに送る方法もあります。

ここでいうダッシュボードとは、特定のものではなく、一般的なアプリケーションやサービスで、ビジネスやプロジェクトのKPI(主要業績評価指標)、財務データ、その他重要なメトリクスを一覧表示するためのインターフェースです。これがリアルタイムでデータを更新する場合、それを「リアルタイムダッシュボード」と呼んでいます。

このダッシュボードのデータをChatGPTに入力する形で、リアルタイムのインサイトを得るという方法が考えられます。たとえば、ダッシュボードでトラッキングしている販売データやユーザーエンゲージメントデータをChatGPTに入力し、それに基づいて分析や予測をしてもらうといった具体的な利用方法があります。

6. チャットボットやコミュニケーションツールとの組み合わせ

リアルタイム対話: チャットボットや、Teams, Slackなどのコミュニケーションプラットフォームを用いて、リアルタイムでのやり取りをChatGPTに流し、即時にインサイトを得ることも可能です。

7. データベース連携

DBからの情報取得: 企業内のデータベースとChatGPT APIを連携させることで、内部データに基づいたインサイトをリアルタイムで得られます。

注意点と制限事項

  • ChatGPT自体がリアルタイムのデータにアクセスできないため、外部からのデータ供給が必要です。

  • APIやデータフィードの利用は、それぞれのサービスの利用規約や料金に注意が必要です。

  • ChatGPTAPIを利用する場合、やり取りのデータ量に応じた従量課金制の料金がかかります。

以上のような方法を組み合わせることで、リアルタイムの情報を効果的にChatGPTで活用することが可能です。

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