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【イベントレポート】TechTrain HR セミナー#1 ゼロから始めるエンジニア採用

こんにちは、TechBowlの三宮です。TechBowlは有名企業のエンジニアから実務が学べるU30エンジニアコミュニティ「TechTrain」を運営し、エンジニアのスキルアップ・キャリアアップ支援を行っていますが、企業様のエンジニア採用・教育支援も行っております。

エンジニア採用ご担当者様のお話を伺うなかで、「エンジニア採用のノウハウ」を求めている声を頂戴することも多く、TechBowlとして何かできることはないかと検討し、「エンジニア採用担当者向けのイベント」を開催する運びとなりました!

採用担当者向けイベントは様々なところで開催されていると思いますが、TechTrain HR セミナーの特徴は「TechTrain」でメンターをしている業界トップクラスの現役エンジニアからエンジニア目線でエンジニア採用をお伝えできる点です!

記念すべき第1回は、
・株式会社TechBowl 代表取締役 小澤 政生
・株式会社Ginco 取締役/最高技術責任者 森下 真敬
・株式会社タイミー プロダクトチーム 酒井 英伸
上記3名にLTを行っていただきました!

それでは、当日の内容を抜粋してご紹介いたします。

1.「非エンジニア人事がエンジニア採用立ち上げ時にやったこと」 株式会社TechBowl 小澤 政生

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LT1人目は弊社代表の小澤。「非エンジニア人事がエンジニア採用立ち上げ時にやったこと」をテーマにお話しました。

前職のサイバーエージェントで、プログラミングのことをほぼ知らないまま関西のエンジニア採用立ち上げを行った小澤が自身の経験をお伝えしました。

「話すな。聞け。」「ゴールを決めるな。ボランチに徹せよ。」「知ったかぶりは悪。教わり学べ。」の3点が主な内容でした。

「話すな。聞け。」

非エンジニアの採用担当者は、面接・面談で「会社説明」をしがちです。もちろん、自社のことを理解していただくことは大切ですが、候補者が何をしていて、何に興味があり、何に悩んでいるかを聞くことが重要です。

候補者の話を聞くことで、候補者のことが分かるだけでなく、それぞれの言語の違いや技術についても把握できるようになります。

「ゴールを決めるな。ボランチに徹せよ。」

採用担当者が無理矢理に話を進めても内定承諾が難しく、また入社してもミスマッチになってしまうことがあります。

候補者はやはりエンジニアと話したいと考えているので、経歴や思考性がマッチするエンジニアとの面接・面談をセッティングすることを大切にしていました。

自社に所属するエンジニア名鑑を個人的に作成して持ち歩いてました。「出身・学部・研究内容・サークル・学生時代のバイト・趣味・登壇実績」などを記載し、候補者の経歴・経験・思考性と一番近い方をアサインするようにしていました。

「知ったかぶりは悪。教わり学べ。」

採用担当者という肩書きだけで、候補者は警戒してしまうことがあります。無意識のうちに採用マウントを取ってしまうこともあるので、教わるスタンスを大切にしていました。

研究内容のことやニュースのことなど、分からないことを候補者に聞いていました。もちろん、最低限は自分で調べて、分からない部分を明確にした上で、質問をしていました。

想像の3倍ぐらい教えてくれる候補者は良い方が多いです。面談のあとに「こういう情報も見ておいた方が良いですよ」など、メッセージをくださる方は仕事も丁寧な方が多く、そういった点を判断することも可能です。

2.「スタートアップのエンジニア採用戦略」 株式会社Ginco 森下 真敬

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LT2人目は株式会社Gincoの森下さんが「スタートアップのエンジニア採用戦略」をテーマにお話しました。

CTOとして、まさに採用体制を構築中であり、限られたリソースのなかでいかに効率的に採用を行うかをお伝えしました。

「費用対効果の高い施策」「費用対効果の低い施策」の2点が主な内容でした。

「費用対効果の高い施策」

技術ブログやある程度の規模感のイベント登壇など「エンジニアブランディング」は費用対効果が高い施策でした。Twitterなども実名・顔出しでGincoのエンジニアとして情報を発信することを大切にしています。

技術ブログは、自社エンジニアのスキルをアピールする上では一番効果的です。技術ブログを読んでいただくことで、どのぐらいのスキルなのか、どんな開発環境なのかを伝えることができます。

これらを行う上で大切なのは「企業イメージの統一」です。どういったエンジニアが集まっているのか、技術的な強みは何かは全社で統一し、個々が情報発信をするようにしています。

登壇の資料なども「社内のデザイナーの監修を必須化」し、見せ方においても統一感を持つようにしています。

「費用対効果の低い施策」

探しているスキルセットにマッチしている人に対し、とりあえずスカウトを送ることは費用対効果が低かったです。テンプレート文面だとひと目でわかるようなスカウトではエンジニアに響かず、逆に悪印象を与えてしまう可能性もあります。

誰でも出れるようなエンジニアイベントに登壇することもそこまで反響はなく、準備の工数を考えると効果が低かったと思います。

3.「エンジニアにとっての転職」株式会社タイミー 酒井 英伸

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LT3人目は株式会社タイミーの酒井さんが「エンジニアにとっての転職」をテーマにお話しました。

自身も昨年転職を経験した酒井さんが実際の経験に基づいて、エンジニア目線でエンジニア採用をお伝えしました。

「エンジニアが転職先を選ぶポイント」「入社における不透明性を解消するための施策」についてが主な内容でした。

「エンジニアが転職先を選ぶポイント」

エンジニアが会社を比較する際に、一番比較しやすく分かりやすいのが「給与」です。

なぜなら、数字で絶対的かつ給与に限って言えば高いほうがいいに決まっているからです。ただ、本日は「よし、だから給与をいっぱいだそう!」ということを話したいわけではありません。

ちなみに、余談ですが最近公開された記事には「「給料を出すから仕事しろ」という組織は消滅する可能性が高い」と書かれていました。

エンジニアが転職先を比較する上で重要なポイントは「不透明性の解消」だと思います。「この会社なら楽しくやっていけそう!」と入社前にどれだけ思えるかです。

「不透明さ」を自分で解消するために福利厚生や社員インタビューなど外から得られる情報を用いて、未来を想像します。ただ、結局は想像ベースで不透明なままなので、比較が楽な「給与」などで人は転職先を選んでしまいがちです。
しかし、以下のような施策でその「不透明さ」を解消できます。

「入社における不透明性を解消するための施策」

リファラル採用
やはり知人がいる会社はイメージがしやすく、この方が馴染んでいるなら自分も大丈夫だと安心感を抱けると思います。自身と距離の近い人がいることは選ぶポイントとしては大きいです。

体験入社
実際に一緒に働き、開発スタイルを体験し、現場のコードを触れることで入社後のイメージができます。実際のタスクをエンジニアと一緒に話しながらコードを書いてもらうことで、相互理解も進みます。

コミットメント・シフト
正社員として入社する前に「業務委託」として業務に関わってもらいます。タイミーのサーバーサイドチームは正社員の70%が業務委託からの切り替えで、そこから離職率は0%です。経営会議・総会にも参加することができるので、会社の状況をリアルに知ることもできます。また、実際の開発の環境を知ることができ、お互いを知ることでミスマッチも少なくなります。

4.パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、事前にいただいた質問やLT内でいただいた質問についてお答えしました。(一部ご紹介します。)

Q:逆求人イベントなど、目的が明確なイベントの時は学生側も企業の情報を欲しているのかなと思うのですが、その時も聞くに徹したことで成果を生んでいましたか?

(小澤)会社のプレゼンをしてしまうと限られた時間の多くを使ってしまうので、ペライチの資料を作成し、どこに興味があるのか重み付けを候補者にしてもらっていました。

最初の5分で技術に興味があるのか、事業に興味があるのかなどを判断し、残りの25分は黒子に徹し、エンジニアと話してもらうようにしていました。学生が作っているプロダクトに関する技術的なアドバイス、うまくいかない部分だけ即興でコードレビューなどをすると、学生もエンジニアや会社の雰囲気が掴めると思います。

(森下)学生時代に60社ぐらい参加しましたが、自分のことを受け入れてもらえるかを大切にしていました。正直ベースに自身の経験や考え方を伝え、知ってもらった上で自分が合うかを企業側に判断いただくようにしていました。

自身が気になった会社については、面談後に調べていました。

(酒井)逆求人は候補者から自身のことをアピールする場なので、自身のことを伝えることに重きを置いてましたし、自身のことを色々聞いていただける企業には魅力を感じていました。

開発環境や技術のことは知れる機会も少ないので、そこは知りたいと考えていました。

(参加者からもいただきました)
・エンジニアと話している会話の内容から候補者が何を知りたいのか、どこに興味があるのかを把握し、面談の終わりにピンポイントで補足するようにしていました。
・盛り上げ役に徹し、候補者の温度感を上げることを大切にしていました。

Q:技術ブログは誰が責任を持ち、KPIなどは設定してましたか?

(森下)エンジニアマネージャーが責任を持ち、KPIは1週間の記事数を追っていました。PVよりかは継続的に発信し続けることを大切にしていました。

エンジニアマネージャーの業務に技術ブログの発信があり、そこも評価の一つになっています。

SEOも意識し、ターゲット設定なども大切にしていました。外部に発信する情報に関しては、デザイナー監修を入れるのと同様にクオリティは意識しています。

(酒井)まだタイミーは技術ブログはないのですが、直近で出す予定です。特にKPIなどは設けていませんが、技術ブログは更新していないと逆に不信感にも繋がってしまうので、発信し続ける体制構築が大切だと思います。

Q:相手のプログラミングスキルの高さを確認するための質問って、具体的にどのようなことを聞いていましたか??

(小澤)GitHubの見方などを社内のエンジニアに確認し、どこを見るべきか事前に把握するようにしていました。また「この質問をすると、こういう風な答えがパターンとしてある」という感じで想定問答をセットでにエンジニアに聞いておくと、非エンジニアでもわりと突っ込んだところまで情報を候補者から聞くことができました。

また技術のことだけでなく、「好きなことを好きなだけ話してください」と、よく聞いてました。自分の好きなことをおもいっきり話してもらうようにしていました。「ハマった経験があるか」を確認し、のめり込める方なのかを確認していました。何かにハマった経験がある方は、探究心も強い方なので、エンジニアとして覚醒する可能性がある方が多いと思います。

(森下)今まで実装したなかで一番難しかった仕組みを聞き、その難易度でスキルの高さを判断していました。

他には、過去に作ったアーキテクチャのイケてないと思う部分を話してもらい、お金が無限にあり、スキルもある場合にどのように改善するのかを聞いてました。それでどのような理想があるのか、最新の情報をキャッチアップしているのかを確認していました。

(酒井)プログラミングスキルは経験すれば伸びると考えており、アーキテクチャ設計能力が選考でみるべきポイントだと思います。

自社サービスを簡単にしたものを題材に、どう設計するかを対話しながら考えてもらいます。そこから実際に開発で起きた課題や問題を投げながら、回答してもらうのもよいと思います。

ブランディングに関して、代理店からインスタをすすめられたのですが、、始めるならtwitterの方が良いですか?

(森下)偏見かもしれませんが、、、エンジニアでInstagramをやっている方はそこまで多くないと思います。(笑)

(小澤)狙う層によってはInstagramもあり得るかもしれません。若手層であれば、Instagramを活用している方も多く、自社を知っていただくきっかけとして効果があるとは思います。ただ、やはりエンジニアはTwitterを活用していることが多いので、Twitterの方が効果があると思います。

(参加者からもいただきました)
・SNSの運用は余力があればやる程度が良いと思います。紹介会社様や面談・面接に来ていただいた候補者にしっかりと自社を理解いただくことが大切だと思います。
・人事がSNSを運用してもエンジニアが求める情報提供が難しく、エンジニア採用には直結しづらいかもしれません。候補者との連絡手段としては有効かもしれません。

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以上が今回のイベントを抜粋した内容です!

20社以上(写真に写っていない方にもご参加いただきました)の企業様にご参加いただき、満足度も平均8.5点(10点満点中)という結果でした。

オンラインということで不手際もありましたが、参加いただいた皆様が活かせることがあればと思います。

また参加後アンケートで約7割の方が今後のLT参加を希望いただき、大変嬉しく思います。

▼参加者様の声

株式会社TechBowl小澤へ
すごく勉強になりました!人事はボランチに徹する、という話はこれまで分かっていたようでどこかで「自分もゴール(採用の決定)へ持ち込めるアトラクトをしなきゃ」と考えていた為、あくまでも人事はパスする側で、ゴールは面接してくださるエンジニアさんにお任せしようと確信できました。 良いパスを送れる窓口にはなっていたいと思います。あと、小澤さんがゼロからエンジニア採用を軌道にのせたエピソードは毎回勉強になります!メモで書きまくる(タイピングだと追いつかない)はまさにそうだと思ってます。社員名鑑も早速作りたいと思っています!
株式会社Ginco森下さんへ
外に出す資料は全てデザイン部を通すというのは勉強になりました。視覚資料は大切なので、ある程度形にしたらデザイナーにチェックしてもらう流れを作りたいと思います!また、技術ブログがどれくらいの頻度で更新されているのか把握していないことに反省しました。ブランディングについて、優先順位含めて話していかないといけないなと思いました。
イベント登壇に関して、どうしたら特別な所に出られるのか聞いてみたかったです!
株式会社タイミー酒井さんへ
「比較しやすいお金で見てしまうのはなぜか→未来が見えないから」というお話にはっとさせられました。キャリアパスや案件について、どれくらい具体的に話せているのだろうかと、振り返れていないなと思いました。会社のビジョンを打ち出すことが弱みなので、そこを強化できるように伝える内容、伝え方、見せ方をもっと話していきたいと思いました。

今後も月1回ペースくらいで企業様向けに様々なテーマでお送りしたいと思います!(登壇もぜひお待ちしております!)

こちらのnoteやTwitterで情報発信しておりますので、ぜひ確認いただけますと幸いです!

▼当日の資料はこちら▼


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