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【Illustratorデータ】リンクファイルの「リンク切れ」その2

前回のその1では「Illustratorデータへのリンクファイルの配置」と「リンクファイルのリンク切れ」について書きました。
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今回は「入稿時のリンク切れを防ぐ方法」について書こうと思います。

リンク切れの不備があったお客様に御連絡すると、
よく「こっちのPC/Mac上でデータを開くとリンク切れをしていない、表示されてる。」と言われる事がありますが、「リンクファイルがある環境」ではリンク切れを起こらないので、リンクファイルが表示されますが、
「リンクファイルが無い(Aiデータのみの)環境」では紐付けが切れてしまっているのでリンク切れの状態になります。


こういった事を防ぐために、入稿時や他の方にデータを渡す際は「リンクファイルのリンク切れ」に注意して下さい。





■リンク切れを防ぐ方法

Illustratorにおけるリンク配置は「Aiデータに別テータが紐付けている状態」と説明しました。
「リンク切れを防ぐ方法」はこの紐付けが外れてしまわない様に、

方法1.
「紐付けが外れない状態する=Aiデータ内に保管してしまう(埋め込み)」

方法2.
「リンクファイルをAiデータと一緒に集めてしまう(パッケージ)」

この2つのいずれかをテックトランスなどに入稿される際や、他の方にデータを渡す際に行うのが確実だと思います。

リンク切れが起こるのは、大抵の場合はAiデータやリンクファイルを別のフォルダや場所に移動させてしまった時に起こる事が多いです。
そのためデザインデータを作る際は、同じフォルダ内にAiデータとリンクファイルを保管して、テックトランスなどに入稿される際や他の方にデータを渡す際には、そのフォルダのまま必要なデータのみ送るのがベターです。

ただフォルダをそのままの渡す事ができない場合もあると思いますので、これから紹介する方法を行う事をお勧めします。
またリンク切れに限らずですが、
入稿データは別名保存で新たに作成をして、作成時のデータと分けて保存される事もお勧めします。

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方法1. 「リンクファイルの埋め込み」

この方法が最も確実な方法で、Aiデータ内にリンクファイルも含めて保存する方法です。
埋め込みを行うとAiデータ内にリンクファイルの情報が保存されるので、Aiデータのみを入稿/他の方に渡すなど、他の環境でデータを開いてもリンク切れは起こりません。

<リンクファイルの埋め込み方法>

① 埋め込みを行うリンクファイルを選択。(オブジェクト or パネルからの選択のどちらもOK)
② 「リンク」パネルのオプション(パネル右上の三本線)をクリック。
③ 一覧から「画像を埋め込み(D)」を選択。
(下記の画像を参照)

たったこれだけでリンクファイルを埋め込み事が可能です。
また複数のリンクファイルを選択した状態で同様の対応をすれば、まとめて画像を埋め込み事もできます。

①→②→③の順に



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方法2. 「パッケージ」

必要なリンクファイルをAiデータと一緒に、新規フォルダ内に集めてしまう方法です。
Illustratorで作業時に、リンクファイルの保管場所が複数なってしまって、よく分からなくなる事ってありますよね?そういった場合でも、一気にIllustratorが収集してくれる凄く便利な機能です。
(この機能に何度助けられたか・・・)

↑Adobe社さんのブログでも推奨しています。

<パッケージ方法>

① 上部のメニューの「ファイル」→
② →「パッケージ」
③「リンクをコピー(C)」にチェックを入れ
④「パッケージ」をクリックで完了
(必要であれば任意の保存場所やフォルダ名に変更)

①→②
③→④


・・・あれ?終わり?手順が少な過ぎじゃない!?

いや、本当にこれだけで終わりです(汗)
この手順だけで必要なファイルを収集してくてるので、複数フォルダに保存されていた場合などは、リンクされたファイルを探す手間が省けます。

たまに「このリンクファイルって、どこに保存してあったんだっけ・・・?」って事あると思うので、そういった際にもこの「パッケージ」機能は重宝します。




■注意点&デメリット(+対応策)

この2つの方法で簡単にデータを送付する際のリンク切れを防ぐ事ができますが、それぞれにちょっとした注意点&デメリットがあります。

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「リンクファイルの埋め込み」の注意点&デメリット

1つ目は、
埋め込みはAiデータ内にリンクファイルを保管してしまうので、「Aiデータのデータ容量が重くなってしまう」という点です。

例えばAiデータの元々容量が10MBくらいで、そこにリンクファイルとして50MBくらいの画像データを複数配置し、それらを埋め込んでいったら、
(本当は単純計算じゃないですが)
Aiデータ10MB+50MB+50MB+50MB+50MB+・・・=といった具合に、Aiデータの容量が大きくなっていってしまいます。

<対応策>
埋め込み時のリンクファイルは、可能であれば容量を必要以上に重くない状態にするのをお勧めします。
埋め込むのが画像データであれば、Photoshopで以下の処理をするだけでも、容量が減ります。
※処理を行い保存するとそれ以前には戻せないので、データ制作時/入稿時とでデータを分けて下さいね。

1. 画像サイズ/解像度は必要以上に大きくしない。
2.(PSDデータなら)レイヤーはPhotoshop上で統合して1枚もしくは必要最低限のレイヤー数にする。
3. 必要以上にリンクファイルを配置しない。


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2つ目は、
「埋め込み後のリンクファイルは編集が反映されない」という点です。
諸々のチェックをして、入稿直前に埋め込みを行えば問題ないですが、埋め込みを行った後に元ファイルを修正されても、埋め込まれたファイルにはその修正が反映されません。
(Aiデータにリンクファイルを埋め込まれると、各データは「リンク」で紐づけられた扱いではなくなるため)

こういった理由から入稿前のタイミングや、その後に修正をする事が無いリンクファイルに「埋め込み」を行う事をお勧めします。

埋め込んだリンクファイルに後から手を加えられた場合は、「リンクファイルの再配置」と再度の「埋め込み」をお忘れなく。


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「パッケージ」の注意点&デメリット

パッケージについては、そのまま入稿されたりすれば特に大きな注意点はないのですが、強いて言えばで何点か挙げておきます。


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1. データ数が多くなる。
→便利ではありますが、リンクファイルを全て収集してくれるので、その分ファイル数が多くなります。

2.リンク切れを起こす可能性は残る。
→全てのリンクファイルを収集し「Link」フォルダ内に保管されますが、何らかの理由でファイルやフォルダを消してしまったり、入稿時に一緒に送り忘れてしまうとリンク切れを起こしてしまいます。
入稿される場合や、他の方にデータを送る際は「Link」フォルダが不足していないか確認下さい。




■リンク切れをしないためにも

今回紹介した2つの方法で、簡単にリンク切れを防ぐ事ができます。
どちらも特別な方法やテクニックでなく、Illustratorに元々ある既存の機能ですので、是非活用してみて下さい。

もちろん今回紹介した方法を行わずに、デザインデータを作成しながら使用しているリンクファイルをまとめていき、Aiデータと一緒に入稿頂いても問題ありません。




仕組みさえ分かってしまえば簡単なので、これらを覚えてその時々に合った方法をご自分で行っておくだけでも、自分の手をデータが離れた後の心配も少なくなると思いますので、データ作成時/入稿時の参考になさって下さい。