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【ヘアライン】その『細い線の作り方/着色設定』、間違ってませんか?

Illustratorってデザインデータを作る際に、四角や円のオブジェクトを配置したり、テキスト(文字)オブジェクトを配置したり、はたまた画像(リンクファイル)を配置したり、色々な方法で使ってデザインを作っていきますよね。

色々な機能がある中で、Illustratorの1番の特徴であるベクターオブジェクトを扱える事で、点(ポイント)同士を結びつけて、線だったり四角や円を作成する事ができ、それらを「塗り」と「線」とで着色する事ができます。

ここで1つ気づかずに注意して頂きたい事があって、「細い直線」を作成する時に皆さんどうやってIllustrator上で作られています?
気づかずに設定/作り方を間違えていると、意図しない状態に状態になってしまう事があります。


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■気づかずに線をこんな着色設定してません?

通常、線を作成する時は、ペンツールなどでアンカーポイント(点)とアンカーポイント(点)を繋いで、1本の線を作る事が多いと思います。
その際に意図した線の細さや着色を指定したりしていると思いますが、「細い線」を配置する際にうっかりでも↓の様な着色になっていたら要注意です。

2本の線は同じ設定です。

これ、どこを注意すべき、修正すべきか気づきましたか?


正解は・・・、
細い線を作る際に着色をする際に「線」ではなく「塗りにのみ」着色指定されています。

この状態は「ヘアライン」と呼ばれていて、Illustratorの画面上では表示されていても、実際の印刷時には出力されず、消えてしまったりかすれてしまったりします。
※ほとんどの場合、印刷時には消えてしまいます。

もう一度書いておきます。
消えてしまったりかすれてしまったりします。

本当に気をつけないと・・・怖いです・・・


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■「ヘアライン」

◎ヘアラインってどんな状態?

上記でも書きましたが、ヘアラインとは「塗り」にのみ着色が指定された細い線の事です。
結論から書くと、この状態になっている線はモニタ画面上では

「細~~~い」線

として表示されていても、実際の印刷時には出力されずに消えてしまったり、かすれてしまったり、要は線が無い状態になります。


◎ヘアラインの概要

Illustrator上ではアンカーポイント(点)同士を繋げて図形や線を作成できますが、「塗り」はアンカーポイントが3点以上で繋いで作成された図形、つまり点同士の内側の着色指定になります。

ここで「『塗り』は、アンカーポイントは3点以上で繋いで~」という部分が重要になってくるのですが、2点を繋いだだけの状態という事は、「点同士を繋げた平面の図形」を作る事ができない=平面図形として存在していないという事になるので、画面上で細い線として表示されてても、データ上の扱いとしては線として存在していない事になります。

そもそも「線」の着色を設定される事で、はじめて線幅(線の太さ)を設定する事ができるので、「塗り」のみ着色設定された線はIllustratorのデータ上では「太さが無い状態のオブジェクト」という扱いになります。
(「塗り」だけだと線幅の太さの指定できません。)


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■じゃあ線はどうすれば良いの?

こういった疑問が出るかもしれませんが、結論は簡単です。
「線」の着色指定をして、線幅の太さの設定をして下さい。

「線」を着色指定し線幅を1ptに設定した状態

通常であれば直線は、↑の画像の様に点と点の2点を繋げて作られ、着色指定も「線」にされていますよね。
この様に点と点を繋いだ直線の状態でも、「線」を着色指定をされていれば、Illustratorのデータ上でも線として認識されるので、印刷時にも出力されます。

また線幅の太さについては、「線」で着色指定されていても、あまりに線幅が細過ぎるとヘアラインの状態と同じ様に消えてしまう可能性があります。
そのため線の太さは細くしても「0.3~0.5pt(≒0.1~0.18mm)」より太くする事をお勧めします。

また着色濃度も、あまりに薄い色味では出力されない可能性があるので、薄くしてもCMYK濃度%の合計値が10~15%以上の色味の状態なのをお勧めします。

<補足>
上記では2つのアンカーポイント(点)同士を繋げた線の状態で説明しましたが、3つ以上を繋げた状態、つまり三角形や四角形・・・といった図形の外側(縁)の線が、線幅を非常に細い太さであったり、CMYK濃度%の合計値が低く薄い色味の場合も同様ですので注意して下さい。


※上記の太さ&色味は、配置される背景の色味にもよってきます。
↓参考


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■まとめ

今回は「ヘアライン」について書きました。
まとめると以下の点に気をつけて下さい。

ヘアラインについて説明しているサイトによっては、出力されない細く薄い線も含めてヘアラインと説明している場合もありますが、
総じて「出力されない線」と思ってもらえれば良いと思います。

せっかく製作する印刷物ですから、意図していない状態になるのはできるだけ避けられたいと思いますので、こういった点も気にしながらデザインデータを作成されても良いと思います。