見出し画像

ディズニーCEOが実践する10の原則

書名:ディズニーCEOが実践する10の原則
著者:ロバート・アイガー
出版社:早川書房
発行日:2020年4月4日
読了日:2020年7月25日
ページ数:360ページ
7月 :1冊目
年累計:18冊目

意外と泥臭い!!
そんな事を読了後に感じました。
もちろん良い意味です。

ディズニーという華やかなテーマパークや
キャラクター、ブランドとは裏腹に
経営は人間味溢れる物語だった。
そして厳しい競争を勝ち抜いてきた
そんな力強さを感じました。

私のディズニーに対するイメージは保守的で
競争優位性があって、現状維持でも
十分ファンがついてくると思ってました。

でも、そう見えていたのはある意味
マジックだったのかもしれない。

買収の裏には投資回収できるかどうか
金額は妥当なのか、シナジー効果は得られるのか?
当然だけれども緻密な分析の元に実行されている。
それが生々しいくらい伝わってくる本書。

華やかな業界だけれども
当然、利益を上げなければいけないから
映画がヒットするかどうかなど
現場の不安、葛藤も痛いほど伝わってきた。

ディズニーが次々とエンターテイメント企業を
買収していく裏側が丸裸になる本書📗
2005年から2020年2月までの約15年間
CEOを務めたロバート・アイガーの自伝である。

・ピクサー
・マーベル
・ルーカスフィルム
・21世紀フォックス
なんと総額9兆円

最初の入社はABCテレビ。
そこのスタジオ雑用係から仕事を続けて
41才でABC社長に収入して
ディズニーによるABC買収を経て
2000年にディズニー社長、2005年からCEO。

本当の叩き上げです!!!

スティーブ・ジョブズに絶大な信頼を得ていた事。
それがピクサー買収に繋がったという事。
これはディズニーだったからできた事ではなく
ロバートアイガーCEOだったからこそ
成し得た事なのだなって思いました。

経営のプロフェッショナルというわけでもなく
大学は卒業しているがMBAを取得しているわけでもない
本当に一番下からのし上がったCEO。

ディズニーの歴史を知りたい人
ロバートアイガーについて知りたい人
ピクサー、マーベルの買収劇の裏側を知りたい人
リーダシップについて学びたい人

こんな方であれば是非読んでみてください。

時系列にロバート・アイガーの言葉で
語られる一つ一つの仕事に対する姿勢や考え方。
ディズニーを通して企業経営の難しさ
生き残っていく難しさを実感できます。

そんなロバートアイガーが掲げる
真のリーダシップに必要な10の原則はこちら

1.前向きであるおと
2.勇気を持つこと
3.集中すること
4.決断すること
5.好奇心を持つこと
6.公平であること
7.思慮深いこと
8.自然体であること
9.常に最高を追求すること
10.誠実であること

私がこの本を読んで一番大事な事は

誠実であること

なのかなと思いました。

ものすごく単純、シンプルな事だけれども
この”誠実”を貫き通すのは容易ではないです。
自分が窮地に追い込まれた時
不安な時、ピントな時、そんな時でも
果たして実直、誠実になれるだろうか。

ロバートアイガーはこんな事も話しています

自分が大失敗したら責任を取らなければならないということだ。
仕事でも、私生活でも、自分の失敗を正直に認めれば
周囲の人から信頼され、尊敬されるようになる。
苦しい時こそ粘りと忍耐が大切だということと
自分にはどうしようもないことに怒ったり不安になっても
仕方がないということだ。
ピクサー、マーベル、そしてルーカスフィルムの買収に
共通していたのは、どの案件の行方もひとりの支配的な所有者との
信頼関係を築けるかどうかにかかっていたという点だ。
どの案件でも交渉がうまくいくかどうかは
個人的な要素にかかっていて、誠実さが全ての鍵だった。

リーダシップ

知ったかぶりは自信のなさを周囲に撒き散らしているようなものだ。
本物のリーダシップとは、自分が何者かを知り
誰かのふりをしないことなのだ。

ディズニーがどうして
こんなに攻めの経営(買収)をしてきたのかも
本書を読む事でしっくりくるし、納得もできました。

3つの戦略的優先課題(方針・ビジョン)

①良質なコンネンツの充実
②テクノロジーの最大限の活用
③真のグローバル企業となる

きちっとビジョンがあって
当時のディズニーとのギャップを埋めていくために
ピクサーやマーベル、ルーカスフィルムが
必要だったのだと腹落ちできます。

テクノロジーの強化の段階ではこんな事も考えていたそうです。

それにスティーブジョブズがなくなっていなければ
アップルと合併するか、少なくともその可能性を真剣に
議論していたと思う。

それくらい2人の絆は強かったのだと思った。

さらに2016年の夏頃はツイッターに買収に前向きである事を伝えていた。
これはディズニーの取締役会も買収に賛成した後に
ロバートアイガーが中止を決断したそうです。

もしかしたらツイッターがディズニー傘下に入っていたのかもしれない。

でも、これは実現しなくて良かったと思う。

本書でも掲げられているが
ツイッターは炎上するし、政治的なメッセージのフェイクアカウントなど
色々な問題が山積していて、それがディズニーのブランドを毀損する
可能性があるからである。

ディズニーなどのブランドを重視する企業は
SNSとは親和性があんまり良くないのかなぁって思いました。

こんなディズニーの企業経営にまつわる
様々な事を一気に学べちゃう本書!
おすすめです。

そして、ロバートアイガーは良い上司であり良い部下。
こんな方とお仕事をする機会があれば
すごく幸せだろうなって思いました。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?